気になるニュース/3月28日(マガジン9編集部)

新聞、TV、インターネット、書籍など、メディアを問わず、マガジン9スタッフがそれぞれに、最近の「気になるニュース」をピックアップ。今後も注目していきたい内容、なんだか違和感を覚えたもの、ぜひシェアしたいもの……などなど、好き勝手に集めてみました。みなさんは、どのニュースが気になりますか?

→線量計、福島県で削減 低線量地域の2400台 規制委(朝日新聞 3月21日5時00分)

 こういうニュースを見聞きすると胸がざわつく。まさに「気になるニュース」だ。
 国や東電は原発事故を「もう終わったこと」にしたいのではないか。あの事故はもう済んだこと、賠償金や支援ももういいでしょう。いつまでも甘えていないで、さっさと帰って復興、復興だ、再稼働だ、オリンピックだ……そういう流れを感じてしまう。
 低線量被曝の影響はわからないことだらけ、早々に計測をやめてしまうなんて言語道断、事故の収束、再稼働をもくろむ原子力村の暴挙だ……と、数年前の私ならいきまいただろう。だが、たった2回だが福島を訪ねた今は外野席からのヤジを飛ばせなくなった。放射線のことを勉強し、自分たちで測り、なんとか折り合いをつけてふるさとで生きることを選択した人々にとって、このニュースは「朗報」なのかもしれない。
 「線量が下がって、もう細かい数字を気にしなくてもよくなったんだね、手放しで喜べはしないけど、まずは一安心。よかったね」
 そう、言葉をかけるべきなのかもしれない。
 「事態を侮らず、過度に恐れず、理性的に向き合う」という「福島プロジェクト」の安齋育郎さんの言葉を繰り返しつぶやいてみる。(田端薫)

→中学の性教育に「不適切」 都教委、自民都議指摘受け指導へ 区教委「ニーズに合う」(朝日新聞デジタル 3月24日05時00分)

 東京都足立区の区立中学校で行われた性教育の授業内容が「不適切」だと自民党都議が指摘。学習指導要綱にない「性交」「避妊」「人工中絶」という言葉を使ったことが問題だとされています。インターネットで性に関するさまざまな情報に簡単に接触できてしまうなか、中学生のうちに「性交」や「避妊」について正しい知識を得ておくことは、自分の身を守るためにも、相手を大切にするためにも大事ではないでしょうか。
 先年末、予期せぬ妊娠・出産をした女性からの相談事業について取材する機会がありましたが、避妊についてのきちんとした知識もなく性交して、誰にも言えないまま自宅で出産したという10代の相談ケースもあり、性や命にかかわる教育の必要性を感じました。
 子ども虐待死のうちもっとも多いのは0歳児ですが、その背景には「予期せぬ妊娠」があると言われています。こうした実態とズレている感が否めないこのニュース……。しかも、指摘を受けて東京都教育委員会が近く足立区教育委員会を指導するとか。ここにも忖度があるのでしょうか。(中村)

→相撲協会 八角理事長を再選 新理事に親方10人選任(毎日新聞 3月26日 13時35分/最終更新3月26日13時44分)

 元横綱・日馬富士の暴行事件以降、角界の片方の「主役」だった貴乃花親方は、今年2月の理事選落選後も「出社拒否」や「内閣府への告発状提出」など、抵抗を続けてきた。ところが春場所中に弟子の貴公俊(東十両14枚目)の付け人への暴行が明らかになると、形成は明らかに逆転し、告発状も取り下げる方向となった。この数カ月間、ワイドショーを賑わせた一連の騒動も、片方の主役が矛を収めることで収束し、もう片方の主役である八角理事長にとっても「めでたし、めでたし」となるのかもしれない。
 しかし、暴力根絶という永年の(永遠の?)課題について、とても今の相撲界に解決できるとは思えない。部屋に住み込み、完全な上下関係のもとでの日々を送る現状の部屋制度では、親方の目が届かないところでの暴力はなくならないだろう(どうして同じ格闘技のボクシングのように「通い」ながらの練習ができないのか)。
 問題は暴力だけではない。現状の年6場所制を続ける限り、力士のケガは多発し、治療もままならず、その結果、ガチンコ相撲は衰退していくだろう。土俵上の勝負そのものに魅力がなくなれば、相撲人気は下がり、弟子志願者も減ることになる。そうしたことを、再選された八角理事長はじめ相撲界の幹部はどう考えているのだろうか。
 貴乃花親方を過剰に「改革者」として持ち上げる報道にも違和感はあるが、今回の八角理事長の再選で「問題先送り」の傾向に拍車がかかるようで、残念だ。(寺川薫)

→朝鮮人の沖縄戦報告 動員後の差別究明 那覇で研究集会(琉球新報 3月18日6時34分配信)

 戦時下に朝鮮人が強制動員された真相を究明する「第11回強制動員真相究明全国研究集会」が沖縄大学で開かれた──というニュース。主催の「強制動員真相究明ネットワーク」は、戦時中の朝鮮人強制動員について究明を続けている市民団体ですが、その研究集会が沖縄で開かれたのは初めてだそうです。
 沖縄戦については本や映画などでそれなりに「知っている」つもりでいましたが、そこにも朝鮮半島から強制的に動員されてきた人たちがいて、労働に従事させられたり「慰安婦」にされたりしていた──というのは、情けないことに想像すらしたことがありませんでした。当時「沖縄は二等国民、朝鮮は三等国民」と位置付けられていたという衝撃的な指摘に、胸が痛くなります。
 琉球新報の記事ですが、県外の私たちこそが知るべき事実だと思います。(西村リユ)

→「知ってたら来日しなかった」除染のベトナム人(YOMIURI ONLINE 3月15日)

 「働き手が集まらず」、技能実習生に除染をさせたというニュース。この実習生は建設会社の寮から逃亡したということです。実習計画に除染を記載していなかったということは、問題になることをわかっていたのではないのでしょうか。
 技能実習制度は度々問題になってきました。外国人技能実習制度について、公益財団法人 国際研修協力機構(JITCO)のサイトには、こう書いてあります。
 〈技能実習制度の目的・趣旨は、我が国で培われた技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進です。制度の目的・趣旨は1993年に技能実習制度が創設されて以来終始一貫している考え方であり、技能実習法には、基本理念として「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(法第3条第2項)と記されています。〉
 外国人技能実習生の実態は、本当にこの制度の理念と目的にあったもなのでしょうか?実態と異なる状況に目をつむり続けることで、そのほころびが実習生の負担となって現れているように思います。(中村)

→「マンガ海賊サイト」早急に対策(NHK 首都圏 NEWS WEB 3月19日17時32分配信)

 インターネット上で無断で公開されている漫画が読める「海賊版サイト」。出版業界ではかねてから問題になっており、損失額は5000億円以上とも。著作者や出版関係者には金銭的な報酬が発生しないため、出版社の経営や、ひいては著作者の生計にも影響を与えるほどの規模に拡大している。菅官房長官は19日午後の記者会見で、サイトブロッキングを含め早急に対策を講じる考えを示したという。しかし、サイトブロッキング=接続遮断といえば中国の悪名高い「金盾」(中国共産党や政治家に不利な情報にアクセスできないようにする検閲システム)を連想させる。両刃の剣状態だが、安倍政権の強権姿勢を思えば、手放しで賛成できる対策ではない。濫用されないよう警戒が必要だ。(仲松亨徳)

→「捏造」巡り主張対立 慰安婦報道訴訟で本人尋問 (朝日新聞デジタル 3月24日05時04分)

 元慰安婦について、朝日新聞大阪社会部の記者だった植村隆氏が1991年に朝日新聞大阪本社版で記事を執筆し掲載。この記事に対して、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が2014年に「捏造記事」と断定して週刊誌などに論文を発表。植村氏は、櫻井氏や出版社に損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟を起こし、3月23日には長時間にわたる本人尋問が札幌地裁でありました。
 「植村裁判を支える市民の会」のサイトには、尋問で櫻井氏が自身のいくつかの記述に誤りがあるのを認めたことが報告されています。慰安婦問題に関して、元慰安婦の女性の証言などをねじ曲げてとらえ、ふたたび傷つける側の意見がまかり通る社会はやはりおかしい。こうした訴訟の経緯は大手メディアがもっと積極的に報じてほしいと思います。(柳田茜)

→振り込め詐欺 「ミカン送るよ」詐欺の予兆 オレオレ前日、息子と名乗り… 警視庁「警戒解く狙い」(毎日新聞 3月26日 東京夕刊)

 私事で恐縮だが、10年近く前のある日のこと。実家に一人で住む当時70代の母親から「お兄ちゃんが電車の中で痴漢をして、いま警察から電話があったよ」という電話を受けたことがある。その時私は「おっ、ついにうちにも来たか、オレオレ詐欺の電話が」と考え……いや考えなかった。
 「そうか、兄は仕事のことで悩んでいたし、もしかしたら自分でも気づかぬうちに痴漢を…」などとオレオレ詐欺側のストーリーに自然と合わせて、混乱気味の頭で対策を考えていたのだ。その時は、会社の同僚の「それって、オレオレ詐欺では?」の一言で冷静になれて、問題にはならななかったが、騙されてしまう人の気持ちの一端が分かったような気がした。
 それから10年近く経ったいま、今回のニュースを読んで、まだそんな詐欺にひっかかる人がいるのか、と、ウェブで少し調べてみたら…何と昨年1年間で、オレオレ詐欺や架空請求などの「特殊詐欺事件」は18,201件(前年比+4,047件)も起きていて、被害額は3年連続で減少傾向にあるものの、昨年だけで390.3億円も被害に遭っているそうだ。警察庁もホームページでの啓発に取り組んでいるが、そう簡単にはいかないのは前記の数字が示しているとおり。
 80代半ばとなった私の母親のもとには今でも年に数回、オレオレ詐欺らしき電話がかかってくる。「この家は高齢者が1人で住んでいる」という情報が詐欺グループの間で共有されているのだろう。本人と家族が気をつけるしか対策がないところに、この犯罪が減らない原因がある。(尾石優)

→裁判所がシリア人の難民認定を退けた。では日本では、だれが「難民」なのか(Buzz Feed News 3月21日7時1分)

 3月20日、東京地裁でシリア人4名の難民認定を求める訴えを退ける判決が出されました。その理由は、母国で政府から迫害を受けていたという「客観的な証拠」がないというもの。「客観的な証拠」とは、逮捕状や裁判の判決文などを指すようなのですが、それを難民申請をしている本人が示さなければ「難民」ではないとは、あまりに無理のある言い分ではないでしょうか。原告の一人が指摘しているように、「世界中のシリア難民が難民と認定されないことになる」判決だと思います。(西村リユ)

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