2024年3月29日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第552回:「女性による女性のための相談会」、125人が来場! 〜寄せられた多様な声〜の巻(雨宮処凛)

「夢みたい……」生活保護申請を終えたあと、その女性は何度も小さく呟いた。3月13日、都内のある炊き出しで声をかけた女性。話をするともう3年ほど住まいのない生活で、大雨だというのに今夜の寝場所も決まっていないという。「今日と明日、大…

第551回:女性による女性のための相談会、開催します!の巻(雨宮処凛)

女性の実質的失業者、103万人。野村総研が推計した数字である。女性のパート・アルバイトで、仕事が半分以下に減り、休業手当も支払われていない層が2月時点でそれだけいるというのだ。昨年12月の推計では90万人だったのが、10万人も増加したこ…

第550回:人との関係を断ち切る貧困〜生活保護基準引き下げ違憲訴訟、大阪地裁で勝訴! の巻(雨宮処凛)

「大阪地裁、勝ちました!!」メーリングリストに流れてきたその言葉を見た瞬間、一人の部屋で「おおおおお!!」と叫んでいた。この日、大阪地裁で下されたのは「生活保護基準引き下げ違憲訴訟(いのちのとりで裁判)」の判決。結果は、原告の…

第549回:なぜ、57歳母と24歳の息子は死んだのか〜「八尾市母子餓死事件」の調査のため、八尾市に〜の巻(雨宮処凛)

新型コロナウイルスがこの国でも広がり始めた2020年2月22日、大阪府八尾市のアパートで、親子2人の遺体が発見された。亡くなっていたのは、57歳の母親と、24歳の長男。死後1ヶ月以上経過していた母親の死因は急性薬物中毒で、自殺とみられている…

第548回:「扶養照会」が壊す家族の絆〜最後のセーフティネットが「権利」になるために。の巻(雨宮処凛)

「私が鬱で退職療養中に、25年間音信不通だった父の扶養照会を、数年間にわたり毎年受けました。DVや貧困など不幸なかつての家族生活を思い出し、照会があるたびに精神状態が不安定になりました。同時に親の面倒を見れない自分の経済状況に…

第547回:コロナ禍における「学校」、そして「不登校」「ひきこもり」〜ステイホームで突然「フロントランナー」となった在宅人たち。の巻(雨宮処凛)

コロナ禍で変わったことはたくさんあるが、もっとも変わったのは、「在宅」をめぐるあれこれだろう。「ステイホーム」が呼びかけられる中、多くの企業が在宅勤務を実践し、そのうちのかなりの割…

第546回:「福祉」に頼りたくない、それぞれの理由。「扶養照会」についてのアンケートから見えたもの。の巻(雨宮処凛)

コロナ禍で、多くの人が生活困窮に直面している。仕事を失い、貯金も尽き、家賃やライフラインの滞納も始まっているという人も多いだろう。そんな時、頭にちらつくのは「生活保護」という言葉だと思う。自力で頑張りたいけれど、友人知人から借…

第545回:命の危機でも生活保護を拒む人たちと、増える自殺者。の巻(雨宮処凛)

怒涛の年末年始が終わったと思ったら、東京を中心とした一都三県は二度目の緊急事態宣言となった。多くの飲食店が悲鳴を上げ、飲食の仕事にあぶれた人々は日雇い派遣に殺到し、そうなるとそれまで日雇い派遣で働いてきた人たちがシフトに入れなく…

第544回:怒涛の年末年始 困窮者支援の現場から。の巻(雨宮処凛)

2021年がやってきた。コロナ禍の年末年始、あなたはどのように過ごしただろうか。私は12月29日から1月3日まで、困窮者支援の現場で相談員をつとめていた。この国の「底」が抜けているということを、嫌というほど痛感する6日間だった。ここで年末…

第543回:年末年始の支援情報!〜炊き出し、相談会、大人食堂などなど〜の巻(雨宮処凛)

12月19日、私は日比谷公園にいた。この日開催されたのは、「なんでも相談会」。4月から開催されている「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守るなんでも電話相談会」と同時に開催された。5回目となる電話相談には全国から500件ほどの相…