第265回:ぼくのツイッターから…(鈴木耕)

「言葉の海へ」鈴木耕

 最近はやたらとニュースが多い。とんでもない事件もたくさん報道される。どれをとっても重大なことばかりで、このコラムのテーマをひとつに絞ることがけっこう難しい。だから今回は、ぼくが何気なく呟いているツイートを並べてみることにした。それなりに、ぼくの関心のありどころが分かってもらえると思う。
 なお。ツイートの文章を、少し読みやすいように変えた部分もあることを断っておく。また、カッコの中は、あとからぼくが注釈をつけたもの。

◆マイナンバーカード

◎子どもがカードを失くしたり、悪い人に脅し取られたりしたら、いったいどうするんでしょう?
(島根県美郷町で、マイナンバーカードで子どもの登下校管理の実証実験)

◎河野太郎デジタル相、ほぼ5500万の口座登録を総点検するという。これでまた我らの税金が吹っ飛ぶ。いったいいくらの金がマイナンバーにかかったのか! 失敗事業だというしかない。

◎確認しておきますが、マイナンバーカード取得は「任意」だったはずです。それを保険証と紐づけることによって「義務化」したのが「マイナ保険証」です。デタラメです。

◎3大臣が雁首揃えて陳謝…。謝るだけか? 普通なら内閣総辞職です。ともかく中止するのが筋でしょう。

◎マイナポイントとかいう「カネで釣る」というえげつなさが招いた惨状。河野大臣の罪は大きい。

◆森喜朗氏と五輪疑惑

◎今朝(5月4日)の毎日新聞「五輪汚職 贈賄側が寄せた期待」「森元会長 会食、不問いいの?」「法令順守欠如指摘の声」「透明性確保の仕組みを」 まっとうな記事。ほんとうに、なぜ森喜朗は責任を問われないのか!
(多分、多くの人がぼくと同じ感想を抱いていると思う)

◆憲法記念日

◎5月3日の憲法記念日の新聞の「護憲広告」に賛同の寄付をし、名前を掲載されたと書いたら、妙な人たちからの罵倒で炎上気味。それもまるで意味をなさない悪口が多い。そんなに言うなら、自分たちも寄付を集めて産経か読売に意見広告を出せばいいのに。人の悪口って、そんなに楽しいのかね?
(憲法に触れると、サヨクだの過激派だのというリプが殺到する。ほとんど条件反射的に憲法に拒否反応を示す。まるで、パブロフの犬だな)

◆沖縄問題

◎もはや「人権問題」なのです。

◎沖縄裁判はことごとく県や住民の訴えを却下。もはや「沖縄司法」というしかない。

◎沖縄には、どういう基準で裁判官が送られてくるのだろう?

◎那覇地裁は石垣島での市民の住民投票実施の訴えを却下。有権者の3分の1以上の署名を集めたにもかかわらず。
(辺野古を巡る訴訟等で県側がことごとく敗訴。また、米軍嘉手納基地の戦闘機巡回配備で騒音被害激増…)  

◎水質汚染への抗議で基地を封鎖させるアメリカ。だが、抗議を押しつぶす日本の米軍基地。文句も言えない日本政府。これも日米地位協定のなせる所業。
(ハワイでは、米軍基地からのPFAS漏出反対デモで基地封鎖へ。ハワイ水道局長も「黙ってはいられぬ」と立ち上がる、日本と比べると…ああ)

◆入管法

◎とうとう「#柳瀬難民審査参与員の国会喚問を求めます」というハッシュタグが登場した。
(ひとりで年間千件超の難民審査を行ったという、難民審査界のスーパースターが、この柳瀬房子さんという方。彼女がNPO「難民を助ける会」名誉会長だというから驚く)

◆テレビ局の劣化

◎岸田首相が日テレのバラエティ番組に出演。大阪のテレビ局の維新化を、東京のキイ局も真似し始めたということか。テレビ局の堕落を憂う。マジで、テレビの終焉は近い。

◆自民党の政策

◎だけど、軍拡に使う金はある。
(加藤厚労相が“社会保険料 子どもに持っていく余地はない”と。茂木幹事長が保険料収入の活用などで子ども予算を確保したい、との考えっを示したことについて。もうバラバラメチャクチャ)

◎自民党って、ほんとうにほんとうにほんとうにダメでアホで最低で最悪な差別政党だということを露呈した。

◎「骨太の方針」「異次元の予算」…、こういう言葉が出てきたときは、眉に唾をつけて聞かなければならい。言ってみれば「異次元の言葉の軽さ」である。

◎自民党はなぜ「差別反対」とストレートに言えないのか。やはり「差別したい感情」があるからだろう。違うか、自民党?

◎「それはヘリクツ」って、ヘリクツを言っているのは西田、お前だろう!
(LGBT法案について自民党で意見割れる。極右派の大声。法案を巡り、西田昌司自民党政調会長代理は、正当な差別はあるか、と問われて「それはヘリクツ」と開き直る。広島サミット前になんとかカッコだけつけたいが成立せず。予想通りになった)

◎またも「異次元」という言葉が出てきた少子化対策。その財源が、増税だ社会保険の上乗せだ国債だと大騒ぎ。しかし「異次元の防衛費予算」こそ問題ではないのか。いったいいつ、防衛費は聖域になってしまったのだろう?

◎「破壊措置命令」という言葉がおどろおどろしい。本気で「北のミサイル」を撃墜したら、いったいどんなことが起きるか、分かった上での命令なのか?
(浜田靖一防衛相が発出! 沖縄は大混乱)

◎「下駄の雪」が、そう簡単に剥がれ落ちるとも思えないけれど…。
(東京28区の立候補を巡って、自民と公明が“大ゲンカ”。でもお互い、どこまで突っぱねられるか。選挙直前に「手打ち」じゃないのかなあ…)

◎これは明らかに、子どものいる世帯に対する「見えない増税」です。なんという卑怯な手を使うのだろう!
(現在子ども1人につき38万円の扶養控除を切り下げて、その分を児童手当の財源にする案。年収300万円~900万円世帯では所得減になる)

◆維新議員の資質

◎とにかく、梅村みずほ議員は異様です。その質問を了承していた維新は、それ以上に異様です。

◎とうとう、さすがの維新も梅村議員を放ってはおけなくなったようだ。だが更迭するならば、梅村質問を了承したという音喜多政調会長も更迭しなければおかしいでしょう。

◎梅村議員は発言の中で「想像した」と言っている。つまり証拠に基づいた発言ではなく、自分の「想像」だと告白しているのだ。根拠がないから居丈高になってキレまくるしかない。いやはや、見ているこちらが辛くなる。「ナニコレ珍百景」国会醜悪版。

◎でもさあ、維新の議員って、ずいぶんひどいヘイトパーソンが多いよねえ。そこへ、梅村というニュースターが加わったわけだ。人材豊富なヘイト政党!

◎つまり、維新議員はみんな「梅村は正しい」と思っているってことだな。出ないとすれば、なぜ「梅村更迭」に反対する意見が他の維新議員から聞こえてこないのか?

◎音喜多さんって、ずるいなあ…。
(梅村議員の国会演説に、維新議員らはみんな拍手喝采していた議場風景)

◎「言った内容に問題はないが、やり方がまずかった」ということ? それじゃ、維新も同罪じゃないか。
(維新が、梅村議員を6カ月の党員資格停止処分にしたが、なんじゃそれ?)

◎凄まじいな、この維新女性議員(名前なんか知らん!)。自分も60歳、70歳になるという想像力が皆無。高齢者バッシングで人気取りか。

◎「日本は純粋な日本人の若者だけの国家でいい」と言っているような人がのさばっている。まさにナチの思想。「少子化の原因は高齢化にある」などと言うのを聞くと恐ろしくなる。
(調べたら三木けえ議員という人だった。テレビの「朝生」で「少子化の原因は高齢化にある」との発言。梅村議員の難民叩きに続いて、今度は高齢者叩き。維新は次々とターゲットを変えてヘイト発言を繰り返す)

◆広島サミットと報道

◎在日本の米軍基地を、あたかも自国内の基地のように使う。日本はまるでアメリカの出先機関。では岸田首相は米国の出張所所長ってか?
(バイデン大統領は、山口の岩国基地から出入国。こんな光景が、歴代の米国大統領によって繰り返されている。ぼくは非礼だと感じるが、このツイートに対しては「そのほうが警備がラク」などと言うリプ多数。自称愛国者たちが怒らないのが不思議だ)

◎原爆資料館の展示物さえ米国の意向で隠されてしまう。それに唯々諾々と従う日本政府。結果がマスメディアの「サミット大成功」報道。中国新聞がせめてもの抵抗。
(悲惨な展示物は取り換えられていたという。それを報じたのが、地元紙の中国新聞だけだったという)

◎「核廃絶への努力」などと言いながら、岸田首相とバイデン大統領の日米首脳会談では「核の傘の重要性を再確認」したという。この矛盾をぼくは理解できない。会見で記者たちは、なぜその矛盾を問わなかったのか?

◎べラルーシにロシアの核が配備されたという。核抑止論の破綻。
(結局、「核の傘」を確認し合っただけで、核廃絶にはきちんと触れることもなくサミットは閉幕。サーロー節子さんの怒りが首脳たちを撃つ)

◎どうも「被爆地広島でのサミットは大成功」と持ち上げているのは日本のマスメディアらしい。他は批判的論調か、あるいはほとんど小ネタ扱いのようで…。
(国連のグテーレス事務総長でさえ「軍縮論議が止まった」と苦言を呈した)

◎岸田首相に「逃げるんですか」と声を発したのは元朝日新聞記者でフリーの尾形聡彦氏、同じことを現場にいたマスメディア所属記者たちがなぜ発することができなかったか。そこが問題なのだ。

◎尾形聡彦さんの首相会見での「逃げるんですか」との追及に「ルールを守れ、ルール無視の尾形が悪い」との批判が多数。だが、そういう人たちは「日本のルールの最高規範である日本国憲法を守れ」とは言わない。
(いつもはやたらと絡んでくる人が多いぼくのツイートだが、なぜかこれにはまるで絡んでくる人がいなかった。絡む理由が見つからないのだろうな)

◎NATO(北大西洋条約機構)が東京に連絡事務所を開設する予定だという。北大西洋なのに…。こうやって日本はどんどん軍事同盟の枠を拡げていく。日本は対中国の最前線と位置付けられ、危険性を増していく。いいのかなあ、それで…?

◎本気で「世界平和」を希求するサミットなら、ロシアも中国も招いて、どうすれば停戦と平和を実現できるかの交渉の場を提供する、くらいの意気込みがあってもいいと思うのだが。
(このツイートには「お花畑」「できもしないことを」「バカな妄想」などと批判が多く来たが、理想を語るのが本来のサミットではなかったのか)

◆野党

◎野党が野党らしさを失えば、当然ながら支持者は離れていく。それくらいのことが、なぜ泉健太氏は分からないのだろう?

◎泉健太立憲民主代表が「次期総選挙で150議席獲得できなければ辞任する」と言ったことについて、連合の芳野友子会長は「性急に判断すべきではない。継続も責任の取り方だ。いちいちトップが代われば社会の信頼性がなくなる」と発言。まるで安倍派の森喜朗元首相のように、芳野が立憲へ口を出す。
(いったい何様? とムカムカする)

◆日本の司法

◎フランスでは、サルコジ元大統領の汚職や職権乱用に対し、2審の裁判所が「実刑判決」! イギリスでもジョンソン元首相がパーティ疑惑で議員資格剥奪の窮地。なんだか他国の裁判所が偉く思える。おい、ニッポン!

◆岸田長男の忘年会

◎回転寿司で箸を舐めたり醤油で遊んだりする連中と同レベル。これが首相秘書とその仲間らのやっていること。何度注意されてもなおらないおバカさん。

◎バカ息子に、よく「親の顔が見たい」というけれど「このバカ息子の親の顔」なんかもう見たくない!

◎それにしても、なんで「文春砲」だけなのだろう。他のメディアは何してる?

◎あ、ついに長男秘書を解任へ。遅えよ。だがとうとう、異次元の親バカもかばいきれなくなったようで。

◎しかし、こういう連中が親のコネで大会社に就職し、または世襲で政治家になってのうのうと暮らす。それを考えるとムカムカする。

◎岸田首相、相変わらず「責任は重く受け止めております」。では、受け止めて具体的にどうするのか、そこが聞きたい。

 まあ、まだまだたくさんあるけれど、この辺で止めておきます。
 とくに「原発」に関しては、「原発.1」から、もう「原発.260」までツイートしている。いずれそちらはまとめてここに書き写そうと思っている。

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鈴木耕
すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)、最新刊に『私説 集英社放浪記』(河出書房新社)など。マガジン9では「言葉の海へ」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。