2024年4月27日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第585回:「叱る依存」という病〜指導死、虐待、DV、パワハラ、そしてSNS上のバッシングや「厳罰化」、危険な中絶方法などなどの背景にある根深いもの。の巻(雨宮処凛)

2012年、大阪府大阪市の高校に通う男子生徒が自殺した。バスケットボール部のキャプテンをしていた男子生徒の手紙と遺書には、顧問教師から体罰を受けてつらいなどと書かれていた。17年、福井県の中学校に通う中学二年生の男子生徒が自殺した。宿…

第584回:なぜ、扶養照会は強行されたのか 杉並区への抗議・要請書。の巻(雨宮処凛)

「コロナで住む場所なくしたり、お金がなくなった時、親に知られたくないのはわかります。大変な時に、人生詰んだ、終わりだって考えてほしくないから、杉並区の行政にはいい仕事をしてほしいです」。50代の男性・高木さん(仮名)はそう口に…

第583回:安心して「失敗」できる社会とは。の巻(雨宮処凛)

「一番幸せなのは、ある意味、死なない程度に安心して失敗できること」。この言葉を聞いた時、すっと心の重荷が消えた気がした。全身から、いい感じに力が抜けた。「名言」を発したのは、NPO法人「抱樸」の奥田知志さん。北九州で30年以上にわ…

第582回:勢いが止まらない第6波と、昨年から目立ち始めた「コロナ感染による困窮」の巻(雨宮処凛)

第6波の勢いが止まらない。1月22日には、初めて全国の新規感染者が5万人を突破。東京都ではやはり初めて1万人を超える感染者が確認され、第5波をあっという間に凌駕した。そんな中、先週は専門家有志の提言が大きな話題となった。このまま感染が…

第581回:もし、生活保護を利用できていたら 大阪の放火事件についての新事実。の巻(雨宮処凛)

昨年から、嫌な事件が続いている。2021年8月に小田急線で10人が重軽傷を負った事件。逮捕された36歳の男は「幸せそうな女性を見ると殺したくなった」などと供述。10月には、この事件を模倣した事件が京王線で起きた。映画『ジョーカー』を真似…

第580回:怒涛の年末年始〜「日雇労働者がリハーサルをし、フリーターが本番をする」〈生田武志氏〉という言葉がとうとう現実に。の巻(雨宮処凛)

「日雇労働者がリハーサルし、フリーターが本番をやっている」。2021年から22年にかけての年末年始、困窮者のための相談会や炊き出しの現場で、何度もこの言葉を思い出した。冷たい風が吹きすさぶ中、もう数ヶ月も野宿していたという若者。夜は…

第579回:年末年始・支援情報! の巻(雨宮処凛)

今年も残すところあとわずかだ。年の瀬を前にして、「年末年始の支援」の準備に追われている。役所の閉まるこの期間、住まいもお金もないまま路頭に迷う人が多く出ることが見込まれるためだ。一方、住まいはあっても残金わずかという人も多く…

第578回:生活保護を受けるのは「他人に迷惑をかける」と姉を殺害 フランス人から見て「行政虐待」に映るこの国の福祉。の巻(雨宮処凛)

「生活保護拒み 姉に手かけた」。12月2日、ある事件の判決が下された。今年3月、都内に住む82歳の女性が、寝たきり状態の姉(84歳)の顔にウェットティッシュを置き、手で押さえて窒息死させて殺害した事件だ。姉妹は長年二人暮らしをしていた…

第577回:年末年始の相談会準備、始まる。の巻(雨宮処凛)

今年も残すところあと1ヶ月だ。その大半が緊急事態宣言下で、季節の思い出がない一年。第5波の中、多くの人が自宅に放置され、命を奪われたコロナ禍2年目。炊き出しや相談会の現場にも発熱した人が訪れ、支援者たちが対応に追われた夏。そん…

第576回:病や老いが前より怖くない理由〜中途障がいをもった天畠大輔さんの『〈弱さ〉を〈強み〉に』~の巻(雨宮処凛)

ある日突然、重度の障がいを負ったら。誰の人生にも起きうることだし、事故や病気で障害を持たなくても、人間、高齢になれば誰もが若い頃のようには動けなくなる。身体の自由が利かなくなる――。そのことは、数年くらい前まで、私にとっては恐怖…