2024年11月27日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第539回:10月の自殺者数、2000人超の衝撃。の巻(雨宮処凛)

衝撃の数字が発表された。それは、10月の自殺者数。2153人と、とうとう2000人を超え、男性は前年同月比で21.3%増えて1302人。女性は前年同月比でなんと82.6%も増えて851人。背景には様々な...

第538回:アメリカ大統領選と、法廷でトランプ礼賛を続けた植松死刑囚。の巻(雨宮処凛)

アメリカ大統領選が終わった。バイデン次期大統領の誕生が決まり、4年間にわたる分断と対立と憎悪と差別を煽るトランプ政治が終わることに今、ひとまず胸を撫で下ろしている。「私は分断ではなく結束を目指す大統領になると誓います」「対抗す…

第537回:コロナで路上に出たロスジェネへの、あまりにも意地悪な対応。生活保護を巡る、杉並区・謎のローカルルール。の巻(雨宮処凛)

「やっとだね!」「本当によかった!」「でも、長かった……」10月22日午後4時、私たちは杉並区・高円寺の福祉事務所でそう言い合った。この日、ここに揃ったのは立憲民主、共産党、無所属などの超党派の杉並区議が5人。応援のために駆けつけた…

第536回:『日没』と日本学術会議~「不当に恵まれている誰か」を敵と名指され叩いてきた十数年~の巻(雨宮処凛)

日本学術会議の任命拒否問題が注目される中、恐ろしい小説を読んだ。それは9月に出版された桐野夏生氏の『日没』。帯には、「ポリコレ、ネット中傷、出版不況、国家の圧力。海崖に聳える収容所...

第535回:任命拒否という「見せしめ」〜日本学術会議の問題が投げかける菅政権のメッセージ〜の巻(雨宮処凛)

菅政権が始まったばかりだというのに、「末期症状」と言いたくなるようなことが続いている。例えば9月末の自民党議員・杉田水脈氏の「女性はいくらでも嘘をつけますから」という発言。その後、…

第534回:「役所用語」のバリアフリー化を! 各種制度の説明文、日本語おかしくないですか? の巻(雨宮処凛)

あと少しで、東京に緊急事態宣言が出された4月7日からちょうど半年となる。「新型コロナ災害緊急アクション」には、今も連日のように緊急度の高いSOSが寄せられている。それもそのはずで、コロ...

第533回:8月の自殺者、1849人の衝撃。の巻(雨宮処凛)

恐れていたことが現実となってしまった――。その報道を見た瞬間、思った。それは8月の自殺者数が1800人を超えたこと。前年同月と比較して240人増。男性は60人増えて1199人、女性は186人増え…

第532回:「自助・共助・公助」〜「共倒れするまで助け合え」という呪い(雨宮処凛)

「自助・共助・公助」自民党総裁選を控えた菅義偉官房長官がこのところ強調している言葉だ。「まず自分でできることはまず自分でやる。自分でできなくなったらまずは家族とか地域で支えてもらう。…

第531回:安倍政権、終わる。〜格差と分断の7年8ヶ月〜の巻(雨宮処凛)

7年8ヶ月続いた安倍政権が、終わった。突然の幕引きだった。2012年12月に発足して8年近く。思えば、長い長い時間だった。諦めや無力感を植え付けられるような、反対意見を言えば「晒し者」にさ…

第530回:「反貧困犬猫部」を作ったチワワ、天に召される。の巻(雨宮処凛)

8月13日、ひとつの小さな命が亡くなった。18歳のチワワのAちゃん。飼い主さんの膝の上で、その生涯を終えた。この連載の第523回で書いた「昨日から私も犬も食べてません」とメールをくれた女性…