2024年4月26日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第565回:『貧困パンデミック 寝ている「公助」を叩き起こす』から見えるコロナ禍の一年半。の巻(雨宮処凛)

自分ちの猫が可愛すぎて、講演の際に使うパワーポイントの最後のページに愛猫の写真を仕込んでおき、さりげなくみんなに自慢する人がいる。1990年代から貧困問題に取り組む、「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛氏だ。そんな稲葉氏がこの...

第564回:相模原事件から5年。の巻(雨宮処凛)

もうすぐ、7月26日がやってくる。5年前のこの日、相模原の障害者施設に男が押し入り、19人を殺害。26人が重軽傷を負った。逮捕されたのは施設の元職員の植松聖。当時26歳。「今、やまゆり園で起きた事件の犯人は私です」と津久井署に自首した植…

第563回:「困ってる人を追い返す意地悪な役所の人」をロールプレイで演じてみたら、自分の「ヤバさ」に気づいた。の巻(雨宮処凛)

「ヤバい、これ、ちょっと癖になりそう……」。そんな言葉が私の頭をよぎったのは、6月某日のことだ。この日、私はzoomの「オンライン研修」で、「模擬生活保護申請」をしていた。私が「役所の意地悪な職員」役となり、生活保護を申請したい人…

第562回:私が貧困問題に取り組み続けている理由〜「死なないノウハウ」を得ると、意地悪度が下がるという発見〜の巻(雨宮処凛)

「どうして心が折れずに続けていられるんですか」。貧困問題に取り組んで15年。たまにこんな質問を受けることがある。状況は変わらないどころか悪化しているのに、自分たちの活動が政治を変えないことに無力感を感じないのか、という質問だ。…

第561回:「普通の生活がしたい」という悲鳴。の巻(雨宮処凛)

「普通の生活がしたいです」。最近、そんな言葉を耳にする機会が増えた。コロナによって失業したり、住まいを失ったりした人の相談に乗る際に聞く言葉だ。日々支援団体に寄せられるSOSメールにもそんな言葉が目立つ。普通の生活。それがどんな…

第560回:住まい、携帯、実態調査〜今、困窮者支援において緊急に必要なもの~の巻(雨宮処凛)

「女性の賃金は男性の76.5%」「女性非正規労働者の82.6%は年収200万円未満で働いています。女性の暮らしが苦しいのはこのせいです」。この言葉は、6月4日に開催された「女性による女性のための相談会」の報告会で配布された資料に掲載されて…

第559回:ネットいじめが人を孤立させる理由 もう誰も死なせないために。の巻(雨宮処凛)

昨年5月、テレビ番組「テラスハウス」に出演していた木村花さんが亡くなった。5月19日、彼女の死後にTwitterで中傷したとされる男性に、129万円の支払いが命じられた。男性を訴えたのは、花さんの母親。男性は「あんたの死でみんな幸せになっ…

第558回:コロナ禍、不自由な日々の中で突き刺さる「無実の罪で獄中29年」、桜井昌司氏の言葉。の巻(雨宮処凛)

「この一年、コロナのせいで季節の思い出もイベントの思い出も何もない」「人生、むちゃくちゃ損してる気がする」。そんな声を耳にすることがたまにある。私自身も、自粛自粛のかけ声の中、時々うんざりする気持ちが込み上げる。「人となかなか会…

第557回:コロナ禍、2度目の大人食堂に658人が訪れる。の巻(雨宮処凛)

教会の前には、食料を求める長蛇の列ができていた。5月3日と5日に開催された大人食堂。コロナで失業するなどして生活に困っている人々にお弁当や野菜、生活用品などを配布し、医療、労働、生活相談をするという取り組みだ。支援団体が連携し、…

第556回:恐怖のインパール五輪〜家が火事なのに「祭りがしたい!」と駄々をこねる成人男性が支配する国~の巻(雨宮処凛)

第4波。とうとう4都府県に三度目の緊急事態宣言が出た。対象は東京、大阪、京都、兵庫。大阪では連日の感染者が1000人を超え続け、重症病床使用率がとうとう100%を超えた。東京でも感染者は増え続け、その多くが変異株と言われている。そんな3…