『戦争なんか大きらい!~絵描きたちのメッセージ』(子どもの本・九条の会/大月書店)

 絵本は、子どもだけではなく大人も読むものになって久しいが、それでもやはり、子どもの読書の入り口であることには変わりない。そして、子どもたちの読書の環境を整えるには、平和であることは欠かせない。そんなことを思い返させるのがこの『戦争なんか大きらい! ~絵描きたちのメッセージ』だ。

 著者である「子どもの本・九条の会」は、児童書の書き手(描き手)や編集者らを中心に2008年に結成された。当時の代表は、小宮山量平、太田大八、神沢利子、松谷みよ子、松居直、古田足日、鳥越信、猪熊葉子、小澤俊夫、田畑精一、廣瀬恒子、丘修三の12人(敬称略)。2015年、同会の7周年のつどいに向けて開催されたのが「戦争なんか大きらい! ~絵描きたちのメッセージ」展で、その後各地を巡回してきたという。

 5月に92歳で亡くなったかこさとしさんから、まだ若い作家まで、展示された61人の絵とともに、憲法の条文を配置したのが同書である。絵は、童画らしいものから、デザイン画や、さらには風刺画っぽいものまで実にさまざまだ。しかし画家の反戦平和の思いはひとつ。描いた人の思いがまっすぐ伝わってくる。

 どの絵も素敵だが、私が1点選ぶとしたら、市居みかさんの作品だ。抱き合う母子。青空と花咲く木。鳥や虫や動物。青と朱色だけを使った優しい絵は、私の心に深く刻まれた。対抗ページに掲げられたのは憲法第11条の後半だった。「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。」

(仲松亨徳)

『戦争なんか大きらい! ~絵描きたちのメッセージ』
(子どもの本・九条の会/大月書店)
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