マガ9編集部スタッフ座談会:あらためて「9条」の話をしよう

今年の5月3日(憲法記念日)、読売新聞に掲載された安倍首相のインタビュー記事で、同首相は次のように述べた。
「9条については、平和主義の理念はこれからも堅持していく。そこで例えば、1項、2項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加える。(中略)私の世代が何をなし得るかと考えれば、自衛隊を合憲化することが使命ではないかと思う。9条1項、2項をそのまま残し、そして自衛隊の存在を記述する。どのように記述するかを議論してもらいたい」。
日本国憲法第9条と自衛隊の整合性については、いろいろな解釈がなされてきた。今回の見解は「憲法改正」を党是とする自由民主党のなかでも賛否が分かれるものであるが、自衛隊の合憲化についての議論はほとんどなされなかったように思う。
しかし、自衛隊とは本来どういう組織であるべきかについて、国民的な合意が得られているとは言い難い。編集部スタッフのなかでも、自衛隊をどうとらえるか、9条をどう解釈するか、についての意見は微妙に分かれるところであり、あらためてスタッフ間で議論したいと考えた。
これを機に読者の皆さんと一緒に考えていければうれしい。(企画者・芳地隆之)

    参加スタッフ

  • 鈴木 耕 フリーの編集者、ライター。マガジン9には立ち上げからかかわる。
  • 芹沢啓二 マガ9のデザインなどを担当するデザイナー。シンプルに「憲法9条を読めば、当然自衛隊は違憲」だと考えている。
  • 水島さつき イラク戦争を機に平和や憲法の問題に関心をもち、10年以上にわたってマガジン9の編集・事務を担当。
  • 寺川 薫 雑誌編集者。憲法改正国民投票を阻止するのではなく、勝つための運動が護憲側に必要という考え。新9条論には肯定的。
  • 芳地隆之(司会):「戦争をしない。軍隊をもたない」が日本の建国の理念だと思っている。ときどきコラムを執筆。

戦後70年、憲法9条と自衛隊をどう考える?

芳地 まず、安倍首相の「加憲」のような考えが出てくる時代の背景や、憲法、自衛隊に関する世間の空気について、それぞれ思うところを語ってもらいたい。

鈴木 戦後日本の歴史を「憲法」の視点から振り返ってみると、ぼくの解釈では五つの段階に分けられると思う。第一が敗戦直後の「戦争はもういやだ」という反戦一色の時代、第二が警察予備隊、保安隊、自衛隊と、冷戦構造に巻き込まれて再軍備の道を歩んでいく時代。第三が、憲法の前文ならびに第9条と現実の間の齟齬に対し、よくいわれる「大人の知恵」で対処した時代で、「自衛隊は自衛のための戦力であるから、軍隊ではない」として、ごまかし、ごまかしやってきた。ところが東西冷戦が終わると、共産圏の脅威が消滅したことで憲法と自衛隊について議論される機会も少なくなり、この「大人の知恵」に対する関心すらなくなっていく。これが第四の無関心の時代。さらに、その間隙をついて安倍首相の改憲論まで出てきた現代が、第五の時代といえる。
 しかし、世の中全体で改憲への気運が高まっているかというと、そうでもないとぼくは思っている。改憲の声が大きく聞こえるように感じるのは、SNSが普及したことで「威勢のいい言葉」が受け入れられるようになったからではないか。鬱屈した人々がSNSを通して、罵詈雑言を繰り返す。そして、ある一定層には受け入れられる。でもそれは、あくまで一部で、世の中の大きな流れになっているとは思えない。だからぼくは安倍式「加憲」が大きな流れになるとは捉えていない。

寺川 これまでの経緯や現状認識については、私も鈴木さんとほぼ同じ。ただ、衆参両院の3分の2以上を有する安倍首相を筆頭にした改憲勢力が国民投票に向けて着実に動き出している――その認識を持たないといけないと思う。
 政権支持率が下がって「もはや改憲どころではない」という見方があるが、私はそうは思わない。改憲を放棄すれば安倍首相の求心力はさらに低下するわけだから、首相はますます改憲にこだわるのではないか。
 安保法制が整備された今、自衛隊は海外に派遣されることが大前提になっている。その自衛隊の存在を憲法に明記することで、名実共に海外での自衛隊による武力行使を定着させようとするのが安倍式「加憲」の狙いだ。ただ、国防軍保持や集団的自衛権の容認も書き込まれた2012年の自民党改憲草案に比べれば、今回の安倍案は相当ソフトに見えるので、反対論を盛り上げるのもけっこう難しいだろう。そういう意味では、自衛隊の存在を憲法で認めたうえで、海外派兵禁止という「縛り」をかける、いわゆる「新9条論」(※)は論理展開としては間違っていないと思う。今日は議論を深める意味でも、おもに「新9条」的な立場から話をしたい。

※新9条論…憲法に自衛隊の存在を明記するとともに、その活動範囲にも縛りをかけようとする考え方。複数の論者が主張している。

芹沢 安倍首相の「1項、2項はそのまま、3項に自衛隊の存在を認めることで、自衛隊は合憲か違憲かの議論は終わりにしよう」という言葉を聞いたときに思ったのは、「これに反対する人、いないじゃん」だった。というのは、「自衛隊、頑張ってるよね」という世の中の気分も感じるし、自衛隊を合憲とする憲法解釈に文句を言う人ももはや少数派だろうから。実際、この件に対していわゆる護憲派のコメントはあまり聞こえてこなかった。
 つまり、戦力や交戦権を認めないはずの9条の条文は、今や「自衛隊はオッケー」とする「解釈」ありきでのみ守られているように見える。ぼく自身はそれはおかしい、自衛隊は違憲だと考えているので、安倍式「加憲」に反対できるのは、ぼくしかいないんじゃないのと思っている(笑)。

水島 今、内心では同じように「自衛隊は違憲。9条が掲げる非武装中立が理想」と思っている人も、「国際情勢が逼迫しているのに、お花畑だね」などと揶揄や批判をされて、意見や主張を引っ込めるような風潮が強くなっていると思う。だからなかなか、「自衛隊をどうする?」という議論もできなかったんじゃないか。
 また、憲法改正の発議がすでに政治のスケジュールに上がっているということは、改憲しようという世論がなくても、政権与党を中心に数の論理でどんどん進められていくということだと思う。

「大人の知恵」はもうやめたい?
──9条の「理想」は受け入れられるのか

芳地 それぞれの意見について、疑問や反論などあれば。

鈴木 新9条論は、今の自衛隊は憲法から逸脱しているから、現状を憲法に書き加えて逸脱しないようにしよう、という考え方。それは逆だろう。とりあえず理想は脇へ置いておいて、現状を追認しようというのは論理が逆転している。それなら人間は「理想」なんか語れなくなる。
 ぼくは、9条は今の条文のまま、自衛隊を政府の恣意的に使われるのを防ぐために、その活動範囲をきちんと決めるべきだと思う。そもそも自衛隊は9条2項の「陸海軍その他の戦力」に当たらないのだから、憲法とは切り離して議論すべき対象だ。具体的には、レジュメ「自衛隊についての極私的思考」に書いたけれど、沿岸警備隊、国際緊急援助隊、国連警察部隊の三つの組織に改編する。それによって、明確に専守防衛のための組織に戻していくべきだと思う。

水島 私は、自衛隊の今の軍事規模を考えれば、明らかに「軍」で違憲だと思う。だから憲法を変えて合憲にしようというのが安倍案だが、鈴木さんが提示してくれたのは、憲法は変えずに自衛隊を本来の「隊」とするための具体案。それには私は賛成だ。

芹沢 ぼくは「大人の知恵」を、もうやめたい。どう見たって自衛隊は軍隊なのに、そうではないというのは欺瞞じゃないかと思う。

寺川 「9条の条文」と「自衛隊の存在」について何とかやりくりしてきた「大人の知恵」論自体は、私は欺瞞だとは思わない。ただ、自衛隊が海外で集団的自衛権を行使できる安保法制ができてしまった今、もうそれでは乗り切れないと思う。仮に国民投票で9条改憲が否決されたとしても、安保法制はそのまま残るという事態は十分考えられるわけで、「9条の条文は護られて、自衛隊はどんどん海外に出ていく」のでは何の意味もない。だから憲法で自衛隊の存在を認めると同時に、その活動範囲に縛りをかけるべきというのが私の考えだ。
 私も以前は「憲法は国の将来目指すべき姿や理想を書き込むものなのだから、現実との矛盾があってもかまわない」と考えていたし、今もそれを否定はしない。ただ、安倍式「加憲」案に対抗していくうえで、そうした「9条の理想論」が世論にどれだけ受け入れられるのか疑問がある。

「中国の脅威」をどう考える?──「抑止力」とは何なのか

寺川 それと、自衛隊の改組を考えるときに無視できないのは在日米軍の存在だ。自衛隊の再定義は在日米軍とセットに考えないと意味がない。
 まずは沖縄に集中している米軍基地を本土でもっと引き受けて、沖縄の負担を軽減した上で、いずれは米軍の日本からの完全撤退を目指したい。そういうと「非現実的だ」との反論が出るけれど、フィリピンは憲法に外国軍基地撤廃条項を盛り込んで米軍基地を撤退させ、しかもその後もアメリカとは安全保障における友好関係を保っている。主義主張や思想信条に関係なく、外国の軍隊がこんなにも長い間、日本の国土に居座っていることの異常さをもっと考えるべきだと思う。

鈴木 自衛隊と在日米軍の存在は別々に議論すべきだと思うが、ぼくも基本、米軍基地はいらないと思っている。ただ、そう言うと必ず「中国が攻めてきたらどうするのか」ということで抑止力の話になる。けれども、誰も「抑止力」とは何なのか、明確に定義できていないと思う。
それに、中国が他国の領土を占領しようと仕掛けた戦争――朝鮮戦争に関しては、建前として「義勇軍」という形をとっての北朝鮮への援助であり、他国占領とは少し意味合いが違う――が歴史上あっただろうか。中印、中越、中ソの紛争も、植民地獲得戦争ではなかった。こういうと、必ず「じゃあ、チベットはどうなんだ!」という反論がくるが、あれは少数民族の自立・独立に関わることで戦争とは違う。もちろん、だからといって中国のチベット政策はひどいし、許されないけれど。

寺川 中国脅威論を強調する人のなかにも、「中国が日本本土に攻めてくる」なんてことを言う人はほとんどいないのではないか。今、南シナ海で中国がやっているように、いつの間にか海域を実効支配して資源や権益を確保する、日本との場合なら尖閣諸島を占領はしないまでも、日本の排他的経済水域内で魚を乱獲したり、さらにはガス田での違法採掘をしたりするといった可能性を「中国の脅威」として指摘している人が多いと思う。
 そうして中国や北朝鮮の存在を怖いと感じている人に対して、「脅威論は空想だよ」と簡単に切って捨てるのはどうかと思う。テレビCMまで作って脅威を煽るのはおかしいけど、脅威と感じている人に対して、丁寧に説明していくことも必要だ。

芳地 冷戦時代にあれだけソ連脅威論が叫ばれていたのに、冷戦体制崩壊後は、今も北方領土は占領されているにかかわらず、日本政府はロシアの脅威を言わなくなった。それどころか、安倍首相はプーチン大統領に擦り寄っているようにも見える。それを考えると、脅威論って、その時々の国の都合なんじゃないのと思えてくる。

水島 鈴木さんは「自衛隊と在日米軍の問題は切り離して考えるべき」と言ったけれど、今は自衛隊が米軍全体の戦略にどんどん組み込まれていっている。本来、平和のためにすべきは外交だし、日本には非軍事の分野で国際貢献できることがたくさんあるのに、抑止力論に引っ張られてしまっていると感じる。

鈴木 そもそも、尖閣列島については、当時の石原都知事が買うと言い出し、野田首相が国有化を宣言して、中国に喧嘩を売ったのが現状の発端(※)。そんなことはせずに、両国の共同管理にして、周辺の漁業権に関しては「うちはこれだけ、おたくはこれだけでどうですか」みたいな話し合いをすればよかったのに。それが外交でしょ。「大人の知恵」って、そんなふうに発揮すべきでしょ。

※現状の発端…2008年4月、石原慎太郎都知事(当時)が突如、「尖閣諸島を東京都として購入する」と表明。購入資金にあてるための「東京都尖閣諸島寄附金」も募集された。対中関係の悪化を懸念した野田政権(当時)が同年9月、国有化を宣言・購入したものの、中国側の反発は大きく、抗議デモや日本企業・製品のボイコット運動などが頻発した。

世界が物騒だからこそ、9条が生きるのでは?

芹沢 「脅威」に関する護憲派の議論は、ぼくには「相手は攻めてこないから、9条でも大丈夫」という風に聞こえる。でも本当に誰も攻めてこない世界なら、それこそ9条なんて不要で、むしろ世界が物騒だからこそ9条が生きるんじゃないかとぼくは思う。
 以前、柄谷行人さんがある講演会の中で「安倍首相は国連に行って、日本はこれから憲法9条を実行します、と宣言すべき。『宣言する』ことが非常に大事で、同じ銃社会の中に丸腰で出て行くのでも、ただびくびくしながら出ていくのと、『私は銃を持っていないし、撃ちたくもないし、撃たれたくもない』というプラカードを掲げて堂々と歩き出すのとでは全然違う」と言っていて、なるほどと思った。物騒な世界にこちらが合わせるんじゃなくて「9条を実行すれば世界のほうが変わるんだ」という考え方だ。
 中国についても、こちらが「中国に対抗しようとする策」を講じれば講じるほど、向こうに攻める理由を与えるのだから、米軍に出ていってもらったうえで中国と仲良くすればいいと思う。

水島 9条の話になると、攻められたときにどうするんだ、ということばかり語られるけれども、憲法に書かれていることはそういうことじゃない。9条は明確に「武力行使はなし」「戦力はなし」とうたっているわけだから、その原点に戻って考えようという時代に来ていると思う。「そんなの理想論だ」と一蹴するような今の空気には抗したい。

芹沢 9条は世界の情勢に合わないと言っているのは改憲派だけではなくて、護憲派も後ずさりしてきたとぼくは言いたい。「世界はこんな状況だから自衛隊は置いておきましょう」では9条の価値はない。

国民投票を見据えて──国際貢献をどう考える?

芳地 今後、実際に憲法改正の発議が行われた場合、どのような形で国民投票が行われるのか。選択肢は改憲案、現行憲法の二つになるのか。

寺川 有権者は、国会で発議された改憲案に対して賛成か、反対かの一票を投じることになる。反対票を投じる=現行の9条を支持するということだから、改憲案VS現行9条の2択。現状では、新9条論的な、自衛隊の活動範囲に厳しく縛りをかけるような改憲案が発議されることはまず考えられないので、私は反対に一票を投じる。その意味では、安倍首相の「加憲」案も含めて現状での改憲案に反対の一票を入れるという点では、9条護憲派と新9条派は共通していると思う。

芳地 しかし、たとえば3項に「ただし、自衛隊の活動については2項が定める限りではない」みたいなことがさらりと書かれたら、賛成票を投じる有権者は多いのでは? 「自衛隊員は頑張っているんだから、憲法で認めてあげなきゃいけない」という声は多い。

鈴木 自衛隊と一言でいうけれど、それが戦う軍事組織としての自衛隊なのか、国際援助などを行う支援組織としての自衛隊なのか。どのような自衛隊を受容するのかというところを見逃してはいけないだろう。

水島 「世界で起きている紛争解決のために日本は出ていかなくていいのか」という人も多いけれど、軍事組織を出すことだけが貢献ではない。非軍事的な国際貢献とは何かを考えるべきではないか。

芹沢 そもそも国外に自衛隊を派遣するか、否かとか、9条はなんにも言ってない。ただ、武力を持たないと言っているだけ。だから、武力を認めた9条に、ぼくは何の魅力も感じない。国に「実行しろ」と言えないような憲法の条文は意味がないと思う。
 それから「9条は理想なのだから今のままでいいんです」っていう言い方も釈然としない。そんなことでいつか何かが実現されるのか。やっぱり9条の文言を今こそ使ってほしい。だから繰り返すけど、「9条を今から実行します」と明日、安倍首相に言ってもらいたい(笑)。

「リベラル」の言葉は届かないのか

芳地 寺川さんからは、今回の座談会にあたって「リベラル」の言葉はなぜ多くの人に届かないのか、という問題提起もあった。

寺川 国民投票を見据えたときに、いわゆる「リベラル」が考えなくてはならないのが安保法制や共謀罪への反対運動が訴えた危険性が多くの人に伝わったとは言えないこと。特に共謀罪については、原発再稼動や安保法制反対のときのような大きなうねりは生まれなかった。
 そんな中で、「頑張っている自衛隊を憲法で認めてあげよう」という安倍式「加憲案」の欺瞞性を、どう伝えていけばいいのかが難しい。

芳地 単に「反安倍」という言い方では伝わらない、という意見もあるが。

寺川 たしかに「アベ政治を許さない」的なスローガンを訴えても、中間層を引きつけることはできないと思う。安倍式「加憲」案を否決するための発信の仕方がもっとあるはずだと思うのだが。

芹沢 これまで「リベラル」の言葉が広がってこなかった背景には、自由や平等とか人権とか、いわゆる普遍的とされてきた理念が本当に自分たちを幸せにしてくれたか? という疑念があるんじゃないか。リベラルなんて偽善だという反動的な気分が少なからぬ人に広がっているように感じる。

鈴木 みんな悲観的だけど、ぼくはそうでもない。これまで日本が戦争をしなかったのは9条のおかげ、という思いは多くの人の根底にあるはず。冒頭にも言ったけれど、SNSなどでの相手を罵倒するような、聞くに堪えない言葉が蔓延しているから、そういうのを読んだり、聞いたりすると、そういう力が大きいと思ってしまい、それにぼくらが過剰に反応するからおかしくなるんじゃないか。9条に関する世論調査では、今も「変えない方がいい」が多数を占めるんだから。

寺川 しかし、改憲案が発議されれば、護憲・改憲両派が賛否を訴える「国民投票運動」が展開され、テレビなどでも討論番組がたくさん放映されるだろう。2年前の大阪市の住民投票(※)でも、投票行動が討論番組の影響を受けたという人が多かったという調査結果もあるし、「自衛隊員の方たちをいつまでも日陰者扱いするのですか?」「丸腰でどうやって国を守るのですか?」といった、ある意味シンプルで分かりやすい「口撃」に対して、こちらもシンプルで分かりやすい反論が必要だと思う。

※大阪市の住民投票…2015年5月に大阪府大阪市で行われた、大阪市を廃止して五つの特別区を設置するという「大阪都構想」の是非を問う住民投票のこと。賛成49.62%、反対50.38%の僅差で否決された。

水島 9条の本質や理念を検証し、実行していくことが、安倍政権が進めようとしている改憲に対する唯一の対抗策だと思う。その一つが、憲法の、そして9条についての歴史を学び、伝えていくこと。改憲しようとする人たちは、日本の自衛隊の現状だけを取り上げて「認めるべき」と主張しているけれど、世界でも類を見ない徹底した非暴力平和主義を掲げる9条がなぜ、どのように制定されたのかということを、もっと広い視野と長いスパンで考え、それをマガ9でも伝えていきたい。

芳地 鈴木邦男さんが、自衛隊を保安隊に、そして警察予備隊へと先祖がえりさせて、最後には武力のない国になることを目指せ、ということをマガ9学校で話されていたことを思い出した。そうした意見や、寺川さんのいう「新9条」論なども含めて、自衛隊や憲法に対する考え方がまったく同じではなくても、現状での改憲には反対するという点では連携し、議論していければと思う。