ニューヨークから瀬戸内海の牛窓に移住して、三度目の夏を迎えている。
ウチの近所にある神社・五香宮を中心とした半径二百メートルの中で撮影し、牛窓の小宇宙を観察した拙作『五香宮の猫』(2024年、119分、観察映画第10弾)の日本劇場公開が、10月に決定した。
そこでこの夏は一軒一軒、地元牛窓や瀬戸内市のお店や施設を訪れ、チラシの配布やポスターの掲示をお願いする“ドブ板”宣伝作戦を展開している。
今までに牛窓では『牡蠣工場』(2015年)と『港町』(2018年)という2本の映画を撮ったが、それらの公開時にはニューヨークに住んでいた。だからこういうドブ板宣伝など、まったくする機会がなかった。
初めてやってみて感じることの一つは、過疎化が進む牛窓にも、僕と(妻でプロデューサーの)柏木規与子だけでは廻り切れないほどのお店や施設があるということである。ふだんの日常生活でお世話になっているお店や施設ばかりだが、改めてリストにしてみると「こんなにあったのか!」と驚かされる。逆に言うと、それだけの営みがあってはじめて、僕らの生活は成り立っているのである。
また、直接足を運んで協力をお願いすることは、それ自体が貴重なコミュニケーションでもあることも実感させられる。
僕は人様に何かをお願いするのが苦手な方で、実は最初は尻込みしていた。
だが、思い切って飛び込んでみれば、映画のことだけでなく、お互いの近況や感じていることをざっくばらんに話す機会になるので、なんだか楽しくもある。ポスターに写っている人を指して「あっ、○○ちゃんも出とるがあ」と盛り上がる人も結構いて、「おおっ、この人とあの人はお友達だったのか」などと発見することも多い。
話が盛り上がりすぎると、なかなか行脚が進まないのが玉にキズだが、狭い牛窓、そんなに急いでどこへ行く。快く受け入れていただけることが、本当にありがたい。そしてこうした過程を通じて、『五香宮の猫』が僕と柏木だけのものではない「みんなの映画」になってくれたら、これほど嬉しいことはないのである。
訪問時には、せっかくなので写真を撮らせていただいた。ときどき撮影するのを忘れてしまってごめんなさい。それにここに掲載されているのは、あくまでも現時点までにお邪魔したお店で、まだまだ増える予定である。
こうして見ると、いいお店ばかりだなあ。
なお、映画『五香宮の猫』のチラシ配布やポスター掲示に協力してくださる応援団(サポーター)を日本全国で大募集中です。よろしくお願いいたします。
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\✨🚢『五香宮の猫』応援団(サポーター)募集中!🐈✨/
https://note.com/tofoofilms/n/ndb2ecd831069

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JA岡山の牛窓給油所。給油しながら窓を拭き拭きしてくださる昔ながらのガソリンスタンド。
地元牛窓鹿忍地区の老舗理容所&ヘアーサロンthe hair grand de Ogata。毎月僕はここで楽しくおしゃべりしながらカットしていただいてます。
地元牛窓の楽善青果には、果物や乾物、魚、食料品などが揃っています。
邑久にあるガリマの本格派インド料理、フレッシュで美味しいのでしょっちゅうお邪魔しています。規与子さんはここのチーズナンが大好物。
中光商店のかまぼこは、とにかくフレッシュで美味しいです。どこかにお邪魔するとき、よくお土産に持参します。
東備バスは牛窓人や来訪者に貴重な足を提供するバス会社。めっちゃ猫フレンドリーな会社で、地域のニャンコが何匹もお世話になっています。つまり素晴らしい会社ということです。
写真のマサモトは、岡山県でも最も歴史のある老舗の写真館です。牛窓の昔の写真の多くは、マサモト家による撮影。
キッチンかいぞくは、1978年創業の老舗洋食屋さん。岡山のソウルフード、えびめしが超有名。
日本一のだがし屋さんは、その名の通り、日本一大きい巨大なだがし屋さん。お盆休み中など、入場するのに整理券が必要なくらい大繁盛しています。
地元の獲れたての海鮮料理がメチャクチャ美味しい善太。メバルの煮付け、四季折々の刺身…、考えただけでヨダレが出ます。
城下カフェは、シネマ・クレールのすぐ近くにあるカフェ。おしゃれで美味しく、心地よい空間。よくここでランチやディナーをしてから映画館に駆け込みます。
ホテル・リマーニは牛窓きっての高級リゾートホテル。レストラン「ザ・テラス」では本格的な美味しいギリシャ料理も食べれます。僕らもちょっと贅沢したいときにはここにお邪魔します(笑)。
Chontoは最近街中にできたスペシャルティ・コーヒーのお店。自家焙煎で、めっちゃフレッシュな焙煎したての豆も売られています。美味しいです。
岡山市の『五香宮の猫』上映予定館シネマ・クレールのすぐ近くにある禁酒会館。コーヒー一筋のこだわりのお店で、映画の合間や鑑賞後によくここで一息つきます。週末限定のカレーも美味しい。
みなとマートは牛窓テレモーク内にあるオーガニックな自然食料品店。高品質の自然と身体に優しい品が手に入り、日頃から重宝しています。
牛窓郵便局には、『五香宮の猫』のポスターをベルリンその他の海外へ送る際にもおせわになりました。地域になくてはならぬ重要施設。
Kidoは古民家を超おしゃれに改装したゲストハウス・シェアハウスです。牛窓テレモークも手掛けられた一級建築士の片岡さんが改装・経営をされています。
匙屋は手作りの一点モノのお匙を作って販売されています。工芸品やアートのギャラリーも運営されています。めっちゃおしゃれなお店。
海の眺望が素晴らしい牛窓テレモークは、牛窓町立病院だったビルをめっちゃおしゃれに改装した「文芸的で公共的な交流の拠点」。カフェやケーキ屋さん、お花屋さん、ヘアサロン、アートサロン、音楽スタジオなどがあり、文化イベントも開催されます。
キノシタショウテンはこだわりのスペシャルティー・コーヒーが美味しいお店。岡山県や京都府に約10軒、お店を展開しています。各お店にチラシやポスターを置いていただけることになりました。実は創業者(マスター)は規与子さんの従兄弟!
牛窓ショッピングは、牛窓では数少ない日用品や食料品が買える貴重なお店です。自然食品コーナーも充実しています。
たこ焼き屋さんのさくらやは、大阪から移住された方が作った本場大阪の味のお店。夏は懐かしい昭和のかき氷も出されます。
ねんどころは1日1組だけのゲストハウスです。海に面した古民家を美しく改装した一軒家を独り占めできる贅沢。
おばんや魚魚は、漁師さんが獲ったばかりの超新鮮な魚を料理して出してくれる食堂。僕はここのお刺身定食が大好き。
元下駄屋さんだった上野さんも、ポスターの掲示とチラシの設置を快諾してくださいました。地域のニャンコのお世話もしてくださる優しい方です。
海遊文化館は、牛窓と朝鮮通信使の深い関係について知れる貴重な博物館です。牛窓の各地域が誇るだんじりも展示されています。
言わずと知れた、牛窓神社の名物宮司、岡崎さん。五香宮含め、牛窓一帯の神社の運営を一手に引き受け、忙しく走り回っておられます。
きびや菓子舗は1948年創業、牛窓の和菓子の老舗。3代目店主さんは実は大の猫好きで、茶太くんのお友達。牛窓のニャンコ写真の写真展も開いたりされます。
うしまど茶屋・潮菜は、牛窓の食材を豊富に使った美味しいランチが食べられるレストラン。野良出身の猫様も何匹か住んでおられます。
祇園商店は、牛窓の数少ない食料品や日用品を売る貴重なお店。昔からある地域のかなめ。
瀬戸内市市役所は、地元が舞台の映画ということで、10ヶ所の公共施設にチラシを設置してくださるとのことです。ありがたや〜。