2025年10月12日
ホーム 著者 Posted by 雨宮処凛

雨宮処凛

雨宮処凛
322posts
あまみや・かりん:1975年、北海道生まれ。作家。反貧困ネットワーク世話人。フリーターなどを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。06年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年、太田出版/ちくま文庫)は日本ジャーナリスト会議のJCJ賞を受賞。著書に『学校では教えてくれない生活保護』『難民・移民のわたしたち これからの「共生」ガイド』(河出書房新社)など50冊以上。24年に出版した『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)がベストセラーに。

Posted by 雨宮処凛

第735回:高市新総裁の誕生と相談現場に溢れる悲鳴、そしてまた一人命を落とした「生活保護引き下げ訴訟」の原告。の巻(雨宮処凛)

「30代女性。派遣の仕事を転々としている。今月、契約が終了する。電気代も高く、エアコンもつけずに生活をしている」 「50代女性。職場で怪我をしたが労災認定されず納得できない。生活・ガス代がとても高く生活が苦しい。心身の不調があり、視力…

第734回:ヘイト合戦の様相の自民党総裁選〜「〇〇バッシング」という、何もしなくても「何かしてる感」が出せる魔法。の巻(雨宮処凛)

自民党総裁戦が見るに耐えないことになっている。まずは茂木氏。総裁選数日前にはスーパーを視察。「庶民派アピール」なのだろうが、わざわざそれを狙ってスーパーに行くところ、しかも高級車で乗り付けるなどがかえって「特権階級アピール」とな…

第733回:「普通の日本人」の素朴な不安〜アメリカの分断と日本のノスタルジー。の巻(雨宮処凛)

9月10日、アメリカで保守活動家のチャーリー・カーク氏が殺害された。逮捕された男性についてはまたまだわかっていない部分が多いが、事件を受けて、アメリカではもともとあった分断がさらに深まっている。SNS上などでチャーリー氏の生前の言…

第732回:「日本人ファースト」からの半年後、1年後、5年後を考える〜「貧困問題」の解決を諦め、「敵を設定してそれを叩いてスッキリする」方向にシフトした社会の行方。の巻(雨宮処凛)

これまでのこと、そしてこれから起きることを記録しておかなければ。日々、そんな衝動に強く駆られている。それくらい毎日のように、この国が少しずつ変質しているのを突きつけられることが起きているからだ。まず確認したいのは、2023年、入管法…

第731回:「不法滞在者ゼロプラン」の裏で、存在自体が「違法」とされてしまう子どもたちに今、起きていること。の巻(雨宮処凛)

「小さい頃から入管に、『国へ帰れ』『頑張っても無駄だよ』『諦めな』と暴言を吐かれてきました」「なぜ、私だけ夢を諦めなければならないのか。なぜ、私の家族だけ一緒に生きていけないのか、そう問い続けてきました」。この言葉は、8月27日に…

第730回:「普通の日本人」と陰謀論〜コロナ禍、ワクチン、参政党。の巻(雨宮処凛)

もし、2020年からのコロナ禍がなかったら、日本の、そして世界の政治状況は全く違ったものになっていたのではないか一一。そんなふうに考えさせられる一冊と出会った。それは『陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム』(中公新書 秦正樹)。今…

第729回:この十数年の反省と、カルトで悩む知人の涙と、アメリカの「第三のニューライト」と「大いなる置き換え」の巻(雨宮処凛)

この十数年、私は何をしてきたのだろう――。参院選以降、私は深い自省の中にいる。その理由は、もちろん参政党の躍進だ。このような結果を予測しつつ、私は参院選投開票日直前に公開された726回の原稿にて、できることは「『孤独に一人で考え、…

第728回:女性誌と『少年ジャンプ』と参政党。の巻(雨宮処凛)

衝撃の参院選から1週間以上が経った。選挙以来、メディアは参政党の話題で持ちきりだ。先週は参政党による神奈川新聞記者の取材拒否が大きな注目を浴びたが、今後、支持率はどうなっていくのだろう。個別のスキャンダルや「危ない」という報道…

第727回:参政党の「大躍進」と、それを「予言」するような各国の「移民排斥」の動き。の巻(雨宮処凛)

「カーニバルが最高潮であるときに、水を差すような真似をすることほど損な役回りはない。たとえば、赤ペンを引いて間違いを指摘するファクトチェッカーや、下品な野蛮人の蛮行に眉をひそめながら正論を述べるリベラルな知識人である」「カオス…

第726回:「日本人ファースト」と「お前ら日本人じゃないだろ!」の巻(雨宮処凛)

戦争って、こういうふうに始まるんだろうな――。この1、2ヶ月での日本社会の急激な「空気の変化」に、ただただ呆然としている。特にこのひと月、日本社会はとんでもないスピードで、ありえない角度への急旋回をしつつある。原動力は、「外国人の…