2019年6月26日
ホーム マガ9レビュー

マガ9レビュー

本、DVD、展覧会、イベント、芝居、などなど。マガ9的視点で批評、紹介いたします。

『教誨師』(2018年日本/佐向 大監督)

2018年2月に急逝した俳優・大杉漣の、初プロデュース作品にして最後の主演作となった映画『教誨師』。教誨師とは、受刑者と向き合い説教するなかで、彼らが罪を悔い改め、償いを全うできるよう教え導く宗教者を指す。大杉演じる佐伯保はプロテ...

『作兵衛さんと日本を掘る』(2018年 日本/熊谷博子監督)

福岡県筑豊の炭鉱夫・山本作兵衛さん(1892-1984)が描いた炭鉱の記録画と日記が日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録されたのは2011年5月。ああ、そうだった、東日本大震災から2カ月。東京に住む者として、ふだんの私たちの暮らしは原発を...

『華氏119』(2018年アメリカ/マイケル・ムーア監督)

ポスターや予告編からは、マイケル・ムーア監督が第45代米国大統領、ドナルド・トランプと全面対決するかのような予想をしてしまうが、民主党に対する批判の方がより厳しいかもしれない。ロナルド...

『主戦場』(2018年 アメリカ/ミキ・デザキ監督)

「ようこそ、『慰安婦問題』論争の渦中へ。ひっくり返るのは歴史か、それともあなたの常識か」──挑戦的なコピーに重ねて画面に登場するのは、櫻井よしこ、杉田水脈、ケント・ギルバートら、“そ..

『マルクス・エンゲルス』(2017年 フランス・ドイツ・ベルギー/ラウル・ペック監督)

時は1840年代。貧困に喘ぐ人々が森のなかに落ちている枝を拾い集めている。それを窃盗だとして、大地主に雇われた騎兵たちは女性も子どもも容赦な...

『愛と法』(2017年 日本・英国・フランス/ 戸田ひかる監督)

今年度の朝日賞を受賞したローマ法研究者の木庭顕・東京大学名誉教授の著作『誰のために法は生まれた』(朝日出版社)は、『近松物語』、『自転車泥棒』、『アンティゴネー』など、古今東西の物...

『福島は語る』(2018年日本/土井敏邦監督)

「私自身は福島産のものを食べて応援したいけれど、孫にはちょっと……」このねじれた感情を抱えつつ8年。「甲状腺被爆の隠された真実」「個人被爆線量論文を巡る疑惑」などが浮上して、答えが...

『機密費外交 なぜ日中戦争は避けられなかったのか』(井上寿一/講談社現代新書)

1945年8月15日の降伏に先立って日本政府は機密費文書の焼却を決めた。その日以降、陸軍省や霞ヶ関の官庁街から同文書を燃やす煙が立ち上が...

『障害者の経済学』増補改訂版(中島隆信/東洋経済新報社)

岡山県倉敷市で障害者の就労支援のための事業所を運営する会社が経営破綻し、障害者約170人を解雇されるというニュースが流れたのは今年の3月だった。中央省庁による障害者の雇用数の水増しが...

『限界の現代史 イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序』(内藤正典/集英社新書)

30年ほど前にベルリンで知り合ったパレスチナ人男性の両親は中東戦争でパレスチナを追われ、難民としてシリアに入ったという。ダマスカスで生まれ..