都議会選挙をふりかえる(マガジン9編集部)

 2日に投開票がおこなわれた「2017年東京都議会議員選挙」は、これまでになく注目が集まった地方選挙ではなかったでしょうか。前回2013年に行われた都議会選挙では、自分が誰に票を投じたかということも、さっぱり思い出せず(投票には行っているはずなんですが)、都議会との距離がすごく遠かったんだなと、感じています。当時、ある首長が「都議会ほど閉鎖的で古い体質の残っている地方議会はない」と語っていたことも印象的で、私の中でも「魅力のない議会」とのイメージを強く持ってしまっていました。もっと平たく言うと「石頭の“おっさん”ばかりが集まっていて、動かしようのない議会」として、頭の隅に追いやられていました。たぶん、大多数の都民にとってもそうではなかったでしょうか。

 そんな都議会がメディアをはじめ注目を集めるきっかけになったのは、知事就任以来続いている「小池旋風」によるものですが、かく言う私も議会傍聴を誘われた時、「小池さんの生答弁が見てみたい」というミーハー心で初めて都議会へ出かけていったものです。一見した議場の印象は、議員だけでなく答弁席に座る行政側の席も、黒やグレーの背広姿が大半を埋めていて「男性ばっかりだな〜」というものでした。

 さて、現在私が住む豊島区は、小池都知事の衆議院議員時代の選挙区であり、お膝下といわれた場所。今回の都議選では「一緒に崖から飛び降りてくれたサムライ」と知事に持ち上げられた都民ファーストの会の候補者がトップ当選し、「いるだけで働かないベンチウオーマー」と揶揄された自民党候補者が落選しました。この地で自民党が議席を落としたのは、結党以来だそうです。

 今回の選挙は、暴走がすぎる安倍一極政治への審判という面も確かにあったでしょう。それについては、安倍政権は真摯に受け止めてほしい。しかしその一方で、すぐに政局につなげるマスメディアの「反応」にも、首をかしげたくはなります。都議会といえども地方自治であり、東京に暮らす人々の生活についての政策や論点や議会のあり方が、もっと取り上げられるべきだと思うのです。

 さて豊島区においては、羽田増便によって自分たちの暮らす地域の上を飛行機が低空飛行するのは問題だと考える市民たち(としまの空を考える会)が候補者に直接質問状を送り、その回答を会のホームページに掲載しました。これによると、全員「問題あり」と答えています。ちなみに、直筆の回答用紙もスキャンして掲載しており、これを見ると、各候補者の人柄やこの問題についての向き合い方が、じわっと滲み出ているようで、大変興味深かったです。

 この問題については、以前、マガジン9でもインタビュー「安全より経済優先!? 羽田増便に都心低空飛行問題」(秀島一生さんに聞いた)で取り上げました。羽田増便は、国交省のマターということになっていますが、東京23区の上空を飛行機が低空飛行していくわけですから、都民に直接影響のある重要な問題として、都議会でもぜひ取り上げるべきでしょう。アンケートによると、今回「問題だ」と考える議員を、豊島区より3人送り込めたわけですから、これをとっかかりに住民と議員が繋がって、「都民無視の既定路線で進んでいいの?」ということをきちんと議会で議論し、知事にもリーダーシップをとってもらい、東京都より国に問いただして欲しい…とも思います。

 地方選挙というのは、そんなこともできる機会なのだなと改めて感じた選挙でもありました。東京新聞によると、他の地域でも「路上喫煙」など、自分たちの気になっている問題について、候補者にアンケートをとったところがいくつかあったそうです。
 小さな動きかもしれませんが、その積み重ねがあってこその、「主権在民」「政治参加」でしょう。「地方自治は民主主義の学校」というその言葉もまた、思い出された今回の都議会選挙でもありました。

(水島さつき)