2024年11月26日
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想田和弘

想田和弘
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想田和弘(そうだ かずひろ):映画作家。1970年、栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒業。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業。BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。最新作『五香宮の猫』(2024年)まで11本の長編ドキュメンタリー作品を発表、国内外の映画賞を多数受賞してきた。2021年、27年間住んだ米国ニューヨークから岡山県瀬戸内市牛窓へ移住。『観察する男』(ミシマ社)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)など著書も多数。

第102回:四度目の緊急事態宣言。仏の顔も三度まで。(想田和弘)

コロナ禍のなか、東京で4度目の緊急事態宣言が出された。今も発令中の原子力緊急事態宣言を気にかけている人がほとんどいないことからもわかるように、緊急事態が長く続くと日常化してしまう。したがって宣言をすること自体の意味が薄くなる。し…

第101回:コロナ禍を「地方」から眺めると(想田和弘)

コロナ禍が生じて、一年以上が経過しつつある。去年の3月下旬、ロックダウンが始まったばかりのニューヨークから、『精神0』のキャンペーンと劇場公開のため東京へ赴いた。しかし、まもなく東京でも緊急事態宣言が発令された。キャンペーン用の…

第100回:「夫婦別姓確認訴訟」判決 僕らが控訴しなかった理由と「今後」(想田和弘)

4月21日、僕と柏木規与子が原告である「夫婦別姓確認訴訟」の判決が、東京地裁で出された。判決文で裁判所は、僕と柏木が別姓のままニューヨーク市で行なった婚姻が、日本国内でも「成立していると解するほかない」と断じた。僕らの別姓結婚が「…

第99回:良い、悪い、の問題ではない問題(想田和弘)

コラムニストで車椅子ユーザーの伊是名夏子さんのブログ「JRで車いすは乗車拒否されました」が、ネット上で批判にさらされている。伊是名さんのツイッターには、「事前に連絡すべきだった」「駅員さんに対する感謝の言葉がない」「駅員さんがかわ…

第98回:ニュースにならぬ「うまくいっていること」に目を向ける(想田和弘)

日々のニュースに接していると、この世の中には問題が山積みだと感じて、息苦しくなったり、怒りが湧いてきたり、不安になったり、気持ちが沈んだりすることがないだろうか。僕は結構ある。その背景には、世の中で「うまくいっていること」は、基…

第97回:否定的な言葉と、肯定的な言葉(想田和弘)

私たち人間には、やられたらやり返したくなる、という本能的な習性があると、つくづく思う。それは自分自身の日々の生活を観察していれば、一目瞭然である。誰かに悪口を言われれば、悪口を返したくなるし、不機嫌な顔や声を出されたら、不機嫌な…

第96回:為政者の無策のツケを払わされる、飲食店や映画館や劇場、そしてコロナ患者を受け入れている医療機関(想田和弘)

1月8日、新型コロナウイルスの感染拡大により、1都3県に対して2度目の緊急事態宣言が出された。奇しくも翌9日から、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで拙作「精神0」のナント三大陸映画祭グランプリ記念上映が始まった。1回目の緊急…

第95回:戦争は終わる。あなたが望めば。(想田和弘)

激動の2020年が終わろうとしている。毎年この時期になると、なぜかジョン・レノンとオノ・ヨーコの「Happy Xmas(War Is Over)」が聴きたくなる。「War is over. If you want it(戦争は終わる。あなたが望めば)」という歌詞には、あまりにもシンプ…

第94回:バイデン勝利。しかし米国には不穏な空気が漂い始めた。(想田和弘)

米国民主党のジョー・バイデンとカマラ・ハリスのコンビが、次期大統領・副大統領にそれぞれ就任確実となった。しかし予想した通り、現職大統領のドナルド・トランプは選挙に負けたことを認めよう...

第93回:日本学術会議任命拒否問題に覚える「のれんに腕押し」感と既視感(想田和弘)

菅義偉政権による日本学術会議会員の任命拒否問題は、言論の自由を脅かすものであり、掛け値無しに重要である。だからこそリベラル系のマスメディアや市民から批判の声が一斉に上がっているし、僕...