第130回:中国で独自の進化を遂げる自著『世界マヌケ反乱の手引書』の海賊版!(松本哉)

 2016年に日本で出版した『世界マヌケ反乱の手引書:ふざけた場所の作り方』という本がある。これは、日本国内向けに、海外のとんでもないスペースを紹介しつつ、ふざけた場所をどうやって作っていくかの作戦を紹介した本だ。本来は、グズグズしている日本人向けに、「海外ではすごいことになってるから、うちらもやつらに負けずにとんでもない場所をどんどん作ろう〜!」ってけしかけるために書いた本だ。
 ちなみに、本っていうのは、よっぽど話題のベストセラーでもない限りは、1年も経てばフェードアウトしていく感じなので、このマヌケ本も日本ではそんな流れだったと思う。ところが!!! この謎の書は、実は海外で意外な展開を遂げているのだ。だんだん面白いことになってきているので、今回はちょっと紹介してみよう。

各国翻訳版の後、満を持して中国海賊版が登場!

 日本での出版後、フタを開けてみると、いきなり事態は意外な方向に。出版直後に中国語(台湾)版と韓国語版が翻訳出版され、そっちで出回り始めた。そしてそれが中国(大陸)へも飛び火し、中国の出版社からも出版が予定された。ところが、そこはまた中国の複雑なところで、出版は一筋縄ではいかない。特に、我々のような謎のガイジンによる本の出版など、慎重に審査されるので、出版に時間がかかる。で、出版社がモタモタしている間に、あろうことか、まさかの海賊版が先行発売! さすが中国!!! で、この海賊版がまたよくて、無地の表紙に墨で書名と著者名が書いてあるだけという、超カッコいい装丁。地下流通本の感じ100%。ものすごい悪いことが書いてある本みたい!

左から、韓国版、中国海賊版、台湾版。それぞれのノリが違っていい。英語版がないのがまたいいね。それにしても中国版は悪そうだ!(笑)

 ま、この中国海賊版のくだり、以前にも何度か紹介したことがあるので、知ってる人も多いかと思うけど、もう一度おさらいね。そして、中国海賊版の発売を記念して、出版記念イベントが行われ、そこに著者である自分も招待され(!)、行ってみると、本来出す予定の出版社の担当編集者まで遊びにきてる。まず日本ではあり得ない状況に。で、著者と出版社の編集者の二人が指を加えてみている目の前で、海賊版が飛ぶように売れて行く。中国最高。

 さて、そんなことがあり、海賊版の売れ行きも好調で、あっという間に完売。いや〜、面白いこともあるもんだと感心していると、気付いたら、なんと! 今度は装丁を変更して挿絵が加えられた改訂版が出ていて、中国各地に再進出していた。当然、自分も知らない間に出ていたので、全く予想外。ある時、東京に遊びにきた中国人が本を持ってサインを求めてきたので、手にしてみるとどうも違う。今までなかった誰かのイラストも入ってる。「あれ、この版、前のと違わない!?」と驚くと、「あ、これは改訂版の第二版ですよ」と、見ず知らずの中国人に教えてもらう。「うわー、知らなかった! このイラストいい! 俺も一冊欲しい。どこで売ってるんですか?」と聞くと、「中国のネットで買えるけど、まだあるかな〜」だって。いや〜、このアベコベ感が超楽しい。生きててよかった。日本でも誰か海賊版出してくれないかな〜。出版社は怒るかもしれないけど、こっちは見て見ぬ振りをするので、諸君、安心してくれ!

中国で晴れて発禁本に!

 で、今回のコロナ騒動。日本も中国も(もちろん他の国も)行き来ができなくなり、直接顔を合わせての交流はほぼ一時停止状態に。しかも、この本は店やスペースの作り方の本なので、アジア圏を中心に取材しまくった各スペースもみんな大変そう。各国の人たちがお互いに連絡を取り合い、心配しあったり、救援物資やお金を送り合ったりと、これまでの交流の成果を最大に発揮しまくっていた。その中に、このマヌケ本の海賊版製作者たちもすぐに連絡してくれて「高円寺は大丈夫か? これまでに結構本売れてるから、高円寺の店を守るために送金するよ!」と、お金を送ってくれた。ありがたい! おおー、しかも海賊版の印税が入るとは! というか、著者公認の海賊版で、さらに印税が舞い込んでくるって、それもう正規版と変わらないじゃねーか。まさか海賊版が正規版に進化するとは! すごい!!

 さて、ではそのもともと予定されてた正規版はどうなったかというと…。中国政府の出版物を管理する部署の検閲にまんまと引っ掛かり、最終段階での審査に落ち、見事に出版禁止をくらい、晴れて「禁書」に。基本的に本全体を通して「国家はあてにならないから、極力自力でやっていこう」という、国を問わず「国家」を軽視した姿勢がアウトだったようだ。惜しかった〜、中国の人たちにも読んでもらいたかったなー。
 でも、禁書は禁書でいいこともある。10年ほど前、韓国で『貧乏人の逆襲』という貧乏人サバイバル術の翻訳版が出た時、当時の李明博政権によって「なるべく読まない方がいいよからぬ本」という逆推薦書に指定され、逆にたくさんの人に読まれたことがあった。中国もこの禁書によって謎の現象が起き始め、ネットでものすごい高額で出回るようになってきた。まいったな〜、地下で高額で出回ってて、しかもタイトルが「反乱の手引書」って、これはやばすぎる!!! っていうか、実際中身は本当にやばいことなんて一つも書いてなくて、飲食店出すときの保健所の通し方だったり、ふざけた宣伝の仕方とか、店で爆音を出しまくったら潰れる実例とか、潰れそうで潰れない店の紹介とか、意外と地味な実用書なんだけどな〜。これ逆に、本当にヤバい秘密の書と勘違いして買った人に怒られるんじゃないか!?

見よ! 3000元、つまり日本円で約4万6000円で売られている!! 爆弾の作り方が書いてあるようにしか見えない!! ま、買う人がいるかどうかは知らないけど…

前代未聞! 海賊版の重版に加筆し改訂版に独自の進化!

 そして、そのタイミングで、中国海賊版チームから「第三版出すから加筆してくれないか」との依頼! おお、ついに第三版まで! っていうか、海賊版に加筆って聞いたことない! さっそく、海賊版チームと密に連絡を取り合いながら、力を合わせて第三版に向けての加筆を完成させる。「中国人民の皆さんへ」という中国版に向けての前書きまで添えて、いよいよ完成〜! 
 あれ!? でも、よく考えたら、当局の検閲にはじかれた禁書じゃなかったっけ? 堂々と出していいの? と思うかもしれないが、これがまたなんとかなるところが中国の面白いところ。せせこましい日本社会とは違って、細かいことなんてどうでもいい。やたら懐が広い。というか、人が多すぎてみんなの面倒なんて見切れないって感じ。いや、いいね。一回ダメになったら本当に全部ダメになっちゃう日本にいると、中国がすごい自由な社会に感じるねー。ま、とはいっても、恐ろしく不自由で最強に厳しいところもあるから、一概には言えないけど、まあ一長一短だね。
 ここまできたら、別の人が勝手に加筆したものが出回ったりしても面白いかも。気付いたら共著になってたり、勝手に対談本になってたり。いや〜、夢はふくらむ。日本でも海賊版ブーム来ないかな〜。どうせ紙の本なんて衰退の一途を辿るだろうから、そろそろ開き直っても別の展開が来て楽しそうだ。

 ということで、近々、中国海賊版の第三版が出版されると思われる。もしかしたらすでに完成して出回ってるのかもしれないけど、それは著者の知るよしもないこと。そのうちどこかで「なんだ、このバージョン! みたことない!!」と、驚くことに期待しよう。

中国現地の直売会で売り捌かれる海賊版!

 最後に、今回は特別におまけ。本の巻末に載せてある、ふざけたマヌケスペース一覧表の改定部分の日本語版を載せておこう。中国版は当然中国語で出るので、加筆部分の日本語版は永久に日の目を見ない。ということで、せっかくなので。
 あ、でも勝手に載せて大丈夫かな? 海賊版の人たちの許可をとったほうがいいかな……。いや、待て、許可を出すのはこっちだった。違う、版権は海賊版にあるのか。あれ、それどういう意味だ? 海賊版って、勝手に出してることじゃ……。←と、こうマゴマゴするのが、ザ・日本人の悪いところ。いかんいかん、もう細かいことはどうでもいいんだった。最近は、コロナが危険なのか大したことないのかもわからなくなってる昨今。全てのことがなんだかわからなくなっている時代。いや〜、懐の広い、いい世の中になってきそうだな〜。さー、これからは全部イカサマに生きちゃうぞ〜。
 ということで、面白いスペース紹介の追加分は下記の通り。これも大いに活用して、ウロチョロしてみよう!

特別付録! マヌケスペース一覧表(中国向け追加分)

東京

SUB STORE

インドネシア人のアンディと日本人の久美さんの二人が運営するCAFE&BAR。インドネシア料理のカフェで、夜はBAR営業。高円寺にこのお店ができたおかげで、インドネシアの地下文化シーンとの太いパイプができ、インドネシアからいろんなミュージシャンやアーティストが高円寺に訪れるようになった。簡単なライブやDJイベントもよく行っており、なかなかの重要スポット。
ちなみに店主のアンディは、高円寺のツチノコとして恐れられ、いつもニコニコして高円寺を飲み歩いているので、強力な謎の人脈も持っている!

東京都杉並区高円寺北3-1-12 2階

UPTOWN RECORDS

元々は上海を拠点として店をやっていたUPTOWN RECORDSが、満を持しての日本上陸! レコード店+音楽BARの名店だ。そして、選んだ場所が、日本地下文化圏における最重要拠点の東京高円寺! さすが! 見る目がある!!! ただ、惜しむらくは新型コロナウイルスと同時に日本上陸。東京中に政府からの外出規制がかかる2020年3月、堂々オープン! しかし、東京地下音楽シーンの人たちが続々と集まり、早くも面白い場所になっている。中国独立音楽のレコードなどもあり、面白い化学反応が起こり始めている!!

東京都杉並区高円寺北3-33-16 2階

陳陳

東京の西の郊外、八王子にできた新スペース。若い芸術家や芸術系の学生たちが古民家を改装して作った飲み屋。さすが芸術系の人たちだけあって、全く意味不明のイベントなども多数あり、これまで無風地帯と思われてきた八王子を混乱の渦に叩き込んでいる!

東京都八王子市子安町1-9-3

沖縄

NEO POGOTOWN

POGOTOWNという名の雑貨屋さんから派生した店で、ライブハウス&音楽スタジオ&雑貨屋&BARという感じのスペース。大きさも広くかなりグレードアップしたので、活動の幅もさらに拡大。沖縄に行ったら、ぜひここに行って沖縄地下文化に触れてみてほしい。

沖縄県沖縄市中央2-7-37 2階

クアラルンプール

無頭體

FINDARSが消滅し、同じビルの屋上に新しいスペースをもう一つオープン。ライブや飲み会など、狂乱の宴が日々繰り広げられている、とんでもないスペース。クアラルンプールは近年、再開発も進み街もどんどんきれいになっていく中、その街のど真ん中で異彩を放つ希望の星!

吉隆坡 戏院街 8号 雪隆会宁公会顶楼
No 8, rooftop, lorong panggong, 50000 Kuala Lumpur

台北

愁城

台北のバンドマンたちの拠点。独立音楽ミュージシャンの互助組合としての機能もありつつ、様々なイベントを主催したり、ZINEを出版するなど、精力的に活動している。台北に行く時は、いつも遊びに行くんだけど、謎の飲み会に巻き込まれて帰れなくなること多数。ひどい時は酔った勢いで飛行機のチケットを変更させられ、日本に帰れなくなったことも(笑)。その代わり面白い友達がたくさんできるので、オススメ!

台北市中山區北安路518巷14弄17號1樓

北風社

愁城の一部メンバーがオープンしたカフェ。あの薄汚いバンドマンたちがオープンしたとは思えないほどオシャレできれいなお店。愁城は少し郊外にあるけど、北風社は割と中心部にあるので、人も集まりやすい。ここもぜひ遊びに行ってみてもらいたい。運営メンバーのひとり魏立というやつがカッコいい人のふりをしてコーヒーを入れてると思うので、「オシャレぶってるけど、お前は高円寺のマヌケの仲間だろ!」と、声をかけて友達になってみてほしい。

台北市大同區赤峰街47巷18號2樓

福星紋身

阿桃と徐飽という二人の刺青師が運営する刺青店。この二人は基本的にふざけた奴らなので、異常にノリが良すぎて何をし始めるかわからない大バカな感じが最高。ただ、刺青の腕は確か。東京にも何度も来たことがあり、高円寺で期間限定の刺青イベントも何度か行った。台北に行ったら、勢いでとんでもない刺青を入れちゃうしかない!

台北市中山區民權西路70巷45之2號2樓

先行一車

なんの店だかわからないぐらいの異彩を放ってるけど、たぶんレコード屋。でも、遊びに行くとだいたい飲んでる。まだオープンしてから数年しか経ってないのに、40年ぐらいやってるんじゃないかっていうぐらいの貫禄がある店内の雰囲気。死ぬほどレコードが置いてあるので、よくよく探せば掘り出し物もあるはず! 店主は基本飲んだくれてて、さらに飲んだくれのお客さんが続々と集まってくる、世界最強のレコード屋。

台北市大安區師大路102巷8號

台南

玉隆紋身

店主の許法は、以前は台北で阿桃や徐寶と同じ刺青店を運営していたが、現在は出身地の台南に戻り、自分の刺青店をオープン。勢いで台南に行ったのはいいけど、とんでもない大バカな奴らが無数にいた台北とはちょっと勝手が違うのか「台南ヒマだ〜」と毎日独り言を言っている様子。「何か面白いことはないか」と、日々悶々としている様子なので、遊びに行ってみよう。見た目は人を殺したことありそうなヤクザみたいだけど、中身はウサギさんのような優しい男なので、怖がらなくても大丈夫!

台南市東區德光街26號
14:00~21:30(預約制)

北京

盲区

北京のpunkたちの作ったBAR。元々「盲区」という名のバンドマンたちのグループを作っており、ライブの企画や映像、ZINEなどを作るなど、これまた幅広い活動をしている。そして、やはりみんなが集まる場所が大事だということで、2020年夏、ついに独自のスペースをオープン。超面白い人たちがたくさんいる上、重要な人物や情報が集まる新拠点となることは間違いないので、これからが要注目の場所! この盲区界隈もすごくいいバンドがたくさんあるので、音楽の方も要チェック!!

北京市東城区北鑼鼓巷65号

独音唱片

独立音楽専門のレコード屋。ここは老舗で結構前からある。自分もだいぶ前から、北京に寄ったらここへ行き、店員さんに中国独立音楽の最新情報を教えてもらったりしている。日本からではなかなか知り得ないようなバンドとかの情報もたくさん知れるので、我々外人にとってはとてもありがたいところ。

北京市東城区鼓楼東大街24号

69cafe & 蘑菇空間

元々は南鑼鼓巷にあった69cafeが、現在の場所に移っている。ここは60年代70年代ロックやフォーク、サイケデリック、ポストロックなどが得意の店。69cafe、蘑菇空間ともに、ライブバーのようなスタイルで、ライブイベントもよく行われている。店主の蘑菇氏もやたら活発な人で、ちょっとヒマを見つけてはミュージシャンを連れて東京にライブをしに来たりするので、高円寺の人々とも親交は深い。ある時「東京に店を出したい!」と言い出し、東京進出を計画していたが、彼もまた絶妙な運の悪さがあり、新型コロナウイルスが東京で流行り出したおかげで頓挫。現在も虎視眈々と高円寺進出を狙っている。

蘑菇:北京市 西直門交大東路66号鑽河中心2号楼102
69:北京市昌平区TBD雲集中心2号楼一層外側113A

広州

上陽台

ここも中国内屈指の強力なアジト。基本的には店舗で、洋服屋や雑貨屋、本屋、BARなど複数の店がひとつのスペース内にあり、共同でひとつの場所を運営している。そのほか、共同キッチンやイベントスペースもあり、ライブやトークショーから功夫道場まで、いろんなイベントも開催している。ここに集う人たちにはやたら面白い人たちが多く、各種の変人たちと友達になれる。しかも、他の街や海外とのつながりも多く、この謎の上陽台ネットワークで各地の面白いスペースの情報を知ることもできるので、ここはオススメだ!

広州市海珠区暁園北路3号

武漢

WOHAN PRISON

中国パンクシーンで欠かせないのが二大勢力が北京と武漢。そして武漢パンクの最重要スポットがこのWOHAN PRISONというライブハウスだ。中国パンク第一世代の生命之餅というバンドの界隈の人たちが始めたこの場所は、今でも脈々とそのパンク精神が受け継がれているので、超カッコいいところ。オープン当初は完全なパンクの場所だったけど、今は結構いろんなジャンルの音楽のイベントも行われている。武漢に行ったら、ここは必見!

湖北省 武漢市洪山区魯磨路国光大廈A座半地下室

瀋陽

仙境倶楽部

中国東北部の瀋陽で、とてつもない場所がオープンした。瀋陽唯一のアンダーグラウンドのクラブの仙境倶楽部。クラブのほか、ライブスペースや、書店、上映室なども併設した最強のスペース。
個人的なつながりでは、かつて瀋陽で失敗書店というふざけた名前の独立書店を作った潘赫という、これまたマヌケな雰囲気全開の友達がいた。もちろん、失敗書店はすぐに失敗したものの、瀋陽では仲間が仲間を呼んで、すぐに新たなプロジェクトが生まれ、この潘赫もこの仙境倶楽部の立ち上げに参加している。それもそのはず、中国東北部は真面目に働くことにはあまり興味なく、平日昼間から酒を飲み始める人が多いので、マヌケ人材の宝庫。まさに中国の高円寺。このため瞬く間に面白い人たちが集っている模様。うーん、これは期待大!!

遼寧省沈陽市沈河区二経街八緯路29号

長沙

目田空間

何を隠そう、長沙にも面白い空間が誕生した。ここは、書店、ゲストハウス、飲み屋、イベントスペース、ギャラリーなどが併設された空間。残念ながら自分はまだ行ったことないんだけど、ここの人たちには他の街で何度かあったことがあり、連絡も取り合っていて、「遊びに来て〜」といつも誘われている。この目田空間の人たちのマヌケな雰囲気から察するに絶対に面白い場所に違いない! これは行くしかない!!
ちなみに、この「目田」というのは「自由」の頭の部分の点をとって「目田」。つまり自由がないという皮肉に満ちた名前で、そのセンスが最高。この漢字文化圏にしかわからない感じ、いいね〜

湖南省長沙市芙蓉中路605号花砲大楼

上海

角椒+DOT

上海リアルPUNKの真髄がここに! ここはすごい! 上海のちょっと郊外にあるこの店、一階は“角椒”という火鍋屋さん。結構ちゃんとした店で、観光地も近いこともあり、いろんなお客さんが来て、普通においしい火鍋が食べられる。ところが! その火鍋屋の奥の階段を上がった二階がとんでもないことになっている。清潔できれいな一階とはうって変わって、完全にPUNK BARで、“Dirty Old Town”という名前。しかも驚くことにオーナーは同じ。雰囲気全然違うじゃねーか(笑)。で、実際にPUNKイベントになってみると、ステージ前でやたら盛り上がって暴れてるやつがいる。挙げ句の果てには手に持ったビールをステージにぶちまけ始めて機材が壊れる有り様。危険な奴がいるなと思ったら、なんとそれがオーナー! やばい、最高すぎる、ここはいい店だ!!!!!! オーナー自身も上海パンクスの一人で、パンク仲間がたくさん集まってくる。上海パンクの重要スポット!

上海市青浦区朱家角镇课植園路大拇指广场559弄19号102,营业时间:16:00-1:00

NEO BAR

上海のポストパンクのバンド“髒手指”も御用達のバーで、彼らから紹介してもらったのがキッカケで遊びに行くようになった。一見すると普通にオシャレなバーなんだけど、店内のステージでパンクのライブも行うなど、いいイベントが多い。ここのオーナーもなかなか気骨のある面白い人なので、オススメ!

上海市杨浦区国定路335号杨浦科技创业中心1号楼

       

松本哉
まつもと はじめ:「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、『世界マヌケ反乱の手引書:ふざけた場所の作り方』(筑摩書房)編著に『素人の乱』(河出書房新社)。