2025年が始まりました。旧年中、「マガジン9」を支えてくださったみなさま、そして記事を読んでくださったみなさまに、厚く感謝を申し上げます。
マガジン9は今年、創刊からちょうど20年を迎えます。改めて原点に立ち返って、憲法の意味や価値を多くの人に伝えられるような発信に、いっそう力を入れていければと考えているところです。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
鈴木耕さんが今週のコラムで解説くださっているように、2025年も決して平穏な幕開けにはなりませんでした。ガザでもウクライナでも戦火が続き、日本国内では物価高や生活苦にあえぐ人たちの声があちこちから聞こえてきます。
一方で、24年10月の衆院選で与党が過半数割れ、少し前までのような力尽くでの強行採決がしづらくなり、選択的夫婦別姓などをめぐる議論の進展が現実味を帯びつつあること、ここ数年各地の自治体で、市民の後押しを受けた新しいタイプの首長や地方議員が誕生していることなど、ほんのわずかですが変化の兆しも感じます。夏には参院選、この変化をどう次につなげていくかを考えなくてはなりません。
新年のごあいさつにかえて、24年に伺ったさまざまな方たちのお話から印象的だった、私たちに力をくれそうな言葉をいくつかご紹介します。
たしかに憲法無視の政治が続いてはいるけれど、憲法や立憲主義そのものが死んでしまったわけではまったくない。この政治の状況を変えるだけの力を、憲法はすでに国民に与えてくれているんです。問題は主権者である国民がその力を十分に行使して、政権交代などにつながるうねりを作り出せていないこと。政治を変えることができるかどうかは、すべて主権者国民の意志と意欲に委ねられているのだと思います。
──2024年5月3日UP〈伊藤真さんに聞いた:閣議決定が濫用される「国民無視」の政治。変えられるのは「憲法を持つ私たち」〉
https://maga9.jp/240503-1/
能條 議員になったメンバーは、それぞれの地域で変化を起こすための「小さな石」を投げて波紋をつくっていますよね。
さこう すぐに大きな変化を求めるのではなく、議員である私自身や地域の人たちも含めて「自分たちは社会を変えることができるんだ」という成功体験を小さくても積み重ねていくことが大事だと私は思っているんです。──2024年6月26日UP〈能條桃子さん、さこうもみさんに聞いた:政治のジェンダー平等を目指して、生きやすい社会を地域から!〉
https://maga9.jp/240626-1/
97条にも書かれているように、憲法に保障されている人権というのは「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」です。日本国民だけではなく人類全体の歴史の中では、さまざまな人の権利が踏みにじられ、それを乗り越えようと人々が声をあげてきた、その事実の上に立って成立しているものなんですね。
──2024年7月24日UP〈國本依伸さんに聞いた:国に「私たちの人権を守らせる」ために。もっと憲法を読んで、知ろう〉
https://maga9.jp/240724-1/
(三上)軍事化が進められている沖縄や南西諸島では、先祖からもらったものを大事に受け継いで、自然への感謝の気持ちを持ちながら、この先も50年、100年と島で同じように生きようとしている人たちの暮らしがあるんですよね。そういうものが「国のために多少の犠牲は仕方ないよね」という枠組みの中で奪われようとしている。
──2024年3月27日UP〈三上智恵さん×山内若菜さん:「抑止力」のもとに進む軍事化で、奪われようとしているもの~映画『戦雲(いくさふむ)』より、三上さんの発言〉
https://maga9.jp/240327-1/
これから平和で民主的な国を作っていくべき子どもたちに、近隣諸国への差別意識や偏見を植え付けるような、そんな教科書を手渡すことは絶対にしたくないと思うのです。
──2024年8月7日UP〈令和書籍、自由社、育鵬社…… 歴史教科書、どうなってるの? 平井美津子さんに聞いてみた〉
https://maga9.jp/240807-1/