もう一度、伝えたい言葉たち──マガ9アーカイブス「今の日本人はもう少し利口なはずだから」半藤一利さんインタビュー(2007年3月28日)

2005年に「マガジン9条」としてスタートしたマガジン9。その17年のアーカイブから、編集部スタッフが「もう一度読んでもらいたい」と思う厳選コンテンツと、そこから選んだ「伝えたい言葉」を、折に触れてご紹介していきます。社会の状況や空気は変わっても変わらないこと、気づかないうちに変わってしまっていること……「このときはそうだったっけ」と思い返したり、「今も全然変わらないな」と驚いたり、立ち止まって振り返ってみることの意味は小さくないと思います。「いいな」「共感できるな」と思う言葉があったら、ぜひ全文を読んでみてください。

 『日本のいちばん長い日』、『ノモンハンの夏』、そして『昭和史』など、埋もれていた近現代史に光を当てた著作を多数遺した作家の半藤一利さん。2007年に登場いただいたインタビューでは、改正教育基本法が施行、防衛庁が防衛省になり、「共謀罪」を創設する法案が出され……と、数多くの変化が起こっていた第一次安倍政権下の当時の状況を「昭和初期、戦前とよく似ている」と指摘されていました。その一方で、「今の日本人はもう少し利口なはずだから」、同じように道を誤ることはないのではないか、とも。希望と、私たちへの励ましを込めた言葉だったのかもしれません。
 半藤さんはそれから14年後、2021年に亡くなられました。同じ言葉を、今の私たちはかけてもらえるだろうか。そう自問自答しています。現代と戦前のどこが「似ている」のか、そして半藤さんご自身の戦争体験についても、インタビューの中でくわしく語っていただいていますので、ぜひ全文をお読みください。

今の日本人はもう少し利口なはずだから、昭和8年から10年当時とは違って判断をそんなに誤らないだろうと。

──半藤一利さん(作家)のインタビューより(2007年3月28日)

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