2024年11月26日
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想田和弘

想田和弘
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想田和弘(そうだ かずひろ):映画作家。1970年、栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒業。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業。BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。最新作『五香宮の猫』(2024年)まで11本の長編ドキュメンタリー作品を発表、国内外の映画賞を多数受賞してきた。2021年、27年間住んだ米国ニューヨークから岡山県瀬戸内市牛窓へ移住。『観察する男』(ミシマ社)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)など著書も多数。

第132回:能登半島地震に思うこと(想田和弘)

元日に発生した能登半島地震で起きた被害の甚大さが、徐々に明らかになりつつある。石川県によれば、1月8日午前の時点で161人の方が亡くなり、今なお103人の方々の安否が不明である。地震から1週間以上経過した今でも、多くの地域で停電や断…

第131回:独立系映画館のピンチと可能性(想田和弘)

全国の独立系映画館、いわゆる「ミニシアター」とか「アートハウス」と呼ばれる映画館の多くが、現在かなり大きなピンチを迎えていることをご存じだろうか。岩波ホールやテアトル梅田、名古屋シネマテーク、京都みなみ会館などが閉館を余儀なくさ…

第130回:瀕死の「大学の自治」に最後のとどめ? 国立大学法人法改悪案(想田和弘)

今国会では、首相らの給料を46万円アップさせる法案が非難を集めて炎上している。だが、それよりも将来にわたって禍根を残し、何百倍も有害だと思われる法案が、メディアや主権者にあまり注目されることもなく、衆議院本会議で審議にかけられてい…

第129回:暴力に暴力で応じても解決にはならない(想田和弘)

パレスチナのガザ地区を実効支配するハマスとイスラエル軍が、大規模で無慈悲な殺し合いを始めてしまい、毎日夥しい数の犠牲者が出ている。 事態の推移に心を痛めながら、あらためて確信を深めたことがある。それは、暴力に対して暴力で応じても決…

第128回:ゆっくりと、カタツムリのように。(想田和弘)

瞑想を習い、毎日実践し始めて約7年になる。当初は自分だけで座ることが多かったのだが、1年半くらい前から、毎朝30分、実家の両親とLINEで音声をつないで瞑想するようになった。そこに姉や姪もときおり参加する。きっかけは、父の身体の不調で…

第127回:小さいことは、良いことだ。(想田和弘)

8月5日、牛窓で花火大会があった。過疎化が進む、人口六千人弱の小さな町である。花火大会の主催者は民間のボランティア団体であり、存続の成否は毎年綱渡りである。団体の収支報告によると、予算は協賛金や募金の集まり具合によって毎年変わるが…

第126回:梅雨空に思うこと(想田和弘)

牛窓は梅雨空が続いている。じめじめした天気がこう何週間も続くと、つい太平洋高気圧の到来を切望したくもなる。しかし、先日散歩中、ふいに降り出した小雨の中を早足で歩きながら、「毎日たくさん雨が降るのに、よくも水が尽きないものだ」と思…

第125回:差し迫る福島第一原発原子炉倒壊の危険性:森重晴雄氏の警告を聞け(想田和弘)

ここのところ、森重晴雄氏のフェイスブック投稿から目が離せない。森重氏は、原子力プラント設計や耐震構造の専門家で、伊方原発3号機の原子炉の据え付き責任者も務めたという技術者である。彼によると、福島第一原発一号機の圧力容器を支えてい…

第124回:議論するな、とにかく試せ(想田和弘)

ここのところ、新作ドキュメンタリー映画『五香宮(仮)』の編集に没頭している。五香宮は、牛窓にある古くて小さな神社である。2021年に撮影を始めたきっかけは、五香宮の敷地で暮らしている20、30匹の猫たちにある。飼い主のいない猫たちの保護…

第123回:AIに潜む「監視ビジネスモデル」。タダほど高いものはない。(想田和弘)

先日、朝日新聞の電子版で「ChatGPT、何が問題か 元グーグル社員『非常に無責任で無謀』」と題する記事を読んで、なるほどそういうことかと、得心した。元グーグル社員で元ニューヨーク大研究教授のメレディス・ウィテカー氏へのロング・インタビ…