気になるニュース/2月28日(マガジン9編集部)

新聞、TV、インターネット、書籍など、メディアを問わず、マガジン9スタッフがそれぞれに、最近の「気になるニュース」をピックアップ。今後も注目していきたい内容、なんだか違和感を覚えたもの、ぜひシェアしたいもの……などなど、好き勝手に集めてみました。みなさんは、どのニュースが気になりますか?

→アイホ南北合同チームのマリー監督、北朝鮮選手との涙の別れを覚悟 「いつまた会えるかわからないから…」(産経新聞 2月20日17時51分配信)

 平昌冬季五輪のアイスホッケー女子で南北合同チーム「コリア」を率いたマリー監督が、20日の最終戦を前に行った記者会見の模様から。当初マリー氏は、政治的な目的に振り回されることになる合同チーム結成に対して、好意的ではなかったものの、1週間ほどの合同練習と五輪期間中の試合などを通じて、心情的にも大きな変化があったことを紹介。どんな難しい場面であろうとも、人と人が直接出会うことから、国や民族やイデオロギーを超えた「人間関係」が生まれる、ことを改めて教えてくれたエピソードです。
 ちなみに、同じ記者会見を取材して書いた朝日新聞の記事はこちら。タイトル、写真の扱い方の違いによって、産経新聞とは受ける印象がかなり違ってくることがわかります。米国とカナダの二重国籍を持ち、今回が初監督の29歳という若き指導者が、スポーツの世界でこの体験を、どう活かしていくのかも非常に興味深いところ。涙ぐむマリー氏の表情に、様々な想像が駆け巡り、私も思わず涙腺が崩壊。(水島さつき)

→「たぶん僕らの問題です」 オーサ・イェークストロムさん(朝日新聞 2月24日朝刊)

 スウェーデン人の漫画家オーサさんが、日本の婚活パーティを取材したときのエピソード。プロフィールカードの記入事項に、女性は「得意料理」、男性は「年収」があってびっくり。「スウェーデンなら70年前の価値観。現在は税金が高い分福祉が充実しているので、経済力より家事、育児力が問われる」とオーサさん。社会福祉の充実って、恋愛や結婚にも大きく影響するんだなあと、あらためて納得。(田端薫)

裁量労働制 対象拡大反対の緊急デモ 1000人が訴え(毎日新聞 2月25日 19時48分配信)

 雨宮処凛さんの連載コラムにも度々登場している「AEQUITAS(エキタス)」主催で、裁量労働制の対象拡大に反対するデモがありました。デモで掲げられたプラカードには「定額働かせ放題」の言葉。「名ばかり管理職」の長時間労働や過労死の問題が起きているなかで、本当にどこまで「裁量」が可能なのか疑問です。日経新聞が報じた経済界の懸念には、本音がのぞいているのではないでしょうか。そもそも答弁のもとになったデータも不適切。厚労省は働き方改革関連法案の国会提出を延期する方向のようですが、〈子育てや介護など生活スタイルにあった多様な働き方〉というのが本当に目的なら、不安要素が多すぎる裁量労働制拡大以外にも方法があるのでは? (中村)

→全米ライフル協会員向け優待サービス、取りやめ企業続出(朝日新聞 2月24日17時44分配信)

 米フロリダ州の高校で17人の生徒が犠牲になった事件の後、「全米ライフル協会」(NRA)会員への優待提供を取りやめる企業が続出。ファースト・ナショナル銀行オマハ、ハーツなど大手レンタカー各社など、10社以上が会員向けサービスの打ち切りを決定。27日の報道によると、航空大手のデルタ航空、ユナイテッド航空も同様の決定を発表しました。
 事件後、銃規制を求める高校生や消費者の声は全米に広がりました。とくに事件に遭遇した高校生たちの行動に対しては、ファッションブランドのグッチや著名人が支援を表明。おかしいことはおかしいと異を唱え、行動する米国の高校生、大手企業、トップブランド、著名人…。いったいどうしたらこの国も、普通の人々や企業、芸能人が声を上げ、立ち上がるようになるのだろうと、あらためて考えざるを得ませんでした。(柳田茜)

→子どもシェルター開設半年で満員 「深刻な状況」 兵庫(朝日新聞 2月26日13時30分配信)

 昨年9月に兵庫県で初めて開設された「子どもシェルター」についての記事。このシェルターの対象年齢は15~19歳の女子ですが、定員がうまっていて入所の希望を断ることもあるとか……。満員で入所できないというだけでなく、そもそもシェルターがあることを知らない、知っていても連絡ができない子どもたちも多いのではないかと想像します。記事は、県内の児童虐待の相談件数の増加についても報じていましたが、見えにくい子どもたちのSOSにどう気づくのか。弁護士など専門家のいるシェルターの存在と同じく、身近な地域の「おせっかいおばさん」も必要です。(中村)

→不発弾処理の費用、「国・市に法的義務なし」 大阪地裁 (朝日新聞 2月27日05時04分配信)

 んなアホな、と口から出そうになりました。私有地から出てきた不発弾の処理にかかった費用は、「国民が等しく受忍しなければならない戦争損害」であって、国や市に支払い義務はない、という判決。自治体によっても判断は分かれているそうですが、少なくとも個人が負担しなきゃいけないって、あまりに理不尽ではないでしょうか(自分の土地から不発弾が出てきたからこっそり違う場所に捨てちゃうとか、そんな犯罪も出てきかねないのでは)。空襲被害など、民間の戦争被害者を救済するための法律が、その必要性が長く叫ばれながらなかなか制定に至らず、昨年の国会でも法案提出さえ見送られたというニュースがありましたが、それともどこかつながっているように感じます。(西村リユ)

*記事を読んで「いいな」と思ったら、ぜひカンパをお願いします!