東京都「改正」迷惑防止条例が成立 だけど萎縮しない、ひるまない(柳田茜)

 2週間前に「こちら編集部」で取り上げた東京都の迷惑防止条例「改正」案。3月22日に都議会の警察・消防委員会で可決され、29日の都議会最終日には本会議でも可決されてしまいました。市民運動や報道機関の活動までもが取り締まりの対象になる可能性のある条例が成立し、批判の声があがっています。

 3月のなかば、森友問題に気をとられているさなか、弁護士の団体などからこの条例案の危険性がネット上で伝わってきました。それを受けて少なからぬ市民は、官邸前や国会前での森友問題への抗議行動と共に、条例案反対運動も開始。
 例えば私の地元の市民連合はすぐさま、迷惑防止条例「改正」に反対する要請書を都議会各会派にFAXしました。また23日には有志が都庁を訪問し、都議に要請書を直接届けに行っています。何人かの都議には要請書を手渡しし、短時間の対話もできたそうです。
 さまざまな市民団体だけではなく、もちろん一人ひとりの個人も動きました。都庁前での抗議集会に参加したり、署名をしたり、SNSで情報を拡散したり。本会議で党所属議員全員が反対した共産党都議会議員団によると、29日までに個人・団体から約9000もの要請書や署名が寄せられたとのこと。他の会派にも、数多くの要請FAXが届いていたはずです。

 個人・団体による反対意見がありながら議会で賛成多数で成立した「改正」迷惑防止条例ですが、これは改正どころか、いろいろな問題点をはらんでいます。
 私たち市民にとっての大きな懸念は、デモや抗議行動への規制につながるのではないかという点です。3・11以後、都内では国会議事堂周辺ほか各所で大規模なデモがおこなわれるようになりました。同様の条例はすでに他の17道府県で制定されていましたが、東京都では規定されておらず、この数年間で数千人が集まるデモもめずらしくなくなりました。普通の市民が声をあげ、街を歩く風景が日常のものになりつつある首都・東京で、「みだりにうろつくこと」が処罰の対象になる条例を制定させたのは、やがて全国での市民の自由な行動を制限する狙いがあるのではとの疑念がつのります。

 「改正」迷惑防止条例の施行は7月1日。成立してしまったのは残念ですが、大事なのは、萎縮したりひるんだりしないことではないでしょうか。
 「集会・結社・表現の自由・通信の秘密」は、憲法21条で保障されている私たちの権利です。恣意的な運用をさせないように監視し、条例の廃止を求めていくのも私たち市民にできること。この東京を「デモのしづらい」都市にするわけにはいきません。

(柳田茜)