子ども・若者、外国人、LGBT、人身取引被害者、原発事故避難者……今夜、安心して眠る家がない人からのSOS(中村)

 今年3月末、都内を中心に対人支援活動を行なうさまざまな団体が協働して「東京アンブレラ基金」が設立されました。子ども・若者、難民、LGBTなど、異なる分野で活動する団体が横断的につながって始まった、この試み。共通しているのは「今夜、安心して泊れる場所がない」人たちの存在です。

「東京アンブレラ基金」で協働する7団体
・NPO法人TENOHASI(路上生活者支援)
・一般社団法人Colabo(若者支援)
・認定NPO法人 難民支援協会(難民支援)
・LGBTのハウジングファーストを考える会・東京(LGBTの生活困窮者支援)
・NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(子ども支援)
・避難の協同センター(原発事故避難者支援)
・NPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス(人身取引被害者支援)

 これまでは、相談者からのSOSに対して、それぞれの団体が必要に応じてシェルターの提供、ネットカフェやビジネスホテルなどでの宿泊費の支給といった「緊急宿泊支援」を行ってきました。こうした支援は緊急性が高いにもかかわらず公的制度が利用しにくい状況にあり、各団体ができる支援にも限界があります。やむを得ず路上で過ごしたり、泊る場所を探してリスクの高い状況に巻き込まれたりする人たちも少なくないのです。

 そこで、「東京アンブレラ基金」では、クラウドファンディングなどで資金を集め、協働団体が行った緊急宿泊支援に対して一泊あたり3000円を助成する仕組みをつくりました。行政の窓口が閉まり、日雇いの仕事を失って困窮する人が出やすいゴールデンウィークから、すでに運用が始まっています。

 〈お互いの違いを認め合い、あらゆる分断を越えて、誰一人、路頭に迷うことのない街〉を作っていきたいと話すのは、アンブレラ基金の運営を担う「一般社団法人つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛さん。バブル崩壊後から、路上生活者、生活困窮者の支援活動を25年にわたり続け、「住まいは人権」であることを訴えてきました。現在は、つくろい東京ファンドを通じて空き家を活用した低所得者向けの住宅支援に取組んでいます。

 東京アンブレラ基金のnoteサイトには各団体へのインタビューが掲載されていますが、困難を抱えたさまざまな人たちが、「今夜、泊れる場所」さえ得られずにいることに気づかされます。まず安心して心身を休めることは、次のステップに向かうためにも大切なことです。

 クラウドファンディングの期間は6月15日まで。最初の目標額である200万円は達成していますが、ネクストゴールに向けて賛同者を募集中です。

●東京アンブレラ基金 クラウドファンディング(CAMPFIRE)サイト
「今夜、行き場のない人」を路頭に迷わせないため、団体の枠を越えた基金を作りたい!
https://camp-fire.jp/projects/view/127236

(中村)