台風のさなか、「観光コースでない沖縄」を巡る(マガジン9編集部)

台風のさなか、「観光コースでない沖縄」を巡る(マガジン9編集部)

10月は言うほど沖縄も混んでいないし、台風ももう来ないよね…などと計画を立てたのは夏だっただろうか。それが、台風は直撃するわ、総選挙のさなかだわ、何ともエライときに沖縄を旅行してきた。

台風が沖縄に最接近した21日、まず東村高江に足を延ばした。去年12月以来だが、そのときに座り込んだN1ゲート前にはあの時と同じテントが立っていた。テントにいたのは村議の伊佐真次さんで、いろいろとお話を伺った。ヘリパッド建設の現状、騒音被害、そして先日のCH53墜落について。人は少なくなっても、ここに住む人々にとって問題は 何も終わっていない。それどころか、墜落したヘリからの放射性物質が土地を汚染したのではないかという新たな問題までが起こっている。テントの屋根に叩きつける豪雨が、高江の人々の心を表しているようだった。

こちらを辞し、昨年12月に普天間基地所属のMV22オスプレイが墜落した名護市安部を抜け、辺野古へ。台風のためこちらは座り込み中止だった。テントも風で飛ばないように天幕を外すなど細心の注意がなされている。

読谷村のチビチリガマへ向かった。三上智恵さんが連載でも言及した、今年9月、地元の少年たちによって荒らされてしまった場所だ。嵐の中、足を踏み入れると荘厳な気持ちになり、思わず背筋が伸びる。平和の像に手を合わせると、少年たちへの怒 りというよりも悲しみが湧き上がってきた。ごうごうと響く風の音はまるで、ここで亡くなった人々の悲鳴のようだ。

そして、読谷村の隣である嘉手納町の「道の駅かでな」へ。この屋上に上がると米軍嘉手納基地が一望できる。風は相変わらず強いが、いつの間にか晴れ間も出てきた。まさに地平線の向こうまでが基地という広さ。地上に降りたところにある観光案内板を見ると、地図の半分が基地で占められていた。沖縄の基地負担の重さを実感するには十分な光景だった。

沖縄旅行本来の目的は別にあったが、少し足を延ばすだけで「観光コースでない沖縄」が見えてくる。上記の事件はどれも、ここ1年の間に起こったことだ。翌22日、沖縄4選挙区のうち3区で「反辺野古」を掲げた候補が当選し、県民の意思が変わらないことを再確認した。

(仲松亨徳)