韓国「コロナ対策」のいま──小さな現地レポート(マガジン9編集部)

 4月15日の総選挙で、与党が大勝した韓国。文在寅政権による新型コロナウイルスへの対策が一定の評価を得たといわれています。一時は急速な感染拡大が懸念されていたものの、徐々に感染者の数は減少、今月18日には、新規感染者数が一桁になったと報じられました。
 その韓国のコロナ対策としてよく耳にするのが、感染しているかどうかを調べる「PCR検査」の徹底。日本では、発熱などの自覚症状があってもなかなか受けられない……との声も耳にしますが、韓国ではどんな仕組みになっているのでしょうか?
 知人から回ってきたメールの内容が、韓国のリアルな状況をよく伝えてくれていたので、許可を得てこちらでご紹介します。

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韓国のPCR検査と感染対策は?

 PCR検査対象は基本、日本と同じなのではないかと。ただ、発熱など何らかの症状があった場合は、コロナ専門窓口(電話番号は全国共通で、コロナエチケットなどが書かれた日本の厚労省にあたる保健福祉部のポスターがいたるところにはってありました)か近くの保健所などに電話すると、居住地近くの指定された病院などを紹介されて、そこに電話してまず相談。(検査が必要かどうかの)診断はされますが、ほぼ(全員が)検査されていたようで、そのへんが日本と違っているところなのではないかと。「してくれ」と言ってやらなかったら、韓国では大変なことになりますからねー。ただ、診断で「検査をしなくていい」といわれたのに、「わしはするんじゃ、したい」と言って検査する場合は1万4000円くらい払わないといけないそうで。

 ともかく、MERS(中東呼吸器症候群、2015年に韓国で大流行した感染症)の悪夢があったからか、最初から徹底して検査、隔離をやってました。行動経路なんかも、聞き取り+韓国版のマイナンバー(住民登録番号)にクレジットカードなんかも紐付きになっているので、そこから割り出されちゃって、感染が確定された日の3日前くらいの行動経路が、〇〇コンビニ立ち寄り、〇〇レストランで食事なんていうふうに、在住地域の市や区庁で整理されてHPに匿名で掲載され、感染者の行動経路情報が掲載されてますよー、というお知らせが携帯に送られてきてました。

 日本だとプライバシーとかの問題で厳しいかもですね。韓国はマイナンバーに保険やらなにやらいろいろついているので、超便利としか思っていない感じです。医者はカルテにあるマイナンバーから海外渡航歴なんかもわかっちゃうんですがね。まあ、家にいて住民票なんかは簡単に入手できるので便利っちゃあ便利なのですが。

 そんなこんなで、韓国は感染者数がぐぐんと減って、最近は全国でも30人以下で、なんかみんなゆるんではきちゃってます。油断は禁物なんですが。

(韓国在住、K.Tさん)

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 感染者の行動経路の割り出しについては、こちらのBBCの記事でも取り上げられています。韓国のこうした方針は徹底していて、先日は、感染者と接触して自宅隔離中、無断外出などの違反をした市民に、GPSを利用した行動把握用リストバンドを装着する(本人の承諾を得て、ではありますが)との発表もありました。上記メールにも出てくるMERSの大流行(38人が死亡)という苦い記憶が、その背景にあるようです。

 どんな対策がどんな効果を生み、そこにどのようなリスクが伴うのか。それを考えるためにも、他の国の状況には目を向けておきたい。先日の「こちら編集部」でも、海外在住のライターたちが日本語で在住国の状況をレポートする「世界コロナ日誌」についてご紹介しましたが、今後も折に触れて、海外からの声をご紹介していければと思います。