2019年8月21日
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マガ9レビュー

本、DVD、展覧会、イベント、芝居、などなど。マガ9的視点で批評、紹介いたします。

『金子文子と朴烈』(2017年韓国/イ・ジュンイク監督)

人力車を引いて生計を立てながら、詩を書いている朴烈、彼の詩「犬ころ」に心を奪われ共同生活を提案した金子文子。朝鮮人として、親に捨てられた子どもとして、日々差別にさらされる2人の生活は...

『ふるさとって呼んでもいいですか 6歳で「移民」になった私の物語』(ナディ著/大月書店)

ナディさんがイランから日本へやって来たのは6歳のときのこと。それから現在に至るまでの生活を書いた本書には、「普通」に暮らしている、即ちマジョリティの日本人には考えられない“壁”が次から...

『新聞記者』(2019年日本/藤井道人監督)

歯切れが悪い。全体のトーンは暗く、語り口は抑揚に乏しい。物語が進むほどに気分は滅入っていく。深夜の東都新聞社に大量のファクスが届くところから物語は始まる。政府による大学新設計画。それ...

『オウム真理教 偽りの救済』(瀬口晴義著/集英社クリエイティブ)

2018年7月、オウム真理教元代表・麻原彰晃ら13人の死刑が執行されてから1年が経つ。本書は、死刑という形のひとつの区切りを迎えて、社会を大きく揺るがしたあの一連の事件をとらえ直し、まとめ...

『ルポ ひきこもり未満 レールから外れた人たち』(池上正樹著/集英社新書)

「私は、オカルトよりも、社会のほうがおっかないと思っているので……」と著者に語る四十代男性の柴田明弘さん(仮名)は、中学時代に発症したある神経症が悪化し、高校を1年で中退。その後、6年間ひきこもった。21歳の時からは十数年間、ア...

『教誨師』(2018年日本/佐向 大監督)

2018年2月に急逝した俳優・大杉漣の、初プロデュース作品にして最後の主演作となった映画『教誨師』。教誨師とは、受刑者と向き合い説教するなかで、彼らが罪を悔い改め、償いを全うできるよう教え導く宗教者を指す。大杉演じる佐伯保はプロテ...

『作兵衛さんと日本を掘る』(2018年 日本/熊谷博子監督)

福岡県筑豊の炭鉱夫・山本作兵衛さん(1892-1984)が描いた炭鉱の記録画と日記が日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録されたのは2011年5月。ああ、そうだった、東日本大震災から2カ月。東京に住む者として、ふだんの私たちの暮らしは原発を...

『華氏119』(2018年アメリカ/マイケル・ムーア監督)

ポスターや予告編からは、マイケル・ムーア監督が第45代米国大統領、ドナルド・トランプと全面対決するかのような予想をしてしまうが、民主党に対する批判の方がより厳しいかもしれない。ロナルド...

『主戦場』(2018年 アメリカ/ミキ・デザキ監督)

「ようこそ、『慰安婦問題』論争の渦中へ。ひっくり返るのは歴史か、それともあなたの常識か」──挑戦的なコピーに重ねて画面に登場するのは、櫻井よしこ、杉田水脈、ケント・ギルバートら、“そ..

『マルクス・エンゲルス』(2017年 フランス・ドイツ・ベルギー/ラウル・ペック監督)

時は1840年代。貧困に喘ぐ人々が森のなかに落ちている枝を拾い集めている。それを窃盗だとして、大地主に雇われた騎兵たちは女性も子どもも容赦な...