2026年2月26日
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マガ9レビュー

本、DVD、展覧会、イベント、芝居、などなど。マガ9的視点で批評、紹介いたします。

『女性の休日』(2024年アイスランド・アメリカ/パメラ・ホーガン監督)

しばしば「世界で一番女性が生きやすい国」といわれるアイスランド。国会議員の半数近くは女性、2018年には世界で初めて「性別による賃金格差を禁止する」法律が施行され、世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」では16年にわたっ…

『戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない』(赤根智子著/文春新書)

ロシアがICC日本人裁判官を指名手配――。2023年夏にこのようなニュースが配信された。ICC(International Criminal Court)とは国際刑事裁判所。ジェノサイド(集団殺害)や人道に対する罪、戦争犯罪など、国際社会共通の関心が集まる「中…

『憲法事件を歩く 尊厳をかけて闘った人々と司法』(渡辺 秀樹著/岩波書店)

今年5月、「マガジン9」の創刊20周年記念トークイベントを開催した。タイトルは「フトコロに憲法 未来に希望」。日常の中で存在を意識することはあまりない「憲法」だけれど、本来は私たちの生活や権利を守ってくれる一番心強い「味方」のはず。…

『揺さぶられる正義』(2025年日本/上田大輔監督)

学生時代の友人たちとのランチ会でのこと。3人目の孫が生まれたという人がいて、最近のおむつの性能から父親の育児休暇まで、昨今の子育て事情に話が及んだところで、数日前に見たドキュメンタリー映画『揺さぶられる正義』を思い出した。「”揺さ…

『人間の境界』(2023年ポーランド・フランス・チェコ・ベルギー/アグニエシュカ・ホランド監督)

ポーランド政府は2021年9月、EU諸国への亡命を求める人々で溢れるベラルーシとの国境付近に非常事態宣言を発令した。シリアやアフガニスタンからの難民をロシア経由で受け入れたベラルーシが、ポーランドとの合意を得ることなく、鉄条網が張り巡…

『非常戒厳前夜』(2025年韓国/キム・ヨンジン監督)

かっこいい! スクリーンを見つめながらの2時間近く、ひたすらずーっとそう思っていた気がする。韓国では昨年12月、ユン・ソンニョル大統領(当時)が、「反国家勢力」から国を守るためとして、突如「非常戒厳(戒厳令)」の宣布を発表した。…

『普天を我が手に 第一部』(奥田英朗著/講談社)

大正天皇が亡くなった西暦1926年12月25日から同月31日までの、わずか7日間で終わった昭和元年に、4人の子どもが生まれるところから物語は始まる。陸軍省軍務局の少尉・竹田耕三の家にとって待望の男の子が東京・築地の聖路加病院で産声を…

『選挙と鬱』(2025年日本/青柳拓監督)

終盤に差し掛かってからタイトルバックが入る映画を初めて見た。当初のテーマは「選挙」だった。2022年6月、「浅草キッド」のベテラン芸人であり、著作も多数記している水道橋博士が「松井一郎前大阪市長からスラップ訴訟を提起された」こと…

『ハルビン』(2024年韓国/ウ・ミンホ監督)

ハルビンは19世紀に帝政ロシアが中国東北地方につくった都市である。シベリア鉄道を敷設し、モスクワから東の海の玄関口となるウラジオストクまでの約9,300kmをつなげたロシアが、その距離と時間を短縮するため、東シベリアのチタから中国の満蒙…

『働くことの小さな革命 ルポ 日本の「社会的連帯経済」』(工藤律子著/集英社新書)

以前、なかなか就職が決まらず就活に疲れた大学生から「なんのために働くんでしょうか?」と聞かれたことがある。なんて答えたものか? 一瞬考えあぐねた。この新書の著者、ジャーナリストの工藤律子が紹介するのは、「社会的連帯経済」(Social …