2024年7月27日
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小林美穂子

小林美穂子
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1968年生まれ。一般社団法人「つくろい東京ファンド」メンバー。支援を受けた人たちの居場所兼就労の場として設立された「カフェ潮の路」のコーディネーター(女将)。幼少期をアフリカ、インドネシアで過ごし、長じてニュージーランド、マレーシアで就労。ホテル業(NZ、マレーシア)→事務機器営業(マレーシア)→工業系通訳(栃木)→学生(上海)を経て、生活困窮者支援という、ちょっと変わった経歴の持ち主。空気は読まない。共著に『コロナ禍の東京を駆ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(岩波書店)。

第18回:難民・移民フェスで見た夢(小林美穂子)

2022年6月4日の土曜日、晴天に恵まれたこの日、私は練馬区にて開催された「難民・移民フェス」にいそいそと出かけて行った。チラシには、練馬駅徒歩1分とある。地図を見るまでもなく、熱気と人だかりがする方向へ吸い寄せられるように歩いてい…

第17回:閉そく感と絶望の中に差す光(小林美穂子)

夢のような午後を過ごした。一夜明けた曇り空の日曜日。幸せな時間の余韻が、日常に混じって徐々に薄れていくのに抗うように、私は昨日のライブを反芻している。その頭の中を「森の木陰でどんじゃらほい」の童謡が流れている。そう、まさにそんな…

第16回:死者とともに生きる(小林美穂子)

シェルターとして使っている借り上げアパートの一室を開けると、異臭が噴き出すように流れ出てきたが私は怯まない。シェルター事業をやっていれば、ゴミ屋敷と化した部屋の掃除は慣れっこになる。もちろん、中にはハウスクリーニングでもしてくれ…

第15回:震災支援ネットワーク埼玉で起きた性暴力、その対応がダメなわけ(小林美穂子)

今回はいつもと違う話題です。ズバリ、東日本大震災の被災者支援団体である震災支援ネットワーク埼玉で起きた性暴力とその対応について。この件について語るのは簡単ではない。それは、震災支援ネットワーク埼玉の代表である猪股正氏やそこで活動…

第14回:年末年始の大人食堂、アンケートから見える2022年の貧困(小林美穂子)

生活困窮が原因となっていると思しき、やりきれない事件が続く。コロナ禍の閉そく感に飽き飽きしたした人々で賑わう年の瀬も、そして明るい一年を願ってカップルや家族連れが初詣に繰り出す年始も、私は東京・四谷の聖イグナチオ教会で開催され…

第13回:【保存版】生活保護申請に伴う「扶養照会」を止める方法実践編 ~申請者用、親族用~(小林美穂子)

年の瀬が押し迫った12月20日、署名サイトであるChange.orgの栄えあるチェンジメーカー・アワードの大賞に「困窮者を生活保護制度から遠ざける不要で有害な扶養照会をやめてください!」が選ばれた。便宜上、つくろい東京ファンド代表の稲葉が…

第12回:俺たちに明日はあるのか? (小林美穂子)

2021年の衆議院選挙が幕を閉じ、個人的には「まぁ、そうなるよね」「そんなに期待してなかったけど」と冷笑しながらやせ我慢をしたくても、なけなしのやせ我慢を押しのけて「なんだそれ、アホか! クソ!」とか「滅びろ!」「バルス!」みたいな…

第11回:思考停止か嫌がらせか? 運用変更後も扶養照会をしたがる福祉事務所の闇。(小林美穂子)

実に一年半ぶりに、夜道を自転車こいで映画館に出かけた。目当ては福祉関係者の間で話題となっている松竹映画『護られなかった者たちへ』。過去にこれほどまでに真っ向から生活保護を扱ったメジャーな映画があっただろうか。大スクリーンで有名俳…

第10回:中野区生活保護課の庁外移転計画と差別問題について(小林美穂子)

東京都・中野区役所新庁舎が現在建設中である。約3年後に完成が予定されている新庁舎から、生活保護課が排除されるという事実が判明してから、現場や区議会は大騒ぎになっていて、私の心の中にも嵐が吹き荒れている。経緯についての詳細は、「週…

第9回:差別、優生思想に居場所はない!(小林美穂子)

244万人のチャンネル登録者数を持つメンタリストDaiGo氏が自身のYouTubeチャンネルで、生活保護を利用する人やホームレスの人たちを侮辱し、排除する発言をした。その発言はたちまち大炎上、社会問題に発展した。スポンサーの一つが彼を降ろし…