連休の谷間の5月2日、東京入国管理局前に「人権守れ!」の声が響き渡った。収容者の長期収容の中止と待遇改善を求める抗議行動だ。
この「収容」とは何なのか。詳しくは児玉晃一弁護士によるこちらの解説を読んでほしいが、一言で言えば「自由を奪う」ことだ。入管の建物の中にはおよそ600人の収容者がおり、その収容が長期に及んでいる人もいるという。
東京入管は品川駅港南口からバスに乗らないと行きづらい場所にある。小雨降る中、まず正面玄関前に集まりアピール。その後収容者に声が届くという側面に移動した。
私たちが「人権守れ!」とコールすると、なんと建物の中から「人権守れ!」とレスポンスが。さらに、「ありがとう」「がんばる」といった声が聞こえてくる。その悲痛な声に、私は胸がいっぱいになりコールできなくなってしまった。そこには私たちと同じ「人間」がいる。
3月の渋谷駅前でメルバンさん拘束への抗議スタンディングをしたときのレポートにも書いたが、日本の入管行政は、国連の人権理事会や拷問禁止委員会などから繰り返し是正勧告を受けている。批准しているはずの難民条約に明らかに違反しているのだ。
それにしても法務省というのは不思議な役所だ。人権擁護局がある一方で、人権を蔑ろにするような入国管理局もある。有能な法務官僚がこの矛盾に気づかないとは思えない。
ツイッターのハッシュタグ #FREEUSHIKU を追って、入管行政の人権侵害について、もっと注目してほしい。人権を侵害されている当事者の収容者は声を上げられないのだから。
(仲松亨徳)