スタッフ発・気になる本と映像作品①

編集部に恵投いただいた書籍や、ただいま絶賛「積ん読」中! な本、これから見たいあの映画……などなど、スタッフが「気になる」本や映像作品を時々ご紹介していきます。読書や映画鑑賞の参考に、どうぞ。

〈書籍〉『魂に蒔かれた種子は NHKディレクター・仕事・人生』(戸崎賢二著/あけび書房)
 先日(1月11日)に81歳でお亡くなりになった、元NHKディレクターのエッセイ集。放送人としての筋を通し、映像表現の在り方を論じる一方、自らの青春や妻への愛情を切々と綴った文章は、ほのかに優しくて心地いい。
 ほんとうに素晴らしい方を亡くしてしまったと、返す返すも残念です。
 じっくりと読みたい本です。

〈書籍〉『ふくしま 人のものがたり』(渡辺一枝著/新日本出版社)
 人と向き合うことの大切さが、行間からにじみ出てくる。10年をかけて福島へ通い続けている著者が、5人の生き方を静かに聞き取った本。
 一過性の「福島本」にはない、深い人間の寂しさや切なさ、そして勁さと不屈を、飾ることなく写し取っている。人間っていいなあ…と思わせます。

〈映画〉『きこえなかったあの日』(2021年/今村彩子監督)
 東日本大震災、熊本大地震、西日本豪雨……。
 大災害の中で、「耳のきこえない人たちが置かれている状況を知ってほしい」という痛切な思いを込めた、今村監督のドキュメンタリー作品。
 健常者でさえ辛い状況で、ハンデを負った人たちが、何に苦しみ何に悩み、どこに希望を見出していったか。彼らをとりまく環境や、行政の仕組みがどう変わっていったか。まったく別の視点から見た「大災害の記録」でもあります。

〈映画〉『地球で最も安全な場所を探して』(2013年/エドガー・ハーゲン監督)
 地球で最も安全な場所とは、「たまりにたまった高レベル放射性廃棄物を数万年に渡って安全に保管できる場所」のこと。そんな、あろうはずもない場所を求めて世界中を回る核物理学者チャールズ・マッコンビーの姿を追うドキュメンタリー映画。
 原発推進派のマッコンビーと反原発派のハーゲン監督は、アメリカ・ユッカマウンテン、英国・セラフィールド、中国・ゴビ砂漠、青森県六ヶ所村、スウェーデン、スイスなど各国の最終処分場や候補地を巡る旅に出ます。
 茫漠たる砂漠にもぽつりぽつりと人家が見えるし、アメリカ先住民の神が宿る聖地がある。核が人間と共存し得ないことを思い知らされるドキュメンタリー。

〈書籍〉『ある日の入管~外国人収容施設は“生き地獄”~』(織田朝日著/扶桑社)
 昨年5月の「この人に聞きたい」でお話を伺った織田朝日さんの新刊。日本に暮らす移民・難民支援を行う織田さんが、入管収容施設への面会をするなかで見聞きしてきた体験を、4コマ漫画で描いています。
 普段、なかなか知る機会のない収容施設内の様子や入管職員とのやりとりが見えてきて、思わず手が止まってしまうようなエピソードも……。
 入管法改正案が国会で審議されようとしているいま、読んでほしい一冊です。