鈴木邦男さん、ありがとうございました(マガジン9編集部)

 マガジン9に長年、コラム「愛国問答」を連載いただいていた鈴木邦男さんが今年1月11日、亡くなられました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 鈴木さんと初めてお会いしたのは、2007年夏のこと。「この人に聞きたい」のインタビュー取材をお願いし、都内の喫茶店で待ち合わせたのでした。
 「右翼の大物」というイメージに、かなり緊張しながら向かったのですが、実際にお会いしたた鈴木さんは、拍子抜けするほど(すみません)穏やかな方。「自主憲法の制定」を目指す「改憲派」だとおっしゃる一方、「愛国なんて、誰かに押しつけられるものではないですよ」「占領下でつくられた憲法でも、自由のない自主憲法よりはるかにいい」など、その主張には私たちと共通するところがたくさんありました。
 もっとお話を聞きたい、読みたい! ということで、翌年から連載コラム「愛国問答」がスタート。200回以上を重ねる長期連載になりました。
 それ以外でも、さまざまな方と対談をしていただいたり、「マガ9学校」の講師やゲストとしても、数え切れないほど登壇いただきました。打ち上げや忘年会の席にも何度もお越しいただきましたが、いつも誰かの隣で、興味深そうに話を聞いておられた姿が印象に残っています。「右翼」「左翼」といったカテゴリにとらわれず(実はご自身も「『右翼』と自称したことはないんです」とおっしゃっていました)、いろんな人の話を聞こうとする鈴木さんだからこそ、その周囲にはいつもたくさんの人がいたのだと思います。

 鈴木さん、本当にありがとうございました。もうお会いできないのは寂しいですが、遺していただいた言葉はたくさんあります。改めてここでご紹介して、たくさんの方に読んでいただこうと思います。

※タイトルイラストは連載「鈴木邦男の愛国問答」より

●この人に聞きたい 鈴木邦男さんに聞いた
(その1)右翼運動と日本国憲法
http://www.magazine9.jp/interv/kunio/kunio1.php
(その2)愛国とは、強要されるものじゃない
http://www.magazine9.jp/interv/kunio/kunio2.php
「マガ9」初登場のインタビュー。「日本一の愛国者」だからこその「愛国心」についてのお話に、頷くことしきりでした。

●連載コラム「鈴木邦男の愛国問答」
https://maga9.jp/category/kunio/
「会いたい人に会いに行く」というキャッチフレーズどおり、好奇心のまま、忙しく飛び回る鈴木さんの日常から生まれた連載コラム。愛国心、憲法、日の丸・君が代、死刑制度、領土問題…多彩なテーマが展開されていました。

●マガ9対談 鈴木邦男さん×中島岳志さん「新右翼×リベラル保守」
http://www.magazine9.jp/article/taidan/6158/
政治学者・中島岳志さんとの「初顔合わせ」だった対談。お2人の圧倒的な知識量と弾み続ける話題に、ついていくのに必死だった(むしろついていけなかった)記憶が……。

●マガ9対談 鈴木邦男さん×想田和弘さん「この国はどこへ向かっていくのか」
http://www.magazine9.jp/taidan/016/index1.php
映画『選挙2』公開に合わせ、「どなたか対談したい方はいらっしゃいますか?」と想田さんにお聞きしたら、「鈴木邦男さん」と即答。ということで実現した対談、鈴木さんの「実は右翼と自称したことはない」発言に驚かされたのでした。

●この人に聞きたい 中村真夕さんに聞いた:「鈴木邦男」の生き方から、本当の民主主義が見える
https://maga9.jp/200129-1-2/
邦男さんに密着取材したドキュメンタリー映画『愛国者に気をつけろ!』の監督インタビュー。なぜ「鈴木邦男」を撮ろうと思ったのか? をお聞きしました。映画もDVDで見られるようです。

 (西村リユ)

 

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