2021年9月17日
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渡辺一枝

渡辺一枝
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わたなべ・いちえ:1945年1月、ハルピン生まれ。1987年3月まで東京近郊の保育園で保育士として働き、退職後は旧満洲各地に残留邦人を訪ね、またチベット、モンゴルへの旅を重ね作家活動に入る。2011年8月から毎月福島に通い、被災現地と被災者を訪ねている。著書に『自転車いっぱい花かごにして』『時計のない保育園』『王様の耳はロバの耳』『桜を恋う人』『ハルビン回帰行』『チベットを馬で行く』『私と同じ黒い目のひと』『消されゆくチベット』『聞き書き南相馬』『ふくしま 人のものがたり』他多数。写真集『風の馬』『ツァンパで朝食を』『チベット 祈りの色相、暮らしの色彩』、絵本『こぶたがずんずん』(長新太との共著)など。

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第16回:被災地ツアー報告④子どもたちに「放射能」を語る言葉を持ちたい(渡辺一枝)

朝、双葉屋旅館を出たときに一旦別れた高村美春さんとまた合流するために、ここで待ち合わせ。まずは富岡町役場に行った。驚くような看板が目に飛び込んできた。建物外の柱に立てかけた立て看板。「税金は 希望をつなぐ 未来への光 富岡高等学…

第15回:被災地ツアー報告③「原発の構内には、特攻隊の記念碑があるんですよ」(渡辺一枝)

ツアー2日目(7月23日)。朝食後に双葉屋旅館前で記念撮影後、出発。駅前通りを行き、戦時中は戦闘機の風防ガラスの材料として使われもした珪砂を生産した「小高銀砂工場」の跡地を左に見て、その先右手にある作家・柳美里さんのブックカフェ「フ…

第14回:被災地ツアー報告②「語らなければ伝わらないと思って、語り部活動を始めた」(渡辺一枝)

更地になった今野さんの自宅跡を見て、浪江町役場前の仮設商店街「まち・なみ・まるしぇ」でトイレを使う。避難指示解除になった時、ここに仮設商店街ができたことが、どんなにありがたかったことか。昼食もここでとることが出来たし、トイレも…

第13回:被災地ツアー報告①「綺麗な花を見て、みんなが『ああ、綺麗だなぁ』って、いい気持ちになってくれたら」(渡辺一枝)

7月22日〜24日の2泊3日で、友人たちに声をかけての「被災地ツアー」を催行しました。今回の通信はその時の報告です。現地の状況や施設の様子など、以前に私が個人的に行ったときの報告と重なる部分もありますが、ツアーの報告としてお読みいただ…

第12回:私の8月15日(渡辺一枝)

今日は旧盆のさなかの8月15日。18歳になる初孫の誕生日でもある。私は、母が遺した仏壇の引き出しを開けて、収められた小さなスケッチブックを取り出す。これは父の遺品だ。私は父を知らない。このスケッチブックだけが、父に繋がる縁だ。私は19…

第11回:またも不当判決──「南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟」(渡辺一枝)

福島第一原発事故後、国策として原発を推進してきた国と津波対策を怠ってきた東京電力を相手取って、30件以上もの裁判が提訴されてきました。福島県南相馬市の住民808人が国を訴えた「南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟」もその一つ。...

第10回:たまには本の話──『咲ききれなかった花』『リニア中央新幹線をめぐって』『「顔」の進化』(渡辺一枝)

思いもかけないことに新型コロナの濃厚接触者となってしまい、6月20日から7月4日まで外出を禁じられ自宅待機となりました。その日々の中で読んだ本のことを書きました。「一枝通信」は福島行の報告が多いのですが、ときにはこうして読んだ本につ…

第9回:ふくしまからの日記──富岡町・いわき「賠償金を貰った、貰わないで身内同士でも敵同士みたいになってしまった人もいる。それがとても残念」(渡辺一枝)

 6月15・16日の一泊二日の福島行の記録、その2です。1日目は飯舘、南相馬、浪江と回りましたが、2日目の16日は南下して富岡町、そしていわき市へ行きました。富岡町では、前にも話をお聞きした板倉正雄さんに会い、いわき市では水産加工業…

第8回:ふくしまからの日記──飯舘村・南相馬・浪江「息子ともよく話し合って、赤字を出さないうちに閉じる事にしたよ」(渡辺一枝)

福島第一原発事故から10年経って、被災地は大きく様変わりしています。私がずっと世話になってきた、南相馬市の「ビジネスホテル六角」も営業を閉じました。浪江町では町のシンボル的存在だった浪江小学校の解体が進められています。そして「復…

第7回:「原発避難者住宅追い出し裁判」傍聴記 「『戻る権利』があるように『戻らない権利』もあって然るべき」(渡辺一枝)

5月14日、福島地方裁判所で開廷された「原発避難者住宅追い出し裁判」の傍聴に行ってきました。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故によって、多くの人が居住地を離れて避難しました。避難者は災害救助法によって避難先で仮の住居を得ま…