第1回:横浜最大のホタル生息地・瀬上沢を開発から守ろう!(横浜みどりみらい実行委員会)

左)鶴巻拓(つるまき・たく)横浜市港南区出身。会社員。幼少の頃より瀬上沢のすぐそばで育つ。祖母と手をつないで見た蛍、父との栗拾い——日本の原風景である瀬上沢を、子どもたちに残すために活動中。趣味は登山。
右)安田晃浩(やすだ・あきひろ)佐賀県出身・東京育ち。会社員。人の暮らしと森や畑が隣り合っている横浜市の自然が好き。この活動をとおして瀬上沢の自然を未来に残し、横浜市全体の自然を守る市民ネットワークを作っていきたいと考え中。

 初めまして! 「横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会」(通称 横浜みどりみらい実行委員会)の“つるちゃん”こと鶴巻拓と、“やっすん”こと安田晃浩です。

 僕たちは、20代から70代までの幅広い市民を中心に発足した実行委員会で、「横浜のみどりを未来につなぎたい」という市民の声を横浜市に届けるため、「住民投票」実施に向けて日々奮闘しています。

ホタルのふるさと瀬上沢

 いま、横浜最大のホタルの自生地として知られる栄区上郷町瀬上沢の緑地で、宅地・商業施設の開発が推進されているのをご存知でしょうか? 

 神奈川県横浜市の南部にある栄区上郷町は、鎌倉市と接する緑豊かな町です。三方が山に囲まれ、雨水を集める小さな流れが本流に注ぐ“谷戸”(やと)と呼ばれる谷間が完全な形で残っており、横浜最大のホタル自生地として知られています。

 横浜市の緑が減少しつづけるなか、まとまりをもって残された緑の地域で、僕(鶴巻)も瀬上沢の近くで育ちました。そこには湧き水や小川、そしてオオタカやホタルなど多様な生き物が生息し、横浜という大都市には珍しいほどの自然豊かな緑が広がっています。

「横浜みどり税」があるのに!?

 横浜市には「横浜みどり税」といって、緑の保全・創出・維持を目的として導入された特別税があります。横浜市はその一方で、栄区上郷・瀬上沢地区にある32ヘクタールの緑地(おもに東急建設株式会社が所有)を、宅地・商業施設として開発する計画案を推進しています。

 計画によると樹木を伐採し、深さ14メートルの谷や湿地を埋め立て、少なくとも10ヘクタールの湿地を埋め立てようとしています。横浜市の人口は減少して空き家も増え、新しい宅地は必要ありません。しかし、その方針は2017年度内には決定される予定です。

開発計画地

「横浜みどりみらい実行委員会」発足!

 これまで開発計画に反対する署名は、約12万筆にものぼっています。僕たちは、計画を推進する横浜市と市民の間に大きなギャップを感じました。そこで、「横浜みどりみらい実行委員会」を2017年7月に立ち上げ、横浜市民の声を届ける方法として「住民投票条例」の制定を求めていく活動を開始しています。横浜市へ開発計画の賛否を問うその住民投票を求めるためには、市民有権者の50分の1以上(約6万人以上)の法定署名を2カ月間で集める必要があります。

 署名は9月15日より開始していて、10月は衆議院議員選挙があったことで一時中断となりましたが、10月23日から再開。現在は12月10日まで市内各地で署名活動を展開しています。

そこでお願いです

横浜市民の方:
 横浜市内の駅前やスーパー、イベント会場などで、僕たちを見かけたら署名をお願いします!
一緒に街中で署名を集めてくださる方(とても簡単です!)や、ご家族やご友人の署名を集めてくださる方も大募集中です(一人分でも大歓迎です)。
 横浜市内のカフェや飲食店など、署名に協力してくださっている「署名スポット」に立ち寄って、署名をお願いします。市内70カ所にあります。
→署名スポットのリストはこちら

横浜市民でない方:
 もし僕たちの活動に賛同していただけたら、このブログを拡散してください! ハッシュタグは #瀬上沢 #savesegami でお願いします。

僕たちが考えた開発計画の代替案

 僕たちはこの署名活動を通して、「横浜みどり税」を利用して開発予定地を横浜市に買い上げてもらうことや、横浜市と市民の間に生じているギャップをみんなで話し合い、対話を深める機会にしていきたいと考えています。

 「都市の中の緑をいかに保全していくか」ーーこれは横浜に限った話ではなく、都市に住む僕たちの課題です。横浜市の緑、そして子どもたちや誰かにとって身近で大切な場所を、みんなで力を合わせてつないでいけるようご協力をお願いします。

横浜みどりみらい実行委員会

【ウェブサイト】
http://livegreenyokohama.com

【署名の概要】
■ 実施期間
2017年10月23日(月)〜12月10日(金)
(本署名は、9月15日に開始しましたが、衆議院の解散・総選挙中は地方自治法により署名活動が禁止となったため、10月23日に再開しました)

■進捗状況(2017年11月初旬現在)

・受任者数 3,800人(署名を集める人。横浜市に住民票のある有権者)
・「署名スポット」数 70カ所 (横浜市内のカフェや飲食店、コミュニティスペース、病院、音楽教室、保育園、アパレル店舗、美容室、 イベント会社など)

*記事を読んで「いいな」と思ったら、ぜひカンパをお願いします!

       

横浜のみどりを未来につなぐ 実行委員会
「横浜のみどりを未来につなぐ実行委員会」は、横浜市の緑地が年々減っているなかで、上郷・瀬上沢開発からみる横浜市の緑政策・都市計画に疑問を持ち、残された横浜市の希少なみどりを未来に引き継いでいきたいと考え、様々な立場や視点を持った横浜市民の有志が集まったグループです。「横浜市に残る貴重な自然を次世代に残し、豊かな生態系と文化を子どもたちの世代に引継げるように、自然とともにある地域を市民が主体となって創っていく」ことを目的に活動しています。