#なかったことにさせない 未来のための備忘録

 自民党総裁選で連日ニュースが盛り上がる中、一部世論調査では岸田内閣の支持率が30%台半ばにまで上昇。大きな批判を集めたはずの「選挙とお金」の問題は、総裁選でもほとんど言及されないまま、うやむやになっていくのかと不安を感じます。

 それだけではありません。ここ数年、国会での議論すらなしに、私たちの未来を決める重要な政策がいつのまにか「決定事項」になっていた、なんていうことが何度もありました。もちろん一時は批判の声が上がるものの、十分な説明はなされないまま、選挙でもほとんど争点にはならず、与党が勝ち続ける……。そんなことが繰り返されています。政治家たちも「どうせ喉元過ぎれば…」と思っているのではないでしょうか。

 自民党総裁選後には解散総選挙との声もありますが、どうしたら、この「繰り返し」を止められるのか。その一つの試みとして、私が、あなたが、「怒った」「困った」「おかしいと感じた」あの問題やこの出来事を、次の選挙に向けてここに書き留め、何度でも見返したいと思います(詳しくはこちら)。
 まずは、マガ9スタッフから、いくつか集めたものを紹介します。皆さんも、ぜひ「#なかったことにさせない」のタグを付けて、SNSでつぶやいてみませんか。このページで随時、皆さんの声をピックアップして掲載していきたいと思っています(すべてを掲載するわけではありません)。

●安保法制強行採決(2015年)

 多くの専門家が「憲法9条違反だ」と指摘し、「反対」を叫ぶたくさんの人が国会前に集ったにもかかわらず、無理矢理採決されてしまった安保法制。今思い出しても怒りがわいてくるし、あそこから政権の「憲法無視」がますます加速したような気がしています。

●選択的夫婦別姓の導入を否定

 これは「やったこと」ではなく「やらなかったこと」ですが……。経済界からさえ「必要」の声が強まり、世論調査では半分以上が「賛成」、それでも政府は「時期尚早」だと導入にブレーキをかけ続けてきました。それに対して何も与党内で声をあげてこなかったにもかかわらず、なぜか総裁選で「導入を」と言い出す候補がいるのを見て、これも「備忘」しておかなきゃ、と思いました。

●武器装備移転三原則(2014年)と運用指針の改正(2023年、2024年)

 2014年4月の第二次安倍内閣時に「武器輸出三原則」を廃止して「武器装備移転三原則」が国家安全保障会議と閣議で決定されました。さらに2023年12月の改正を経て、一定の要件を満たせば日本は殺傷能力がある武器や弾薬の完成品を輸出できることになりました。さらに今年3月には、日英伊の共同開発による次期主力戦闘機を「紛争当事国を除外する」としつつも、開発当事国以外の国にも輸出できるよう閣議決定。防衛省は、日本で製造した迎撃ミサイルをアメリカに移転する契約を締結しています。「えっ、恒久平和主義はどこに行ったの!?」。こんなに大事なことが勝手に決められていったことに強い憤りを感じます。

●インボイス制度導入(2023年)

 インボイス事業者になれば、年間何十万単位の負担増&事務負担倍増。フリーランスで働く身にとっては切実です。数年後には経過措置も終了、果たしてこのまま仕事を続けていけるのか……と、不安しかありません。

●統一協会との関係

9月17日のTBS「news23」で、自民党総裁候補9人が「統一協会の問題についての再調査」の意志を問われ、全員が無言になったそう。この問題も「なかったこと」にさせたくない! 

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