2005年に「マガジン9条」としてスタートしたマガジン9。その19年のアーカイブから、編集部スタッフが「もう一度読んでもらいたい」と思う厳選コンテンツと、そこから選んだ「伝えたい言葉」を、折に触れてご紹介していきます。社会の状況や空気は変わっても変わらないこと、気づかないうちに変わってしまっていること……「このときはそうだったっけ」と思い返したり、「今も全然変わらないな」と驚いたり、立ち止まって振り返ってみることの意味は小さくないと思います。「いいな」「共感できるな」と思う言葉があったら、ぜひ全文を読んでみてください。
2024年3月14日、札幌高裁が、同性婚を認めない民法などの規定は憲法14条、24条に違反すると述べる判決を出しました。同性カップルの原告らが国を訴えた裁判で、同様の訴訟が全国で行われていますが、高裁で違憲判決が出たのはこれが初めて。早急な法整備に結び付くことを願います。
もう5年以上前になりますが、弁護士同性カップルの日常を追ったドキュメンタリー映画『愛と法』(戸田ひかる監督)が公開されたときに、映画の主人公の一人である南和行さんにお話をうかがいました。
同性パートナーとともに暮らし、挙式もされた南さん。「同性婚」についてお聞きしたときに、下記のようにおっしゃっていたのがとても印象的でした。「多様な家族のあり方」でいえば、夫婦の「姓」をめぐっても、別姓を認めず同姓を強制する民法の規定は違憲だと訴える訴訟が今年3月、新たに始まっています。いろんな場面で、「私も幸せ、あなたも幸せ、みんなも幸せ」な道を、社会全体で探っていければ、と改めて思います。
多様な家族のあり方や人の考え方を認めて、私も幸せ、あなたも幸せ、みんなも幸せ。そういう道を行くことが、そんなにシンドイですか? と言いたいです。
──南和行さん(弁護士)のインタビューより(2018年9月26日)
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