みんなの声がきちんと反映される地方議会に! 杉並区から始める「選挙のフェミナイゼーション」

2023年は統一地方選挙の年。しかし、投票率は年々右肩下がり。自分たちの暮らす地域のことを決めている地方議会ですが、「議員の顔ぶれもよくわからない」という人も少なくないのではないでしょうか。
そんな状況を変え、「住民の声がきちんと反映される区議会にしていきたい」と、住民参加型の区長選で注目された杉並区(東京)から、さまざまなバックグラウンドをもつ4人の新人女性が立ち上がりました。「少し前まで自分が挑戦することは考えていなかった」という4人。それぞれの決意の理由、政党の違いを超えて手を取り合い目指すものとは……。

小池めぐみ(こいけ・めぐみ)さん 1982年、栃木県生まれ。早稲田大学第一文学部を中退。図書館でNPO職員(図書館司書補)として働いていたが指定管理者制度で職を失い、非正規雇用を転々とする。現在は英語教室講師と障がい者の訪問介護に従事。

寺田陽香(てらだ・はるか)さん 1987年、群馬県生まれ。国際基督教大学を中退し、アルバイトをかけもちしながらパンクロックの音楽活動を行う。23歳のときに東日本大震災と福島第一原発事故があり、反原発のために初めてデモに参加。保育士資格を取得し、杉並区内の私立保育園に勤務。

ブランシャー明日香(ブランシャー・あすか)さん 1973年長崎県生まれ。カナダ・ヨーク大学卒業。会社勤務を経て、2019年に杉並区内でエコロジーカフェ「カワセミピプレット」を開店。カフェを拠点に地域で環境問題のワークショップや勉強会を行う。ゼロカーボンシティ杉並の会共同代表。

渡辺ゆきこ(わたなべ・ゆきこ)さん 東京都杉並区生まれ。10代の頃から、労働者のまち・山谷をはじめ杉並区内外で貧困やくらし課題解決のため活動を行う。孤立しやすい高齢者世帯と行政をつなぐ生活サポート業務、複数の消費者団体の役員など、それぞれ10年以上務める。都政を考える「希望のまち東京をつくる会」の事務局長、貧困問題に取り組む「一般社団法人反貧困ネットワーク」役員ほか。

背景の違う4人が地域でつながるまで

――杉並区といえば、2021年の衆院選では野党共闘候補だった立憲民主党公認の吉田はるみさんが東京8区で当選し、昨年の区長選挙では岸本聡子さんが女性初区長となり、住民主体の選挙運動が注目されました。みなさんは地域での選挙運動でつながった仲間でもあるそうですね。まずは自己紹介と地域での選挙運動に関わったきっかけについて教えていただけますか?

寺田 私は私立保育園で保育士をしています。20代のときは「自由に生きたい」と思い、パンクロックを軸足にドラマーとして音楽活動をしていました。政治に関心を持ったのは3・11がきっかけで、そのときに初めて反原発デモにも参加。大人として次の世代にどんな未来を残せるのか、しっかり考えて行動しなくてはいけないと思いました。
 2015年の安保関連法のときにもデモに参加しましたが、そのときに目にしたのが、いい大人たちがきちんと話し合いもせず強行採決する姿。保育士になったのは、自分も相手も尊重しながら話し合いができる社会をつくるには、やっぱり教育が大切だと感じたからです。
 杉並区では、昨年の区長選より前、2017年の衆議院選挙のときから野党共闘候補を当選させようと、地域の人たちと一緒に活動してきました。渡辺さんと私はそのときからの知り合いです。

ブランシャー 出身が長崎県の自然豊かなところだったこともあって、若い頃から環境のことに関心がありました。結婚して子どもを産んだあとに3・11があって、脱原発運動に関わり、食や農、子育ての面からも環境問題のことが避けて通れないほど自分の中で大きくなったんですね。もともと会社員でしたが、3年前に杉並区でカフェを開き、地域のみなさんに気候変動や環境問題を知ってもらう場をつくっています。
 私の場合は、最初は「政治的なこと」とは一歩距離を置いていて、脱プラスチックやゴミゼロなど身近な運動を地域で広げる活動をしていました。でも、もっと真剣に気候危機の課題に取り組まなくては間に合わないという危機感がありました。そのときに環境活動家でもある岸本さんが区長選に立候補されることを知ったんです。岸本さんは環境活動家でもあるし、ゼロカーボンシティの実現にも関心をもっていて、「この人がリーダーになってくれたら、杉並は変わる」と期待しました。

ブランシャー明日香さん

小池 栃木県が地元なのですが、保守的な土地柄で家父長的な雰囲気の強い環境で育ちました。家でも学校でも「女の子はこうあるべき」というのがあって、「なんで?」と思うことばかりで生きにくかった。東京なら違うかと思って大学進学で上京しましたが、結局息苦しさは変わりませんでした。
 杉並区に住み始めたのは22歳のときで、好きな人が高円寺に住んでいたからでした(笑)。その人と結婚して子どもを産み、ずっと高円寺で暮らしています。どんな人でも受け入れてくれる自由な雰囲気のある地域で居心地がよかったんですよね。
 でも、私の子育てはちょうど前杉並区長の時代である田中区政(3期12年)とほぼ重なっていたんです。保育園が民間委託になり、息子の通っていた小学校が統廃合でなくなり、児童館も閉館して民営の学校内学童クラブと放課後等居場所事業になって、これはおかしいと感じていました。でも、昨年の区長選までは、どこで同じ思いの人と出会えるのかわかりませんでした。

渡辺 私は生まれも育ちも杉並です。「希望のまち東京をつくる会」や生活困窮者支援を行う「一般社団法人反貧困ネットワーク」の事務局などもしていて、暮らしに困っている人を支援する活動を10代のときから続けています。
 地域でも、子どもの父母会、小中学校のPTA会長、町内会や消防団などさまざまな活動に関わってきました。そのなかで気づいたのは、保育園の民営化や児童館の閉鎖、再開発など共通する問題が区内各地で起きているのに、それぞれの地域住民がバラバラに活動していることでした。杉並区といっても広いので、お互いにほかの地域のことはよくわからないんですよね。
 そうした問題の背景にあったのは「住民たちが反対の声を上げても、無視して政策を進める」という前区政の姿勢でした。そこで、2017年10月に地域連携をつくろうと「杉並の問題をみんなで考える会」(考える会)を設立して、2018年の区長選のときにも続投を目指す前区長の対立候補を応援しました。残念ながら結果はうまくいかなかったのですが…。

暮らしの課題と政治はつながっている

――「考える会」のように、地域の住民同士が問題意識を共有できる場があると、暮らしの課題と政治がつながりやすくなりますね。そこから選挙運動にもつながっていったということでしょうか。

渡辺 そうですね。そもそも杉並区は女性たちによる原水爆禁止署名運動(※)が始まった地域でもあり、長い市民運動の歴史や土台があることも大きいと思います。長く市民運動をされてきた方たちが地域のなかにはたくさんいらっしゃいます。

※1954年の第五福竜丸のビキニ環礁での被ばくを受けて、杉並区の女性たちを中心に原水爆の製造・使用・実験の禁止を求める署名呼び掛けが始まり、全国へと運動が広がった

渡辺ゆきこさん

寺田 2021年の衆議院選挙では野党共闘候補だった吉田はるみさんを応援しましたが、吉田さんは自民党の大物議員を破って当選しました。この勢いを区長選にもつなげようと、「住民思いの杉並区長をつくる会」(住民思いの会)を立ち上げたのが22年1月末です。
 その時点では、まだ候補者は決まっていませんでしたが、住民自身がそれぞれの関心のある分野別に政策を出し合い、その思いを共有できる候補者を探していったのです。そのなかで岸本さんとの出会いがありました。

小池 私は、さっきもお話ししたように、区長選まで地域の市民運動に参加したことはまったくなかったんです。児童館閉鎖のことなどはツイッターで個人的につぶやいていましたが、子どもの学校にバレないように本名ではなくニックネームを使っていました。
 そうしたら、それを「考える会」とか「住民思いの会」がリツイートしてくれて、「地域にこんな会があるんだ」と初めて知ったんです。同じ気持ちの人が杉並にもこんなにいたんだ、やっと仲間に出会えたと勇気づけられました。
 その「住民思いの会」のSNSを通じて、区長選で岸本さんを擁立したことも知りました。私自身、公立図書館で図書館司書補の仕事をしていたときに、指定管理者制度によって民間の委託先が変わったために失職して、非正規の仕事を転々とした経験があります。だから、再公営化や「公共の再生」を訴える岸本さんの話には、自分ごととして共感するものがあったんです。

寺田 昨年の区長選では、長く市民運動を続けてきた人、これまで政治にはまったく関心がなく期待もしていなかったという人、年齢も背景もさまざまな人たちが一緒になって岸本さんを応援しました。私より年上で市民運動をずっとやってきた女性たちも「若い人がどんどん意見を言いなさい」と背中を押してくれて、同じ地域に暮らす者同士なのだから対等に話し合いましょう、と新しい人たちも入りやすい雰囲気を積極的につくってくれたのも大きかったと思います。

寺田陽香さん

2週間立ち続けた「ひとり街宣」の理由

ブランシャー 私は区長選のときはお店もあったし、家も遠かったので、時間的にはあまり応援に関われなかったのですが、「ミュニシパリズム」の歌をつくって動画をシェアするなどしました。めい(小池)さんは、「ひとり街宣」を頑張っていたよね。

小池 そうそう。岸本さんのサポーターが駅前に立って応援を呼びかける「ひとり街宣」を、みんなで手分けして区内全駅で実現したんですよ。最初は一日だけのつもりだったのですが、2週間立ち続けて、最後は喉がガラガラになりました。
 そこまでしたのは、息子が通っていた小学校が廃校になるという話が出たときに、「学校がなくなるのはいやだ」と子どもたちが学校で署名を集めようとしたのですが、学校から止められたことがあったんです。校長室に呼ばれた子どもたちはすごく萎縮していました。結局学校は廃校になって、そのときに私は何もしてやれなかったという罪悪感がずっとありました。

小池めぐみさん

寺田 自分たちで署名を集めるなんて、それこそ主権者教育のいい機会なのに。どうしてダメなんだろうね。

ブランシャー 私は夫がフランス人なので、フランスに行くことも多いのですが、フランスと日本では「民主主義」の意味やデモに対する考え方が全然違うんですよね。とくに日本の主権者教育は変えていく必要があるなと思います。

小池 いつも政治は「これに決まった」というだけで、どうしてそうなったのか、なぜ私たちが反対なのかということにはリーチしてくれないんですよね。区長選を通じて地域のいろいろな課題のことも学んだし、毎日駅前で「こんな区政はおかしい」と話しているうちに、自分の住む杉並が壊されていくのはもう嫌だ、絶対変えたいという気持ちがどんどんふくらみました。

応援する側から、自分がチャレンジする側へ

――今度の統一地方選挙では、みなさん4人全員が初めての挑戦をしようとされています。誰かの選挙を応援するのと、ご自身が挑戦するのでは、大きな違いがあるのではないかと思うのですが、決断は大変ではなかったですか?

寺田 本当は、次の区議選でも応援側に回るつもりでいましたが、岸本さん就任後の区議会を傍聴して、「区長が変わっても議会がまだまだひどすぎる……」と絶望しました。議会を一回でも傍聴したら、見なかったことにはできなくなると思います。
 やっぱり首長が変わっただけではだめなんですよね。議会も変えていかないといけない。でも、それってすごく大変なことじゃないですか。そんな大仕事を誰かに押しつけているだけでいいのかなって。
 保育士の仕事は好きだから辞めたくないし、いま保育士自体が少ないので職場を離れることへの申し訳なさや葛藤がすごくあります。でも、自分が挑戦することで、保育や介護の現場からもっと議会に人が出るようになったらいいし、現場の声を政治に届けたいという思いがあるんです。

小池 私も去年初めて区議会を傍聴しましたが、理事者(議会に説明者として出席する、区長、部長など行政を執行している人)はスーツ姿の男性ばかり。杉並区議会には女性議員も割といるのですが、正直言って、平場で生活している女性たちの声を拾えるのか、困っている人たちの視点を持っているのだろうか、という疑問をもちました。

渡辺 私はこれまで「議員になってもらいたい」と思う人の選挙を手伝ってきたのですが、自分自身が表に出ることはありませんでした。ですが、貧困や格差の問題に市民運動として取り組むなかで、やはり制度や条例を変えていかなければ解決できない壁があることを身にしみて感じてきました。それなら自分の経験を生かして、区政から社会を変えていくことができるのではないかと決意しました。
 もちろん岸本さんが考える区政を応援したい気持ちもありますが、首長と議員は対等な立場として、よりよい地域をつくるために議論していくことも必要だと思っています。

小池 私は渡辺さんのように市民運動をずっとやってきたわけでもなくて、この区長選から数ヶ月の間に赤ん坊が大人になったくらい、一気にいろいろなことを学びました。岸本さんの選挙応援に出会うまでは、政治や社会に対して声を上げることも、それで何かが変わるとも思っていませんでした。さっき主権者教育の話がありましたが、私たちは一人ひとりに声を上げる権利があることを教わってこなかったですよね。
 でも、岸本さんの選挙で、少しでも声を上げたり行動したりすることで、ちゃんと変化が起きるんだということを強烈な形で目の当たりにしました。自分は無力ではないと実感することができたから、自分がチャレンジするのも自然な流れだったんです。

寺田 私たちも、区長選を応援しているときから「めいさんは議員に向いているよ」って話していたんだよね(笑)。

ブランシャー 私は緑の党からチャレンジを打診されたのですが、「カフェのこともあるし、お金もかかるし…」とモヤモヤ迷っていたら、めいさんが超派手な服を着て「共産党から出る!」って宣言したんです。それで「すごい! おもしろそう! これは投票率をあげられるかもしれない」と勇気をもらいました。(寺田)はるかさんも立憲民主党からチャレンジすると聞いて、仲間二人に背中を押された感じでしたね。杉並区で住民自治を目指す機運が高まっていたし、私もそこに参加したいと思いました。
 それに、選挙運動そのものが気候危機について知ってもらえる絶好のチャンスでもあるんですよね。これまでカフェの中だけで話していた気候危機の話を、街頭でたくさんの人たちに向かって正々堂々と伝えることができる。街のあちこちで多くの人と直接対話できる。よく考えてみたら、こんな機会はめったにありません。

今回の座談会は、カフェ「カワセミピプレット」にて

地方議会を「住民のもの」にしていくために

――寺田さんは立憲民主党、ブランシャーさんは緑の党、小池さんは共産党、そして渡辺さんは無所属(社民党、新社民党推薦)とそれぞれ違いますよね。普通に考えれば、選挙ではライバル同士ということになります。

小池 この前、私が街宣をしているときに、明日香さんも駅の反対側で街宣をしていたので一緒にマイクを持ったんですよ。そういう行動を広げていきたい。もちろん、それぞれに関心の違うところはありますが、「地域をよくしたい」という思いで共有できるところもたくさんある。
 これまで区政に興味がなかった人にどう興味をもってもらうのか、もっと多様な意見を取り入れていくのかと考えたときに、共有できる部分があるならみんなで協力したほうがいい。党派を超えて同じ住民として力を合わせたことで、7政党の推薦を受けた岸本区長が誕生しました。ですから、党派を超えてできることは一緒にやっていきたい。区議選でも「さすが杉並」って言わせたいです。

寺田 地方議会を、「政党でなく住民のもの」にしていくためには、選挙の段階から一つにつながって、別々の党派の議員であっても依って立つ根っこは同じであることを示したいと私たちは思っているんです。


ブランシャー もちろん仲間が複数人立つことで、票が割れて共倒れになるという心配もあります。そこは悩みましたよね。でも、それよりも区長選を一緒に戦った私と同じ普通の市民が「今度は自分たちが区議会へ」と立ち上がるなんてすばらしいこと。いろいろな政党や無所属の女性たちが一斉に出て草の根から社会を変える。それが一つのムーブメントになったらすごいですよね。

小池 うん、すごい! 政治を身近なものにするために、変えていかないといけない部分がたくさんある。とくに国政はそうだけど、議員がエリートばかり、世襲ばかりではおかしい。いろいろな人がいる「私たちの代表」というふうに身近に思ってもらえるようにしないと、選挙の時だけ姿を見せても「誰?」ってなる。地域の自治なのだから、もっと若い人、女性を議員に増やしていって敷居を低くしたい。まだまだ23区でも女性区長は3人だけ。政治から変えていかないと、企業のなかでも管理職の女性が増えていかないと思う。

寺田 地方議会は、そこに住んでいる人たちが自治をしていく仕組みなのだから、よく考えたら党派で分かれて議会構成されているのも変だと思うんですよ。
 本当は、いまの仕事も続けながら議員ができるような仕組みになったらいいですよね。そのほうが、本当の意味でさまざまな立場の住民の声が反映される。PTAやマンション管理組合の役員みたいに、みんなで回り持ちして、とにかく1回はみんなが自分の地域で議員をやるくらいになればいい。

選挙や政治を、もっとポジティブに!

ブランシャー 私たち4人は、世代は違うけどそれぞれに日本で生きる女性の大変さを経験してきてここにいる。政治における女性参加が少なすぎる状況を、私たちのような「普通の人たち」が地方議会にチャレンジして参加していくことで、変えていきたい。
 まず目指すのは投票率を上げることです。ツイッターでお互いにエールを送るとか、一緒に街宣するとか、私たちが連帯してポジティブな動きをつくれれば、ほかの女性たちの参考にもなると思います。

寺田 選挙ってうるさいばっかり、と思ってる人も多いんじゃないかなって。選挙にまつわる変な決まり、おかしな法律も見直していく必要があると感じています。

小池 「投票に行っても意味がない」と思ってきた人たちに、選挙をポジティブに感じられるような発信をしていきたいよね。これまでの政治にいいイメージがないから、若者は政治離れするか、あるいは右傾化していってしまう。そのことが怖いし、それは私たち世代の責任でもあると思います。面白そう、新しいことが始まりそう、っていう希望を感じて投票に行ってほしいです。

渡辺 そうはいっても、選挙が近づいたらお互いに目の色が変わったりして(笑)。やっぱり、そういう部分も選挙にはあるとは思います。でも、選挙の「勝ち負け」ばかりが注目されるけれど、当選することがゴールじゃなくて、本当に大事なのは「その先に何を実現するか」なんですよね。そのために党派にこだわらず手を取り合うのは大事だと思う。私があえて無所属を選んだのは横の連帯をつくっていきたいから。ここにいる4人とはいっしょに議会でも活躍したいです。

ブランシャー 岸本さんはよく「政治のフェミナイゼーション(女性化)」という言葉を使うでしょう。競争や対立でなく、共生やケアを大切にする価値観がこれからの政治には必要。私は杉並区で「選挙のフェミナイゼーション」も実現したい。
 選挙は勝ち負けの仕組みではあるんだけど、そのなかでもお互いに高め合うとか、包摂し合うことがあってもいい。票のとりあいに終始する選挙のあり方に一石を投じたいんです。それが杉並区で実現できたら、結果はどうであれ「私たちもこういう選挙をやってみよう」と思う人が出てくるかもしれない。
 私は「ステップアップ市民力」と呼んでいるのですが、1から100にジャンプするようにいきなり住民自治の世の中が実現できるとは思っていません。一歩ずつステップアップして未来に進んでいくしかない。まだまだ手探りだけど、杉並から新たな希望をつくっていきたいです。

(構成/マガジン9)

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