2024年11月11日
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小林美穂子

小林美穂子
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1968年生まれ。一般社団法人「つくろい東京ファンド」メンバー。支援を受けた人たちの居場所兼就労の場として設立された「カフェ潮の路」のコーディネーター(女将)。幼少期をアフリカ、インドネシアで過ごし、長じてニュージーランド、マレーシアで就労。ホテル業(NZ、マレーシア)→事務機器営業(マレーシア)→工業系通訳(栃木)→学生(上海)を経て、生活困窮者支援という、ちょっと変わった経歴の持ち主。空気は読まない。共著に『コロナ禍の東京を駆ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(岩波書店)。

第23回:「ダメ。ゼッタイ。」の無意味さ。いいかげんにハームリダクションに舵を切れ(小林美穂子)

「こっわ…」。展示された300点以上のポスターを見始めた時に、思わず口から漏れた言葉だった。薬物乱用防止イベントの会場に並べられたポスターには、地元の中学生が描いた頭蓋骨や、落下する女性のシルエット、顔半分が溶けたり、歪んだりして…

第22回:カップラーメン炎上が語るもの、バッシングにかき消された本意(小林美穂子)

9月24日にカップラーメンの値段をツイートした以下の連ツイ(連続ツイート)が炎上した。昼食代を節約しようとカップヌードルを買ったら231円。思わずレジの金額表示を三度見した。路上で暮らしながら空き缶や段ボール収集で雀の涙ほどの現金収…

第21回:粗末に扱っていい命(小林美穂子)

「ねぇねぇ、165万円って、なんでそんな少ないの?」。スマホを指で繰りながら私に聞いてきたティーンエイジャーは、日本に住む外国人の境遇に興味を持っている。茨城県牛久市の入管施設「東日本入国管理センター」で2014年、収容中のカメルー…

第20回:透明な存在、ネットカフェ生活15年の男性から見た社会(小林美穂子)

まだ6月だというのに35℃超えを記録した猛暑日、私は西多摩のある市を目指していた。体を壊して失職し、生活保護の申請を決意した河合さん(仮名)に会うために。彼から扶養照会に関する相談を受けていた。河合さんは若い時分に結婚をし、子ども…

第19回:「扶養照会は原則しなければならない」は本当か? 福祉事務所の言い分を検証する(小林美穂子)

以前にこのコラムにも書いたが、全国から相談が来るのでしつこく書いておきたい。2021年2月26日、そして3月30日の二度にわたり、厚生労働省は生活保護申請に伴う扶養照会の運用を一部改正した事務連絡を各自治体に向けて発出した。この事務連…

第18回:難民・移民フェスで見た夢(小林美穂子)

2022年6月4日の土曜日、晴天に恵まれたこの日、私は練馬区にて開催された「難民・移民フェス」にいそいそと出かけて行った。チラシには、練馬駅徒歩1分とある。地図を見るまでもなく、熱気と人だかりがする方向へ吸い寄せられるように歩いてい…

第17回:閉そく感と絶望の中に差す光(小林美穂子)

夢のような午後を過ごした。一夜明けた曇り空の日曜日。幸せな時間の余韻が、日常に混じって徐々に薄れていくのに抗うように、私は昨日のライブを反芻している。その頭の中を「森の木陰でどんじゃらほい」の童謡が流れている。そう、まさにそんな…

第16回:死者とともに生きる(小林美穂子)

シェルターとして使っている借り上げアパートの一室を開けると、異臭が噴き出すように流れ出てきたが私は怯まない。シェルター事業をやっていれば、ゴミ屋敷と化した部屋の掃除は慣れっこになる。もちろん、中にはハウスクリーニングでもしてくれ…

第15回:震災支援ネットワーク埼玉で起きた性暴力、その対応がダメなわけ(小林美穂子)

今回はいつもと違う話題です。ズバリ、東日本大震災の被災者支援団体である震災支援ネットワーク埼玉で起きた性暴力とその対応について。この件について語るのは簡単ではない。それは、震災支援ネットワーク埼玉の代表である猪股正氏やそこで活動…

第14回:年末年始の大人食堂、アンケートから見える2022年の貧困(小林美穂子)

生活困窮が原因となっていると思しき、やりきれない事件が続く。コロナ禍の閉そく感に飽き飽きしたした人々で賑わう年の瀬も、そして明るい一年を願ってカップルや家族連れが初詣に繰り出す年始も、私は東京・四谷の聖イグナチオ教会で開催され…