2025年6月28日
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三上 智恵

三上 智恵
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三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移住。同局のローカルワイドニュース番組のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。14年にフリー転身。15年に『戦場ぬ止み』、17年に『標的の島 風(かじ)かたか』、18年『沖縄スパイ戦史』(大矢英代共同監督)、24年に『戦雲-いくさふむー』を発表公開。著書に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)、『女子力で読み解く基地神話』(島洋子氏との共著/かもがわ出版)、『風かたか 『標的の島』撮影記』(大月書店)、『戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録』(集英社新書)など。2020年に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社)で第63回JCJ賞受賞。 (プロフィール写真/吉崎貴幸)

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第128回:石破総理への手紙~沖縄戦に斃れた若い兵士の遺骨(三上智恵)

石破総理大臣へ 先日4月13日のことです 沖縄本島南部糸満市の束辺名(つかへな)の丘の斜面から 二十歳くらいの日本兵のフルボディの遺骨が出ました 頭骨がほんの数センチ、地表に出ているのを 遺骨収集ボランティアの「ガマフヤー」のメンバ…

第127回:まだ自分の危機ではないと思いたい人たちへ~ミサイルは市街地から撃ちます~(三上智恵)

3月末に政府は、台湾に近い与那国・石垣・宮古などの島々に住む5市町村の住民ら12万人を、有事の際に避難させる初期計画を公表した。今回は珍しく全国紙も大きく報じ、テレビでも全国ニュースになった。でもそれは「台湾有事」が迫っているのか…

第126回:弾薬が足りない!? ~新設されるさつま町の弾薬庫とは~(三上智恵)

「たまに撃つ、弾がないのが、玉に瑕」  自衛隊の慢性的な弾薬不足を揶揄したこの川柳は、内輪では定番の自虐ネタだったそうだが、最近では国会の議論にも引用されるなど、よく耳にするようになった。とにかく、弾薬が足りない。訓練もままなら...

第125回:戦争を止めるために立ち上がる人たち~沖西ネット始動~(三上智恵)

「私たち国民は戦争を止めることができます。なぜなら、私たちが、主権者なんですよ。私たちは、国の決めたことに従わされる存在ではありません。私たちが、日本が進む方向を決めることができるんです。それが主権者なんです」。具志堅隆松さんが…

第124回:“慰霊の日”は誰のため?~沖縄県庁が事前に掲示物・配布物チェック~(三上智恵)

私は自分の耳を疑った。沖縄県が、市民団体の掲げる横断幕や配布物の内容を事前にチェックするなんて、これまで聞いたことがない。そんなお達しが紙にまで書かれて渡されていた。国が、ではない。沖縄県が。慰霊の日の行動に関してなぜ沖縄県庁に…

第123回:平和の羅針盤を失った日本丸~勝連ミサイル連隊発足と日米首脳会談(三上智恵)

「捧げ~筒!!」。沖縄県うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に号令が響く。第七地対艦ミサイル連隊の発足式典。政府要人を迎えるにあたり、ずらりと並んだ礼服の自衛隊員が銃を両手に持って引き寄せ、顔をグイっと上げる。空気が張り詰める。ファン…

第122回:保革を超え1200人が結集した陸自訓練場反対集会と始動した勝連分屯地、その差について(三上智恵)

私が通った千葉県あたりの小学校では、林間学校は軽井沢、修学旅行は日光と決まっていた。沖縄本島では、5年生の宿泊研修といえば、うるま市にある石川少年自然の家と相場が決まっている。ハイキングをして、みんなでカレーを作り、キャンプファ…

第121回:体を張って抵抗する意味~新作『戦雲』の公開と陸自勝連分屯地での抵抗(三上智恵)

2014年春、私はこのマガジン9の撮影日記の連載を開始した。あれからちょうど10年だ。27年間の放送局勤務を卒業しフリーになったとき、唯一自分に課したのが、動画と撮影日記をネットに定期的に出すということだった。小さいビデオカメラ以外は大…

第120回:「今日がスタートライン」~1万人が集う県民平和大集会(三上智恵)

「まだまだ集まると思いますよ、みなさんまだゾロゾロとこっちに向かって歩いていましたから。久しぶりにこういう光景を見て、わくわくします」。舞台横に到着した玉城デニー知事は顔を紅潮させた。満面の笑みの知事を見るのは、久しぶりのような…

第119回:「戦う覚悟」を強要する政府~麻生発言に揺れる沖縄(三上智恵)

「戦争とは爺さんが始めて おっさんが命令し 若者たちが死んでゆくもの」。これは大橋巨泉さんの残した言葉だ。まさに、リアリティもなく戦争を語り、無責任にも他国を含む国民や若者の命を消耗する決断が自分にできるかのように錯覚して戦争の…