女性の声で政治を変えよう～女性市民連合 フェミブリッジ・アクション記者会見～（柳田茜）

　2015年12月、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(※)が発足しました。そして2016年から現在まで、全国の200を超える地域で「市民連合」を団体名とする市民組織が立ち上がり、市民と野党の共闘に取り組んでいます。これまでの国政選挙や首長選挙などでは、各選挙区の市民連合と立憲野党の統一候補が協力し、それぞれの選挙区で成果をあげてきました。

※「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」：2015年9月、国会で可決成立した安全保障関連法に反対する5つの団体によって呼びかけられ、発足した市民のプラットフォーム。安保法制の廃止と立憲主義の回復を実現するために、選挙での野党勝利と政権交代をめざし、参院選の一人区や衆院選の小選挙区などで候補者の一本化をはかるなど、全国各地の市民連合と連携して活動に取り組んでいる

　このような全国各地の市民連合で活動している女性メンバーが「フェミブリッジ・アクション」という新たな活動をスタートするにあたり、記者会見を行いました(9月12日)。
　会見では冒頭、菱山南帆子さん(「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」運営委員)から、「フェミブリッジ・アクション」の趣旨について説明がありました。

　「フェミブリッジ」とは「女性＝フェミニストの架け橋」という意味をあらわす造語だとのことです。この数年コロナ禍が続き、さらに物価高などによって、困難な問題が女性に集中しています。そんな社会を変えるには政治を変えなければいけない――。「フェミブリッジ」という言葉には、女性たちがつながって「女性の声で政治を変えようという思いが込められている」と菱山さんは言います。

「私たちは地域の市民連合で活動していますが、活動の中心を担っているのは男性がほとんどです。選挙では、ジェンダー平等を訴えている私たちの組織の中がそんな状態ではだめなので、7月にオンラインで女性市民連合会議を開きました。そうしたら、北から南まで全国の市民連合の女性たちが参加して、話が止まらなくなるくらい率直な意見が次々と出ました。私たちの横のつながりは、これまで政治に興味がなかった女性も取り込む力になるんじゃないかと思っています」(菱山さん)

着席左から、菱山南帆子さん、片山純子さん、二瓶由美子さん、西山千恵子さん、山下千尋さん

　続いて、片山純子さん(市民連合ふくおか)から、福岡県は女性の国会議員も市町村長も極めて少なく、「悲惨な状況」だとのお話がありました。そうした状況を変えるために、まずは福岡市の中心地で街頭宣伝を計画。チラシをつくったりインスタグラムなどで、情報の発信を行ったりしているそうです。
　二瓶由美子さん(福島県市民連合)は、3・11後の福島の様子を詳しく伝えてくれました。3・11当時、福島県内の短期大学教授だった二瓶さんは、「若い女性たちが自分で考え、未来を築いていくことの大切さを訴えていきたい」と言います。
　今年5月の足立区長選挙に立候補した西山千恵子さん(市民連合あだち)からは、「東京の下町地域では、貧困問題のほか、大災害が発生したときの被害など、女性にしわ寄せが集中する」という指摘がありました。
　そして、東京西部に位置する横田基地がもたらす騒音被害についてお話ししてくれたのは山下千尋さん(市民連合あきる野)。山下さんは、平和と安全を脅かす法案が次々と出ている今、「女性たちの行動力で道を切り開けるんじゃないか」と期待を語りました。

　「フェミブリッジ・アクション」の最初の活動ですが、9月23日から30日を「フェミブリッジ・ウィーク」として、全国で女性中心の街頭宣伝が行われます。
　各地域自治体の野党女性議員にも参加を呼びかけ、政治や社会を変えたいと望む女性たちが幅広くつながる場にしたい――。そんな願いを込めて、各地の市民連合の女性たちが23日から街頭に立ちます。

（柳田茜）

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●「フェミブリッジ・アクション」記者会見(9月12日)

●フェミブリッジ・アクションの行動予定(9月11日現在）

●グーグルマップにて開催場所を随時更新中

フェミブリッジ＠福岡のチラシ