入管による人権蹂躙を日本人はこのまま座視するのか(仲松亨徳)

 3連休初日である11月2日夜、東京・新宿駅東口アルタ前広場。入国管理局による被収容者への人権蹂躙が一向にやまない中、市民団体FREEUSHIKU主催の、仮放免されている方々によるアピールが行われ、人々が集まった。
 いま、入管施設でハンガーストライキによる餓死者や自殺者、自殺未遂者が相次いでいる。劣悪な環境である上に、いつ出られるか分からぬ収容の長期化、さらには仮放免されてもすぐに再収容されてしまう不安と恐怖に彼らは常に苛まれている。明らかな人権停止状態だ。
 かつて小欄でも書いたので繰り返しになるが、日本の入管行政は国連の人権理事会や拷問禁止委員会などから繰り返し是正勧告を受けている。批准しているはずの難民条約に明らかに違反しているのだ。
 今回の街頭アピールで話したのは、ナイジェリア人のエリザベスさん、クルド人のデニズさん、イラン人のベヘザトさんの3人。彼らは、勇気を振り絞って皆に語りかけた。ある人は雄弁に、ある人は訥々と。
 デニズさんとベヘザトさんは、仮放免されて2週間後の7日には入管に再出頭しなければならない。再出頭すれば、高い確率で再収容されてしまう。この仮放免中に、入管による人権侵害をアピールしたいと主張したのはベヘザトさんだったという。当事者が訴えれば日本人は分かってくれる、と思ったのかもしれない。
 しかしこの夜、アルタ前を行き交う人々は圧倒的に無関心だった。3人の必死のアピールも巨大ビジョンの広告の大音量にかき消されてしまう。「不法滞在なんだから自業自得」などという言説が猛威を振るう昨今であるということもあるのだろうか。
 とは言え、政治的や経済的などさまざまな理由で母国に戻れず、やって来た日本でも滞在を拒否され、裁判もなしに身柄を長期間にわたって拘束される彼らの状況を、私たちが座視していてよいはずはない。
 マイノリティ(被収容者)に対する不正義を解決するには、マジョリティ(日本人)の理解が必要だ。多くの人が入管の中で何が起こっているか、もっと関心を持ってほしい。日本人から声を上げなくては変わらない問題なのだから。

(仲松亨徳)