2024年4月23日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第644回:15年前、なぜ船は沈んだのか〜『黒い海 船は突然、深海へ消えた』の巻(雨宮処凛)

 重度障害の当事者である市川沙央さんが小説『ハンチバック』で芥川賞を受賞したことが大きな注目を集めているが(まだ読んでない。読みたい)、この5月に第54回大宅壮一ノンフィクション賞を、そして7月に本田靖春ノンフィクション賞を受賞し…

第643回:いつまで「凶器」は野放しにされるのか〜SNSの誹謗中傷に思う〜の巻(雨宮処凛)

タレントのryuchellさんが7月12日、亡くなった。享年27。報道によると自殺とみられる、ということだ。このことに、日本中がショックを受けている。私も大きな衝撃を受けている一人で、気持ちの整理がつかないままにこうして原稿を書いている。動…

第642回:頭脳警察・PANTAさんの訃報。の巻(雨宮処凛)

7月7日、七夕の日、尊敬する人が亡くなった。それはPANTAさん。言わずと知れた「頭脳警察」のボーカルだ。享年73。そんなPANTAさんと、私はこの20年ほど親しくさせて頂いた。きっかけは、イラク戦争。2003年3月に開戦したイラク戦争の1ヶ月…

第641回:関東大震災から100年の日に公開される『福田村事件』。の巻(雨宮処凛)

エンドロールが終わっても、しばらく席を立てなかった。それくらいの衝撃作を観た。それは森達也監督の『福田村事件』。今から100年前の関東大震災の時に起きた実際の事件を映画化したものだ。事件が起きたのは震災から5日後の1923年9月6日。大…

第640回:「金を返せ」。福島から避難してきた子どもが投げつけられた言葉。の巻(雨宮処凛)

ネットフリックスで配信されている『THE DAYS』、あなたはもう観ただろうか。12年前の福島第一原発事故を描いたドラマだ。東電の吉田所長を演じるのは役所広司氏。臨場感溢れる映像に、手に汗握りながら一気に観終えたのだが、久々に「…

第639回:なぜ維新なのかについてのロスジェネ的考察。の巻(雨宮処凛)

日本維新の会が人気だ。毎日新聞が5月に実施した「立憲民主党と日本維新の会、どちらが野党第一党にふさわしいか」(支持政党にかかわらず)という世論調査では、維新と答えた人が47%、立憲と答えたのは25%。倍近い差がつく結果となった。維新…

第638回:国会、江戸時代に戻る〜萎縮を狙った「見せしめ」としての懲罰〜の巻(雨宮処凛)

6月9日、入管法の改悪が参議院本会議で可決、成立した。この連載でも触れてきたように、そもそも立法の根拠が崩壊していることが明らかになったにもかかわらず、外国人を見殺しにするような恥ずべき法案が、である。私の知る外国人の中には、「こ…

第637回:「日常」を取り戻しつつある中、「コロナ収束」から取り残される人々。の巻(雨宮処凛)

「コロナの影響で仕事を失い、2年前から車上生活。道の駅駐車場で生活」(60代男性)「単身、パート。家賃が払えず夜勤以外の日は5年間ネットカフェ暮らし。生活保護は働いていたら受けられないと間違った認識でいたため申請したことなし」(5…

第636回:「改正」が必要なのは、今の杜撰すぎる難民認定審査のあり方では? 〜渋谷に7000人! 入管法改悪反対デモ~の巻(雨宮処凛)

「姉は入管で飢餓状態になり、入管職員に点滴を求め、病院に連れていってほしいと求めても叶えられませんでした。姉は殺されたのです」。5月21日午後3時半過ぎ、東京・渋谷の国連大学前に怒りの声が響き渡った。マイクを握るのは、2021年3月、…

第635回:新しい戦前にさせない〜「軍拡より生活」の動き、各地に広がる。の巻(雨宮処凛)

「新しい戦前」。昨年末、「徹子の部屋」にゲスト出演したタモリ氏が、2023年について問われて言った言葉だ。「新しい戦前になるんじゃないですかね」。その少し前、政府はロシアのウクライナ侵攻などを理由に今後5年間の防衛費を計43兆円にす…