第9回:2020年をふりかえって(塚田ひさこ)

チャコの区議会物語

日本のみならず全世界が激動の年、私自身も大きな変化

 手帳をめくりながら、ざっくりと、豊島区議会と自分自身の議員活動における、2020年の主な出来事を振り返ってみました。

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1月:昨年末に、とある区議会議員がSNS上で伊藤詩織さんに対してセカンドレイプ的な発言を投稿。それを問題視した女性議員を中心に、「あらゆる性暴力の根絶を目指す決議」の文案を会派を超えて作成するも、多数会派はそれに対して冷ややかな対応。豊島区議会では、女性の占める割合は40%を超えているが(がゆえにか?)ここでは、シスターフッド的な動き(女性同士の共闘)は作れないことがわかり、少なからずショックを受ける。この経緯についてはこちらにも書きました。

2月:第一回定例会始まる。「一般質問」を行う。
*新型コロナ感染症のニュースがじわじわと広がってくる。

3月:予算特別委員会の委員として、総括質問、質疑応答、意見開陳を行う。
議会最終日に「あらゆる性暴力の根絶を目指す決議」案が反対多数で否決。反対討論を行う。
*WHOが新型コロナ感染症のパンデミック宣言。
**ジェンダー平等に関する根本的な思想の違いから、「生活者ネットワーク」を離脱し、無所属となる。

4月:コロナの影響で卒業式や入学式への議員の来賓参加が全てなくなる。議会改革委員会にて、コロナ禍においても、このまま委員会での「お茶出し」を続けていいのか? と問題提起。この経緯についてはこちらに。

5月:臨時本会議。「無所属の会」と会派を組み、4人の会派として新たにスタート。会派の副幹事長になり、正副幹事長会議(代表者会議)にも初めて参加。

6月:第二回定例会始まる。本会議初日に、「性暴力の根絶を目指す決議」などが可決。「一般質問」を行う。「あらゆる性暴力を許さない」陳情が否決されたことを疑問視する声や、当該議員のヘイト発言について問題視する陳情が区民よりあがる。この経緯については、こちらにも書きました。 

7月:憲法遵守の義務を負う区議会議員による、区民の「請願権」を脅かすような行為があったことがわかり、本会議最終日に、議長より異例のコメントが出される。詳しくはこちら

8月:コロナにより、管外視察も中止、研修もとりやめ、ひたすらオンライン会議や研修。

9月:第三回定例会始まる。決算特別委員会(今期は委員ではないので、同じ会派メンバーのサポートにまわる)。そしてお茶出しが正式に廃止!
**区政の情報を区民に知らせる「塚田ひさこの区議会通信」の発行。

10月:本会議最終日

11月:第四回定例会始まる。一般質問を行う。会派予算要望を区長に行う。
**「第1回知る・考える・つながる講座」&区政報告会を実施。

12月:東京のコロナ感染者数が増え続け、緊張の中、本会議無事終了。
**「第2回知る・考える・つながる講座」&区政報告会を実施。2ヶ月続けてやってみたが、コロナ禍で人に集まってもらうことの難しさを感じる。

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 こう振り返ると、世界がコロナ禍に巻き込まれ、世界史に残るような大変動がおき、「ニューノーマル」という言葉も生まれたわけですが、私自身の環境も大きく変わったのだなあ、と感慨深くもなりました。無所属になったことで、自由にこのコラムの連載もできていると感じています。

目の前の人命を救うのが、基礎自治体の役目

 そして今年ほど、「基礎自治体の最大の役目は市民の命と生活を守ること」、「有事には爆発的に行政需要が増える」ということを実感した年はないでしょう。これまで定数管理計画のもと人件費が抑えられ、ぎりぎりの職員体制で通常業務をこなしていたわけですから、一人あたりの仕事量が増え続け、職員の健康管理も心配になってきます。こんな見方をしていると、コロナによって待ったなしの状況で迅速な行政サービスを求めている区民よりも役所側に立っているのか、と批判されそうですが、人手不足をこれほど目の当たりにしてしまうと、ついそんな情にもかられてしまいます。

 そして今年の冬は、またいちだんと寒さが厳しい。コロナで仕事を失った人が急増しており、支援団体によると相談の件数もどんどん増えて内容も深刻だと言います。まさに待ったなしで、この分では年末年始に家を失う人が出てしまうのではないかということで、東京都が「TOKYOチャレンジネット」での総合相談やビジネスホテルを借り上げての一時宿泊施設の提供を、12月21日よりスタートさせました。豊島区も東京都と連動をし、支援体制の準備をしていると聞いています。

 4月の末から5月にかけての大型連休の時は、休業要請によって居場所を失ったネットカフェ生活者が大勢路上に出るのではないか、との危機感もあり、豊島区でも「住まいにお困りの方はまず相談してください」と呼びかけるチラシを作成し、ネットカフェに配布をしました。また、区内で活動中の支援団体にもお願いをし、炊き出しの際にチラシをマスクと一緒に配ってもらい、告知にも務めました。この年末に向けても同様の対策をとると聞いています。近く所管課長よりヒアリングを受けることになっていますので、最新の情報がわかれば、また随時、私のtwitterなどでお知らせいたします。

 来年は、どんな年になるのか……。ますます予測がつかなくなってきましたが、いろんなことが「元にもどる」ということは、もうないのではないかと思います。

 区では今、5年ごとに計画見直しをする「都市計画マスタープラン」を策定中です。その上位計画は東京都が作成するわけですが、相変わらず、大型再開発や国際競争力の強化といった言葉がちりばめられています。もうその方針は、コロナによってものすごく古びたものに見えるようになってしまいました。

 そんなことよりも、とにかく今は、人に目を向けていかなければ。特に最近私が気になっているのは、区内で働き暮らす、女性の生きづらさや貧困の問題です。まだ十分ではないものの、シングルマザーへの支援は以前よりは進み、地域のNPO団体も入っての、行政とつながる仕組みができつつあります。しかし、子どもがいない単身の女性たちの実態がどうなっているのかを、アンケートやデータをとり可視化していく必要があると思います。また、DV被害の相談件数もコロナ禍でかなり増えているというデータがありますので、被害者支援や予防、加害者への対応についても、リサーチや現状把握をして、政策につなげていきたいと考えているところです。

       

塚田ひさこ
塚田ひさこ(つかだ・ひさこ):豊島区議会議員・編集者。香川県高松市生まれ。香川県立高松高校、成城大学卒業後、サントリー(株)など民間会社勤務を経て、2005年憲法と社会問題を考えるウェブマガジン「マガジン9条」(現「マガジン9」)の立ち上げからメンバーとして関わり、運営・企画・編集など事務局担当。2019年5月地方統一選挙にて初当選。email:office@toshima.site twitter:@hisakotsukada9