2024年4月23日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第574回:衆院選、終わる。の巻(雨宮処凛)

衆院選が終わった。蓋を開けてみれば、維新が4倍近く議席を増やし、自民党は議席を減らしたものの、「絶対安定多数」を確保。一方、野党共闘はどうなったかと言えば、多くの候補者が涙を飲んで実現した一本化だったにもかかわらず、立憲民主党…

第573回:週末は衆院選投開票日 私が選挙に行く理由。の巻(雨宮処凛)

とうとう今週末、衆院選の投票日だ。と言っても、この国では約半数の人が選挙に行かないし、おそらく興味もない。別にそのことを、とやかく言うつもりなどない。私自身がそうだったからだ。選挙や政治のことを本気で意識するようになったのは30代…

第572回:衆院選、始まる。「餓死か泥棒しかない」という声を政治はどう受け止めるのか。の巻(雨宮処凛)

衆院選を前にして、発足わずかの岸田内閣がさっそくボロボロだ。10月8日の所信表明演説では「分配なくして次の成長なし」とブチ上げていたのに、その3日後にはなぜかそのフレーズが「成長なくして分配なし」に変化。また「新自由主義からの転換…

第571回:新内閣発足。この数年のジェンダー界隈を振り返る。の巻(雨宮処凛)

自民党総裁選を経て、岸田内閣が誕生した。「自民党は変わった」。新総裁に選ばれた直後、岸田文雄首相はそう述べたが、岸田氏が選ばれたこと自体、自民党が変わっていないことの証拠に見えるのは私だけではないだろう。「新自由主義からの転換」...

第570回:「自宅療養」と言われても〜路上の人がコロナ陽性になったあるケース。の巻(雨宮処凛)

その診断書には、発熱があること、味覚障害があること、血中酸素飽和度は93であること、そして肺に影があることが書かれていた。診断書の当事者は、路上で暮らしていた男性だ。「第5波」が猛威を振るっていた8月、路上生活者などを支援する「あじ…

第569回:9・11から20年〜イラク戦争直前に訪れたバグダッド。の巻(雨宮処凛)

2011年9月11日、米国同時多発テロの日、あなたは何をしていただろうか。私は26歳で、その前年に1冊目の本を出していた。その日は編集者の女性と打ち合わせがあり、その後、二人で目黒のカラオケ屋で呑気に歌っていた。深夜、帰ってテレビをつけ…

第568回:「命を守る」ことを最優先にした政治を〜「命がけ」になってきている支援の現場。の巻(雨宮処凛)

コロナ禍が始まって、もう一年半。最近、やっとワクチンを打った。といっても、私の住む自治体のワクチンはずいぶん前に供給ストップ。どこに問い合わせても「いつ再開されるかわからずキャンセル待ち予約もできない」という返事。困窮者支援の現…

第567回: DaiGo氏の発言とコロナ禍で深刻化する貧困、そしてこれまでの生活保護をめぐるあれこれについて。の巻(雨宮処凛)

「失業中で1年くらいまともに食べていない。以前生活保護の相談に行ったが、いろいろ条件をつきつけられて申請しなかった。保険証もなく病院にも行けない。現金がなく食べ物に困っている」(50代男性)「離婚し保育園で働いている。借金もあるの…

第566回:「幸せそうな女性」を狙った卑劣な事件。の巻(雨宮処凛)

「幸せな女性や一緒にいる男性を殺したいと思っていた」。8月6日、恐ろしい事件が起きた。東京を走る小田急線の車内で36歳の派遣会社員の男が乗客を襲ったのだ。刺された20代の女子大学生が重症、20〜50代の男女9人も怪我をした。容疑者は床に…

第565回:『貧困パンデミック 寝ている「公助」を叩き起こす』から見えるコロナ禍の一年半。の巻(雨宮処凛)

自分ちの猫が可愛すぎて、講演の際に使うパワーポイントの最後のページに愛猫の写真を仕込んでおき、さりげなくみんなに自慢する人がいる。1990年代から貧困問題に取り組む、「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛氏だ。そんな稲葉氏がこの...