Posted by 小林美穂子
家なき人のとなりで見る社会
第40回:令和の米騒動 ~主食すら満足に供給できない国で~(小林美穂子)
小林美穂子 -
残りわずかになっていた我が家の米がついに尽きた。災害用に買ってあったパックご飯が7食分あるが、それが終われば自宅での米食は諦めるしかない。思えば7月頃からスーパーの米は減っていた。いつも買っていた最安値のブランドがなくなり、…
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第39回:40℃に迫る猛暑下でエアコンのない生活をする人たちがいる不公正(小林美穂子)
小林美穂子 -
今年の梅雨は短かった。その代わりに、火の玉みたいな凄まじい猛暑が突進してきて、体温を超える暑さは爆音のような雷を呼び、豪雨は木々の枝を落とし、あちこちで川を氾濫させている。年々、熾烈さを更新していく、そんな夏。つくろい東京ファン…
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第38回:寅さんが生きられなくなった世の中で。白い浴衣姿の「その人」のこと(小林美穂子)
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「その人」の名前を私は知らない。遠い親戚だと両親から聞いていた。私が小学生の頃、その人は2度、我が家にやってきた。その人がやってくると、父は私と弟を寝室に引っ込めた。母は台所でつまみを作り続け、父がその人の相手をしていた。夜遅…
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第37回:「公金だという認識はなかった」桐生市の生活保護問題を検証する第三者委員会に行ってきた(小林美穂子)
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5月24日、早朝4時半に私は起きた。重い身体に鞭打って身支度を整え、朝ごはんをむりやりお腹に詰め込み、ベーグルの形に丸まって寝ている猫に顔を埋めてエネルギーチャージして家を出た。「第2回桐生市生活保護業務の適正化に関する第三者委員会…
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第36回:桐生市がもたらした心の肌荒れとヒビ、あかぎれ、癒すのは……(小林美穂子)
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群馬県桐生市の「桐生市生活保護違法事件」の調査団((団長:井上英夫 金沢大学名誉教授・日本高齢期運動サポートセンター代表理事)として、4月4日、5日と2日間に渡り「桐生市の生活保護行政をよくする市民集会・シンポジウム」などに参加して…
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第35回:いかなる「違い」をも乗り越えて、ともに音楽を楽しむ吉日(小林美穂子)
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今から30年近く前、完璧な青空を見上げて「crystal clear‼」と表現したら、キウイっ子に「“クリスタルクリア”は空の表現には向かないかな」と指摘されたのに、今になってもよく晴れた澄み切った空を見上げると頭に浮かぶのはその形容詞だ。2024年3…
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第34回:「所定の申請書でないと受け付けられません」。昭和の水際作戦が生きるまち(小林美穂子)
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2024年1月19日、私はつくろい東京ファンドの同僚たちと、埼玉県・幸手駅前のベンチに座り、コンビニで買ってきたピザサンド(完熟トマトのマルゲリータ)の小ささを嘆きながらムシャムシャ食べていた。東京から幸手市までの道のりは遠い。何度も…
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第33回:絶望之為虚妄,正与希望相同(絶望は虚妄だ 希望がそうであるように)by魯迅(小林美穂子)
小林美穂子 -
街にはクリスマスソングが流れ、人々がチキンやらお節の予約に慌て出す季節がやってきた。あと一週間ほどで2023年が暮れようとしている。カフェ潮の路の常連の若者は、12月に入ると「ねぇねぇ、骨付きフライドチキンが食べたいんだよ~」などとつ…
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第32回:第4回難民・移民フェス 食べて、笑って、綱引いて(小林美穂子)
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11月4日、良く晴れた土曜日、東京都杉並区浜田山の柏の宮公園で4回目になる難民・移民フェスが開かれた。私が参加するのは3回目となるこのフェス、回を追うごとにその規模は膨らみ、前回、練馬区の平成つつじ公園で開かれた際には立錐の余地…
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第31回:扶養照会、録音データから読み解く大阪市城東区の冷酷(小林美穂子)
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9月のある日、大阪府大阪市に住む女性からつくろい東京ファンドにメールが届いた。女性は生活困窮して城東区に生活保護の申請をした際、これまでに何度か金銭的援助を受けていたことから関係が悪化してしまった親に扶養照会をしないで欲しいと職…