【寄稿】コロナ禍で増加する相談者、ウソで追い返す福祉事務所(小林美穂子)

 2020年4月7日の政府による緊急事態宣言発出を受け、4月10日、東京都は対象となる事業者への休業要請、外出自粛要請を発表した。
 ネットカフェ生活者は東京だけで約4,000人いることが都の調査で分かっている。休業要請によりネットカフェ生活者が仕事も寝場所も失ってしまう、そんな危機感から私たち一般社団法人「つくろい東京ファンド」の有志スタッフたちは、続々と寄せられるSOSを受けて相談者の福祉事務所への同行、そしてアパート探しへと走り回ってきた。その初期の様子は、すでにマガジン9によって記事(「緊急事態宣言からの同行支援日記~『パンドラの箱』が開いた」)にしていただき、多くの方々に読んでいただいた。

 記事公開から4ヶ月。

 緊急事態宣言も休業自粛も完全に解除された。しかし、生活困窮者支援の現場はずっと変わらない忙しさと緊張状態が続いており、気持ちが休まることはない。そして、最近では、再び相談者が激増しており、野戦病院さながらの日々を送る支援者たちは疲弊している。
 忙しさよりも何よりも私たちを疲弊させるのは、福祉事務所が違法行為や虚偽の説明をして、誰よりも弱い立場にある相談者を追い返そうとすることだ。こういう対応は、今に始まったことではなく、これまでもずっとあったことなのだが一般的には知られていない。なぜなら、その被害に遭う人たちは声を上げられないし、第一、福祉事務所のドアを叩く人も、今は必要ない人も、まさか区民(市民)に仕えるはずの公務員が、その仕える相手に平気で嘘をつくはずなどないと信じているから、あまり公にはならないのだ。そして、何をしても批判されないことを幸いに、一部の福祉事務所は追い返しのテクニックを磨いていく。

 コロナ禍で福祉事務所巡りをしていて、いいかげんにウンザリした。これ以上、ひどくなったら犠牲が増える一方だ。私たち支援者からも過労死が出かねない。

生活保護申請の水際作戦・昔と今

 今から11年前の2009年に、私が生活困窮者支援の現場に飛び込んだ頃、先輩方から聞かされていた福祉事務所の対応は、まるで海を泳いで命からがら渡ってくる難民の人々を、職員が“さすまた”で沖へ押し戻そうとする姿を連想させるようなもので、それは「水際作戦」と呼ばれていた。

 生活保護は、憲法25条によってすべての国民に約束されている「生存権」を保障する制度だ。その申請権はわれわれ全国民が有している。福祉事務所がその申請を阻むのは、れっきとした違法行為なのである。申請するには、明確な意思が伝わればそれでいい。広告の裏に、「生活保護を申請します」と書いて、日付と氏名を書いたものでもOK。その紙を受け取った福祉事務所は、速やかに審査、調査を行い、2週間以内に保護を決定するか却下するかを決めなくてはいけない。

 福祉事務所での闘いの火蓋は、最初の一歩目「申請」の段階から切って落とされる。

 あまり一般的には知られていないことなので、時代とともに変遷を遂げている水際作戦を紹介しよう。

💀自作の申請書を受け取らない。頑として受け取らないので、仕方なく申請書を窓口に置くと、まるで「触ったら死ぬ」みたいなリアクションで飛びすさり、なおも受け取らない。仕方がないのでそのまま置いて去ろうとすると、「遺失物として処理します!」と背中に叫ばれる。20年前くらいのエピソード。

💀さらなる福祉事務所の猛者に至っては、申請書を丸めて投げ返す。ここまでくると、手榴弾あつかい。こちらもバットかラケットを持参する必要があるかもしれない。同じく20年前に実際にあった話。

 さて、ここからは現代。

💀「住む家も所持金もありません」とやってきた相談者に「生活の相談にいらしたんですね」と優しく答える。当然、相談者は「はい」と答える。すると小一時間ほど話を聞いてくれ、「がんばってね」と励まし、追い返す。「申請」と明確に言わない限り使われるソフトだが相当に悪質な水際。「申請したいんですけど……」とおずおず切り出しても、「その相談にいらしたんですね」とかわされる。これは昔から今に至るまで、全国津々浦々の福祉事務所で使われている最も普遍的な方法なので知っておいてもらいたい。

💀前日泊まっていた地域の自治体の窓口に行ってください。
💀若い人は生活保護を受けられない。
💀住所の無い人は生活保護を受けられない。
💀住民票が当自治体にないと受けられない。
💀若い人は自立支援センター(生活保護ではない別の制度)に入ることになっている。
💀過去3ヶ月の給与明細がないと生活保護は受けられない。
💀「うちでは無理」と、近隣地域の自治体までの交通費を渡す。遠く青森から、あるいは静岡、兵庫県から、行く先々の自治体で500円を渡されて追い返され、少しずつ移動して東京にたどり着いた人を何人か知っている。

 生活保護の申請を希望する人に対して上記の対応をするのは「申請権の侵害」であり、ひとつ残らず法律違反である。

申請受理、しかし攻防はまだまだ続く

 支援団体や弁護士などが過去二十数年に渡り、熾烈な抗議と闘いを繰り広げた結果、さすがに今では最初の2例のようなワイルドな水際作戦は姿を消した。そのほかの作戦は今でも福祉事務所内で使われており、時代とともに巧妙かつ先鋭化している。

 さて、相談者が、その身に降りかかる上記のようなさまざまな難関を突破して第一歩目の「申請」をしたとしよう。しかし、追い返すためのあの手この手はまだまだ緩むことはない。ここで安心したら再び路上、ふりだしに戻る羽目になるから気は抜けない。

 申請は無事に受理されたとして、手続きは続く。その手続きの中で、すでに受理してしまった申請を、相談者みずから辞退するような働きかけが始まる。

💀「女性はみな、女性センターを経て婦人保護施設に入ってもらうことになっています。他の選択肢はありません」
 (集団生活を強いられ、門限や携帯電話の所持禁止など厳しい制限がある施設で、DVから逃げている方にとっては安全だが、そうでない人には不向き)
💀「住所の無い人はみな施設(無料低額宿泊所)に入ってもらうことになっている」
💀コロナ禍で東京都が準備したビジネスホテル(※)に「生活保護を利用する人は入れなくなった。そういう通知が(東京都から?)さっき出た」という存在しない公文書があるかのように語る大胆な虚偽説明(詳細は、前回記事の「5月13日(水)」参照)
💀家族からの暴力から逃げてきた人に対して、「家族に連絡する」
💀「うちの自治体では2週間で生活保護が決定することはほとんどない。受給開始まで1ヶ月は待つように」(その1ヶ月間、すでに所持金が尽きている相談者に提供されるのは白粥のレトルトパックや缶詰のみ)

※東京都は、緊急事態宣言発出に伴い、ネットカフェの営業自粛などで行き場を失った人たちを対象にビジネスホテルなどを一時宿泊施設として提供していた。現在は終了している

 上記は厳密には違法とは言えないが、きわめて不適切な対応例である(施設への入所の強要は生活保護法違反)。そして、効果もある。
 対人恐怖でさまざまな障害をお持ちの方で、「集団生活の施設で」と言われて生活保護申請を諦めた人、また渋々施設に入ってみたものの、たちまち他の入所者からカツアゲされ、食事も横取りされ、逃げだしてきた人を何人見たか分からない。
 暴力から逃げてきた人に対して、その加害者に連絡するのは、厚労省の通知に違反している。公務員がお上に盾突くとはいい度胸だ。本当のお上は区民(市民)だけど……。
 そして、相手が制度に詳しくないことをいいことに、虚偽の説明をし、「兵糧攻め」でもするみたいに、相談者の困窮状態をできる限り持続させるような嫌がらせをする自治体の悪質さといったら、言葉を失うほどだ。そんな職員たちは、自分たちに与えられた職務を誤解しすぎているので、人里離れた山奥で1ヶ月くらい一日一食の白粥とサバ缶だけ食べながら座禅でもして欲しい。そして自分の職務について考えて欲しい。

 さて、相談者がどんなに知識で武装して頑張ったとしても、福祉事務所には最後の魔法の言葉がある。
 「うちの自治体ではこれしかできません。他に選択肢はないです」
 そう断言されたら、相談者は諦めるしかないだろう。権力を握っているのは窓口の職員なのだから。福祉事務所職員は、相談者の前には圧倒的な権力者だということを知って欲しい。

福祉事務所職員の本分ってなんだっけ?

 所持金15円、仕事もない、2日前から水しか飲んでない。シャワーも浴びていない。
 ネットカフェ生活のため、所持品のすべては小さなリュック一つ。もう、死ぬか罪を犯して刑務所に入るしかない。そんな境地で相談にやってきた相談者と、カウンターの向こう(今はコロナ感染対策でアクリル板の向こう)の福祉事務所職員は対等だろうか?

 もちろん、対等ではない。本来は相談者の方が上なのである。何度でもいうが、公務員である職員は、我々区民(市民)に仕えるのが仕事だからだ。そのために税金からお給金が払われている。困っている人の命と生活を支えるために福祉事務所が存在し、職員たちが働いている。

 だが、実際は福祉事務所の職員が相談者の生殺与奪を文字通り握っていて、追い返したり、辞退するように仕向けたりしている。ひどい暴言を吐かれても、雑に扱われても、屈辱的な嘘をつかれても、じっと我慢するしかない。だって「生きる」を握られているのだから。職員は圧倒的な権力者なのだ。しかし、その権力に無自覚だったり、慣れ過ぎてしまったりすることが暴言、失言のひきがねとなる。

 「あなた、そんなにアパートに入りたいなら、なんで3年もネットカフェで暮らしていたんですか?」

 これは、40代のネットカフェ生活者に、ケースワーカーが職歴や成育歴などすべて把握したあとでぶつけた質問だ。ネットカフェ生活者の平均月収は11.4万円。そこから日々のネットカフェ代、食費、ロッカー代、シャワー代、スマホ通話代などを払う。アパートの初期費用なんて貯まるはずもないのに。そんなことも知らないのだろうか?

 「いっちゃなんだけど、あなた2ヶ月も路上で暮らしていたんでしょ」

 生活保護申請から決定までの2週間を5000円でしのげと、二十代の相談者にケースワーカー(CW)が言い放った言葉。

 福祉事務所の敷居をまたぐ以前から尊厳を失っている人達が、福祉事務所で更に踏みにじられる。となりにいる私も傷つくが、私は支援者という立場であるから尊厳は傷つかない。彼らは一体どれだけ傷つくだろう。そう思うだけで私の眉間の皺がどんどん深くなっていく。どうか、相談者にもっと配慮を、そして私にはボトックスを。

「自分一人で来たら絶対にダメでした」

 この見出しは、ある下町の福祉事務所で、次から次へとくり出される虚偽の説明や誘導との攻防の果てに、当時東京都が準備したビジネスホテルでの一時待機が決まった高齢者の言った言葉だ。

 加えて彼はこう言った。

 「こんなひどい目に遭うんだったら、早く生保(生活保護)を抜けたい」

 別の区では単独申請した男性が、とても親切な職員に対応してもらったと喜んでいたら、あれよあれよという間に自分の意思に反した無料低額宿泊所(無低)に連れていかれ、判を押せとせっつかれたところを振り切って逃げて来た。男性は、「図書館で生活保護について調べ尽して行ったのにダメだった」と肩を落とした。その後、公園で過ごした数日は死ぬことしか考えていなかったという。

 福祉事務所は、かつてから続けてきた水際作戦の技を日々磨いている。時には係長までが出て来てウソをつく始末。これでは、どんなに準備をして行っても太刀打ちはできまい。だって、決定権を握っているのは職員なんだから。だから、上下関係に与さない第三者を同行することが必要になるのだ。だけど、そもそもそれがおかしくないですか?

 かつて生活保護を利用したことがあり、私が尊敬する支援者の女性に言われたことが胸に刺さっている。

 「支援者は困ってる人を助けて気持ちいいだろうけど、相談者は傷ついている。私の時だって、私が言っても全然ダメなのに、同じことを弁護士が言ったらすんなり通る。同じことを言ってるのに!! 私はいったいなんなの?」

 胸に刺さる。私もそれは常に自覚しているつもりだ。私は福祉事務所をやりこめて気持ちよくなったこともない。たのむから、私が口を挟まなくていいように、法律通りにやってくださいといつも祈って座っている。同行支援なんて無くなればいいと願っている。
 なので、その言葉は福祉事務所に向けて打ち返したい。球が伸びるほどの大坂なおみスマッシュで。マスクに書くのは餓死や自殺をした名も無き人々だ、コノヤロー!

ひどい対応をしてしまう福祉事務所の都合

 とりあえず、この半年間で特に心に残った悪い対応例を書き連ねた。福祉事務所の窓口対応は、職員個人の問題というよりも、その自治体の方針だと確信している。区長や係長が変わるだけで、それまでの対応からガラリと変わるのも目の当たりにしてきた。
 困窮者支援窓口からビジネスホテルに避難していた87人もの人々を、ホテル延長ができることを伝えずに事実上追い出した自治体などは、これはもう組織的であるのが明白だ。詳しくはマガジン9での雨宮処凛さんのコラム第524回後半をご参照願いたい。

 さんざん、福祉事務所の対応を批判している私だが、ここで福祉事務所の立場を考えてみよう。

 福祉事務所の低いモラルや人権意識の背景には、公務員削減による負担増加も関係してはいる。現在、各自治体のケースワーカーが抱える件数は80世帯~120世帯。とても、一人ひとり丁寧にケースワークできる仕事量ではない。
 おまけに公務員の業務は、事務仕事が呆れるほどに多い(らしい)。人と向き合う時間より、紙と格闘する時間の方が多いのではないかと心配になるほどだ。対人援助は心も疲弊する。その上、とてもこなしきれないペーパーワーク。とにかく効率が命。そうでないと、深夜や週末にまで時間外労働が続く。

 増え続ける負担を軽減するために、公務員は増やせないから非正規雇用の職員に窓口対応をさせる。申請を受ければ抱えるケースが一件増えてしまう。できるだけ、受けて欲しくない。どうしても受けねばならないならば、保護費のほとんどを渡すのと引き換えに一括管理してくれる無低に入ってもらいたい。そこが劣悪環境なのも、貧困ビジネスなのも、脱税や委託費不正受給などで新聞沙汰になっているのも知っているが、他の選択肢は自分の仕事を増やすだけだから。申請は受けるけど、すぐにでも就労して抜けてもらいたい。相手に障害があろうが病気があろうか知ったことか。じゃないと、自分が壊れる。

 そんな感じで、福祉事務所の現場は現場で地獄なのだと聞いている。そしてそんな修羅場にあって、困窮者を蹴散らさない志高く、しっかり人と向き合いたいと願う職員こそが、組織の中で孤立し、疲弊して、燃え尽きてしまったりする傾向にある。なんという皮肉だろう。

 とは言え、福祉事務所内の人員不足や下請け業者or無低依存は役所の問題。どんな事情があろうとも、職務を放棄し、困窮者を追い返したり暴言吐いたりすることを正当化はできないと私は考えている。

批判することは、志ある職員の士気を下げるのか?

 日々の業務に忙殺されるがあまり、水際作戦の技を切磋琢磨する福祉事務所でも、掃きだめに鶴のような職員が点在することも書き残しておきたい。
 彼らは絶滅危惧種のホトケドジョウのように、あちこちの自治体にひっそりと生息している。環境汚染や温度(方針)の変化によってその数を激減させながらも、ひたむきに相談者の人権を最重視し、その人が抱える問題を何とか理解しようと労を惜しまず、嫌がることは決してせず、筆舌に尽くしがたいほどに困難を抱える相手であっても、どうにかして並走すべく知恵を絞り、走り回り、その人の命と生活を支える。
 ホトケドジョウを見分ける一番のポイントは、彼らは私たち支援者を敵視しないということだ。最初から、ともに相談者を支える「仲間」ととらえてくれる。それは、ホトケドジョウが自分の仕事削減とか、組織の方針とか、大人の事情とか、偏見とかに惑わされることなく、「相談者」のことだけを考えているからに他ならない。相談者には、支えるたくさんの人がいた方がいい、そう考えているからだ。
 「支援者と縁を切るなら、うちで生活保護を受けてもいい」なんて、口が裂けても言わない。
 そんな踏み絵を踏ませるようなことをする自治体が本当に実在するのだ。

 福祉事務所の対応のひどさを批判すると、「良心的な職員がやる気をなくす」とか「心が折れる」という声が上がることがある。
 まともなケースワーカーがいることは知っているし、今の環境を少しでも改善すべく闘っている人がいるのも知っている。しかし、批判しているような内容は、毎日毎日毎日、福祉事務所で起きていることだ。良心的な職員もいるからといって、福祉事務所の水際対応をチャラにすることにはできないし、批判をやめるべきとも思わない。

 私が福祉事務所を批判しているのは、肩身狭い思いをしながらひっそりと点在する、志あるワーカーたちを増やすためである。良いケースワークをデフォルトにしてもらうためである。決して良心的なワーカーをくじくためのものではない。
 そして、忘れてはならないのは、水際作戦には必ず犠牲者がいるということだ。悪いが、私は最も弱い立場に置かれた人達の深刻な被害に目をつぶることはできない。

これから生活保護を申請するあなたへ

 新型コロナウイルスの感染者が増えたり減ったりを続ける中、GO TOトラベルやらGO TO EATやらで街には人の流れが戻ってきている。
 しかし、支援団体に届くSOSは日を追うごとに増える一方。これまで特別定額給付金や、休業補償、貸付などをやりくりしながら必死に綱渡りをしてきた人たちが、半年経ったいま、力尽きているのではないか。

 政府は申請してから3ヶ月待ちのマイナンバーカードに莫大な広告費をかけたり、GO TOの旗振りをしたりする前に、まず「生活に困ったら躊躇なく生活保護を受けるように!」の旗振りをしなくちゃならないんじゃないのか? そして、福祉事務所に対しては、「今こそ大胆に引き受けよ! 水際したら減給」と通知を出すべきじゃないのか? かかっているのは、命だ。

 政府が何も言わないなら、不肖わたくしが声高に叫ぼう。
 「生活保護が恥」だなんて、そんな言葉は呪いだ。振り払え、塩をまけ。あなたの命は何よりも大事なかけがえのないもの。すごく大事なもの。長い人生、いつも順風満帆というわけでもない。困った時に寄りかかれるのが生活保護制度である。我慢して状況を悪化させる前に、ぜひ遠慮なく利用して欲しい。

 でも、福祉事務所に行っても追い払われるんでしょう? そんな恐怖に怖気づいてしまっているあなた。この国は、最近かなり雲行きが怪しくなってきてはいるが、一応法治国家である。法律はあなたの味方だ。これまで書いた内容を読んだ上で単独で臨むのなら、①広告の裏でもいいから、紙に生活保護申請をする旨、そして氏名、日付を明記したものを準備していくこと。そして、②スマホの録音機能を最大活用すること。テーブルの上に置いて違法行為の牽制に使うもよし、こっそり録音するもよし。

 そして、おかしいなと思ったら、法律家や私たち支援団体に連絡して欲しい。単独申請が不安なら、やはり私たち支援団体に連絡をして欲しい。大丈夫、あなたは一人ではない。

問い合わせ先:
つくろい東京ファンド:https://tsukuroi.tokyo/information/
新型コロナ災害緊急アクション:https://corona-kinkyu-action.com/sodan/

小林美穂子(こばやし・みほこ)一般社団法人「つくろい東京ファンド」スタッフ、カフェ「潮の路」コーディネーター。※カフェは4月から休業中。【写真右端が筆者。支援者メンバーと】

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小林美穂子
1968年生まれ。一般社団法人「つくろい東京ファンド」メンバー。支援を受けた人たちの居場所兼就労の場として設立された「カフェ潮の路」のコーディネーター(女将)。幼少期をアフリカ、インドネシアで過ごし、長じてニュージーランド、マレーシアで就労。ホテル業(NZ、マレーシア)→事務機器営業(マレーシア)→工業系通訳(栃木)→学生(上海)を経て、生活困窮者支援という、ちょっと変わった経歴の持ち主。空気は読まない。共著に『コロナ禍の東京を駆ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(岩波書店)。