自民党総裁選が終わったと思ったら、国会での議論もほとんどないままに解散総選挙。投開票日がすぐそこまで迫っています。
自民党は大きな批判を集めた「裏金」問題に関与した議員について、今回の選挙で公認をしないなどの措置を決めましたが、対象になったのはほんの一部。同じく批判された「統一協会」との関係性なども明らかになっていないままです。
振り返ると近年の政治は、「政策や事件、政府の対応に対して批判の声が上がる」→「きちんとした説明や再発防止策もないままずるずると時間が過ぎる」→「なんとなくうやむやになり、関心が薄れる」→「選挙では争点にならないまま、なんとなく与党が勝つ」→「そしてまた新たに問題が起こる」……の繰り返しだったように思います。政治家たちも、「どうせ喉元過ぎれば…」と高をくくっているのではないでしょうか。
石破首相が、非公認議員が今回の選挙で当選すれば「追加公認することはあり得る」と述べた(10月9日党首討論)ように、選挙の結果によってはまたしても「みそぎが済んだ」として、いろんなことが「なかったこと」にされてしまうのかもしれません。
もちろん、すべての問題に関心を持ち続けることはできませんが、せめてたくさんの人が「おかしい」と感じたはずのいろんな問題を、「なかったこと」にはしたくない。その「おかしい」という思いを、選挙の結果に少しでも反映させたいと思います。
2024年衆院選の争点にしたい、あんな問題があったことをしっかり指摘しておきたい、そんなあれこれを「#なかったことにさせない」のタグとともにつぶやきませんか。このページで随時、皆さんの声もピックアップして掲載していきたいと思っています(すべてを掲載するわけではありません)。
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●安保法制強行採決(2015年)
多くの専門家が「憲法9条違反だ」と指摘し、「反対」を叫ぶたくさんの人が国会前に集ったにもかかわらず、無理矢理採決されてしまった安保法制。今思い出しても怒りがわいてくるし、あそこから政権の「憲法無視」がますます加速したような気がしています。
●選択的夫婦別姓の導入を否定
これは「やったこと」ではなく「やらなかったこと」ですが……。経済界からさえ「必要」の声が強まり、世論調査では半分以上が「賛成」、それでも政府は「時期尚早」だと導入にブレーキをかけ続けてきました。それに対して何も与党内で声をあげてこなかったにもかかわらず、なぜか総裁選で「導入を」と言い出す候補がいるのを見て、これも「備忘」しておかなきゃ、と思いました。
●武器装備移転三原則(2014年)と運用指針の改正(2023年、2024年)
2014年4月の第二次安倍内閣時に「武器輸出三原則」を廃止して「武器装備移転三原則」が国家安全保障会議と閣議で決定されました。さらに2023年12月の改正を経て、一定の要件を満たせば日本は殺傷能力がある武器や弾薬の完成品を輸出できることになりました。さらに今年3月には、日英伊の共同開発による次期主力戦闘機を「紛争当事国を除外する」としつつも、開発当事国以外の国にも輸出できるよう閣議決定。防衛省は、日本で製造した迎撃ミサイルをアメリカに移転する契約を締結しています。「えっ、恒久平和主義はどこに行ったの!?」。こんなに大事なことが勝手に決められていったことに強い憤りを感じます。
●インボイス制度導入(2023年)
インボイス事業者になれば、年間何十万単位の負担増&事務負担倍増。フリーランスで働く身にとっては切実です。数年後には経過措置も終了、果たしてこのまま仕事を続けていけるのか……と、不安しかありません。
●統一協会との関係
9月17日のTBS「news23」で、自民党総裁候補9人が「統一協会の問題についての再調査」の意志を問われ、全員が無言になったそう。この問題も「なかったこと」にさせたくない!