2025年11月2日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:1975年、北海道生まれ。作家。反貧困ネットワーク世話人。フリーターなどを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。06年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年、太田出版/ちくま文庫)は日本ジャーナリスト会議のJCJ賞を受賞。著書に『学校では教えてくれない生活保護』『難民・移民のわたしたち これからの「共生」ガイド』(河出書房新社)など50冊以上。24年に出版した『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)がベストセラーに。

第687回:『難民・移民のわたしたち これからの「共生」ガイド』で取材した、この国の外国人を取り巻くリアル。の巻(雨宮処凛)

「自分はまわりにいる友だちとは全然違って、生きる権利を持っていないことを知りました」。この言葉は、日本に住む16歳(当時)の女の子・みさきさん(仮名)のものである。ある集会で、彼女の音声が紹介された。なぜ、「生きる権利」がないのか…

第686回:和歌山カレー事件をめぐる映画『マミー』を観て、「戦争」との類似点について考えた。の巻(雨宮処凛)

公開初日となるその日、映画館は満席だった。待ちわびていた映画を、私はやっと観ることができた。その映画とは『マミー』(二村真弘監督)。今から26年前に起きた和歌山カレー事件を巡るドキュメンタリーだ。1998年、夏祭りで振る舞われたカレー…

第685回:猛暑の中の相談会ツーデイズ〜物価高騰に上がり続ける悲鳴〜の巻(雨宮処凛)

35度を超える猛暑となった週末、ふたつの相談会で相談員をした。まず7月27日に参加したのは、「いのちと暮らしを守るなんでも電話相談会」。 コロナ禍に始まり、以来、隔月で開催されてきた電話相談会だ。全国の弁護士や司法書士、支援者らが無料…

第684回:「時代についていけない高齢者」予備軍の一人として、タッチパネルにキレた高齢男性に思わず同情してしまう。の巻(雨宮処凛)

少し前、たまに行くご飯屋さんに友人と行った。個人の店で、庶民的な価格でいつも賑わっている人気店。ランチの時間も終わり頃に入ると、いつもと違うことに気がついた。これまでは店員さんに口頭で注文するというやり方だったのに、席にタッチパ…

第683回:都知事選。なぜ、石丸伸二氏が二位だったのか。の巻(雨宮処凛)

なんとも驚く結果だった。それは東京都知事選。午後8時ジャストに小池百合子氏が当確。のみならず、蓋を開けてみれば蓮舫氏を40万票近く上回り、石丸伸二氏が二位となっていたという逆転劇。このことに、多くの人がショックを隠せないでいる。...

第682回:いろいろとタガが外れた都知事選〜「注目される」ためなら手段を選ばない人たち。の巻(雨宮処凛)

あと少しで都知事選の投票だ。今回の都知事選ほど「タガが外れた」光景を私は見たことがない。言わずもがな、悪ふざけを超えた候補者たちの存在だ。怪文書と化した選挙公報。「放送事故」と言われたいのが丸わかりの、だけど少しも笑えない、セン…

第681回:都知事選、地方出身者の都民の一人として思うこと。の巻(雨宮処凛)

都知事選の投開票日まであと2週間を切った。立候補しているのは、過去最多の56人。そんな都知事選告示の少し前、東京都の合計特殊出生率は、この8年で1.24から0.99まで下がったことが報じられた。また6月20日には、1975年生まれで子どものいな…

第680回:コロナ禍、冷酷だった小池都政を振り返る。の巻(雨宮処凛)

7月7日に投開票の東京都知事選に、蓮舫氏が立候補を表明した。表明の5日後に蓮舫氏が訪れたのは、東京都庁の下で毎週土曜日に開催されている食品配布だった。この連載でもよく触れている食品配布。コロナ前は近隣の野宿男性50〜60人が並んでいた…

第679回:「新時代の『日本的経営』」が破壊したこの国〜『ルポ 低賃金』の巻(雨宮処凛)

「なぜ、この国では普通に働いても普通に暮らせないのか?」。その本の帯には、そんな言葉が大きく踊る。その横には、こんな文章。「非正規労働者、漂流を余儀なくされる若者たち。非正規公務員や農業者、個人請負の宅配ドライバー……。労働の現…

第678回:「つばさの党」から3人の逮捕者、に思うこと。の巻(雨宮処凛)

闇バイトで逮捕された人一一? それが「つばさの党」逮捕の映像を見た瞬間、思ったことだ。私が「つばさの党」について知ったのはごく最近、東京15区補欠選挙の最中。ある候補者の応援に行っている人から「妨害がひどい」と聞いたのが最初だっ…