気になるニュース/6月13日(マガジン9編集部)

新聞、TV、インターネット、書籍など、メディアを問わず、マガジン9スタッフがそれぞれに、最近の「気になるニュース」をピックアップ。今後も注目していきたい内容、なんだか違和感を覚えたもの、ぜひシェアしたいもの……などなど、好き勝手に集めてみました。みなさんは、どのニュースが気になりますか?

→高プロ、提出前聴取は1人 厚労省が実施時期開示(共同通信 6月12日12時7分配信)

 国会周辺で、一瞬ネタかと思ってしまうようなニュースが飛び交うこのごろですが、これもすごい。「働く人たちのニーズがあるから法律をつくる」と言っていたはずの「高度プロフェッショナル制度」、法案提出前にヒアリングしていたのはたった1人って……。いったい誰の「ニーズ」なの? という疑問(答えは分かりきっているけれど)が膨らむばかりです。(西村リユ)

→「違法な暴行で骨折」大阪入管収容のトルコ人男性が提訴(朝日新聞デジタル 5月29日22時50分配信)

 昨年、大阪入国管理局で職員による制圧時に大けがをしたとして、収容中のトルコ人男性(34)が国に損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたというニュース。保護室での様子を記録した映像も公開されていますが、一人に対して8人…なんだか異様にも映ります。以前にマガ9スタッフが、東京入国管理局前での長期収容の中止と待遇改善を求める抗議行動に参加したときの様子をレポートしていますが、状況を変えるには多くの人が入管施設の中で起きていることに関心をもつ必要があります。ブラックボックスのような状況は変わるかもしれません。外国人技能実習生に関するニュースなども相次いでいますが、「グローバル社会」とか「多様な社会」とか言うのはいつも経済のことばかり。人権についても考えていかないと、と思います。(中村)

→自民お手盛り選挙改革に“進次郎砲”炸裂「国民をなめるな」(日刊ゲンダイ6月7日)

 小泉進次郎という人はハンサムで人気があり、自民党の次代を担う若手として取り上げられることが多い。党内でも筆頭副幹事長に起用されているが、これも後に重役につけるための布石と言われている。さらに安倍政権に対しても党内から物申している…ように見える。しかし、彼の発言は口先だけのきれいごとで表面をなぞるようなものばかり。安倍政権に対して真っ向から何か言っているわけでもない、ただの「ガス抜き」だ。これを「“進次郎砲”炸裂」などと謳ってしまうとは、日刊ゲンダイともあろうものが…という「メディアの取り上げ方」自体が「気になるニュース」でした。(仲松亨徳)

→ガザ「足を銃撃され重傷の男性多い」現地の惨状を報告(毎日新聞 6月6日 17時45分配信)

 パレスチナ・ガザ地区で活動する「国境なき医師団」から帰国した医師と看護婦による記者会見のニュース。「イスラエル軍はデモを止めるためか、明らかに足を狙って銃撃している。負傷者の多くは骨も含め損傷が激しく、何度も手術が必要で感染症のリスクも高い」といいます。
 少し前には、ガザの保健当局から派遣されていた医療ボランティアの女性が、(白衣を着て「医療関係者である」ことを示していたにもかかわらず)イスラエル軍による銃撃で死亡するという痛ましいニュースもありました。9日付のAFP通信は、ガザでは今年3月末からデモが激化しており、イスラエル軍の攻撃で死亡したパレスチナ人は少なくとも129人。イスラエル側に死者は出ていないと伝えています。(西村リユ)


→「日高六郎さん、101歳で死去 ベトナム反戦の社会学者」(朝日新聞デジタル6月7日 12時32分 配信)

 マガジン9条が発足してまもないころ、日高六郎さんにお話をお聞きする機会がありました。当時の私は、市民運動にはまったく無縁のまま生きてきた人間でしたが、日高さんの言葉に、強い衝撃を受けました。いかにその時、私が感銘を受けたか、トークショーの内容を「マガジン9条のブログ」にほぼ「全文」を書き記していることからもわかります。読み返してみると、あまりにつたない記述で恥ずかしい限りなのですが、それでも日高さんの言葉をとにかく「伝えねば」という、強い熱は感じ取れるでしょうか。あれから13年。内外の政治状況、そして憲法をめぐる状況も大きくかわりました。私もこの間、憲法については多くの先生方のお話を聞き、様々な護憲・改憲論にも触れてきました。でも真理は、日高さんの言葉にあると今、改めて考えます。心よりご冥福をお祈りします。
(トークショーの概要は、法学館研究所のサイトにもあります。)(水島さつき)

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