2018年は「正念場の年になる」と昨年末より言ってきましたが、今年はマガ9の本来の中心的テーマである、「憲法9条改憲」すなわち「憲法に自衛隊を明記するとはどういう意味を持つのか?」について、根本的なところから改めて考えていきたいと思っています。
早速、マガ9でもお馴染みの伊藤真先生に、2018年を迎えるにあたり、この大きなテーマについて、押さえておくべき論点をわかりやすく書いていただきました。
「2018年改憲の動きにどう向き合うか」
「自衛隊を憲法に明記することによって、現状追認どころか、この国を変えてしまうほどの大きな変化が生じる」とする、伊藤先生の指摘を真摯にじっくりと考える必要があると思っています。
この国を変えてしまうほどの大きな変化とは何か、そのポイントだけ抜き出すと以下の4点になります。
1)自衛隊違憲論の立憲的意味を捨て去ることになる。
2)戦力拡大への歯止めがなくなる。
3)国防国家化が進行する。
4)国防目的の人権制約が容易になる。
「護憲的改憲案」を論じる方もいますが、「自衛隊を明文化する」ことは、9条改憲であり、護憲的もなにもない、と私は思っています。マガ9のスタッフにもいろいろな意見があると思いますので、これはあくまでも私の個人的スタンスですが。ただ私たち市民が「9条はそのままでいい」と考えるのならば、躊躇することなく、声を大にして言っていいし、大事にしていくべきだと思っています。
伊藤先生がコラムで書かれていることは、主権者である私たちが「9条改憲」を選ぶのであれば、自衛隊を明記することで、国を変えるほどの変化が訪れる、そのことまでちゃんと考えて、想定して、選ばなくてはいけない、と論じています。選ぶのはあくまでも私たちですから。
なお、憲法改正の是非を問う手続法である「国民投票法」については、マガ9でもさまざまな問題点をこれまで指摘してきましたが、ここでは「立憲政治の道しるべ」の南部義典さんの過去のコラムを紹介しておきます。
「誰も考えていない、憲法改正発議後の“広報”の件(南部義典)」
また改めて「国民投票法」の「基本のき」から南部さんが教えてくれるコンテンツを準備中です。そちらもぜひ、ご期待ください。
(水島さつき)