保育園に関する二つのニュース(マガジン9編集部)

保育園に関する二つのニュース

 自民党が今年の衆院選の公約の一つに掲げていた「幼児教育の無償化」。一時は対象外と伝えられていた認可外保育施設も無償化の対象に含めるよう政府が方針転換した、との報道がありました。
 児童福祉法に基づく国の認可を受けていない「認可外保育所」ですが、認可は施設の広さや職員数など、国が定めた一定の基準を満たしているという目安に過ぎないので、認可外だから質が低いとか、安心できないとかいうわけではありません。中には、制約を受けず自由な保育をするために、あえて認可を受けない道を選んでいる保育園もあるようです。
 ただ、国からの補助がないため、保育料は認可施設に比べて高いことが多いのは事実。そして、保育料の安い認可保育所を希望しながら、入所がかなわずやむなく認可外に子どもを預けている親も多数います(認可外に預けておけば、翌年認可保育所に入りやすくなることが多いという事情も)。
 そんな状況で「認可外は無償化対象外」となれば、認可保育所への入所希望がさらに集中するとともに、結果的に認可保育所に入れた家庭と入れなかった家庭の間の溝が深まるだろうことは目に見えていました。なので、今回の方針転換は、当然といえば当然だと思います(まだ「対象を絞る」とも言っていてどういう仕組みになるのかよく分からないし、そもそも無償化の前に待機児童問題解消だろう、という思いは強いのですが)。
 などと考えていたら、昨日はこんなニュースが流れてきました。

→保育所などの利益率5~9%=初調査、公費抑制論も―内閣府(11月14日時事通信)

 要は、保育所(や幼稚園)の「経営実態調査」をやってみたら、利益率が全産業平均を上回っていることが判明したため、国や地方からの助成金を減らすことを検討している、という話なのですが…保育士の給与の低さや待遇の悪さは、保育士不足の要因としてすでに指摘されまくっているところ。現場の保育士さん自身からも、「保育士を続けたいから、もう少し給与を上げてほしい」と、悲鳴のような声が上がっていました。もし、本当に保育所や幼稚園が「儲かっている」のだったら(どういう計算に基づくものなのか、はひとまずおいて)、政府のやるべきことは助成金を減らすことではなくて「その利益を、人件費に回すように」と指導することではないのでしょうか? 怒りよりも、本当に意味が分からなくてぽかん、としてしまいました。

 少子化対策が叫ばれてすでに長いけれど、こんな「ずれまくった」政策ばかりが出てくる状況で、子どもが増えるとはとても思えない。保育や教育に関するニュースに触れては何度も感じてきたことを、また考えているここ数日。憲法を変えなくてもできるはずの「教育の無償化」を改憲テーマとして叫ぶ前に、子どもたちのためにできることはいくらでもあるのでは? と思ってしまいます。

(西村リユ)