2025年4月20日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:1975年、北海道生まれ。作家。反貧困ネットワーク世話人。フリーターなどを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。06年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年、太田出版/ちくま文庫)は日本ジャーナリスト会議のJCJ賞を受賞。著書に『学校では教えてくれない生活保護』『難民・移民のわたしたち これからの「共生」ガイド』(河出書房新社)など50冊以上。24年に出版した『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)がベストセラーに。

第554回:『コロナ禍、貧困の記録』〜「底が抜けた」2020年を忘れないために〜の巻(雨宮処凛)

1年前の今頃を、あなたは覚えているだろうか。ちょうど東京を含む1都6県に緊急事態宣言が出た頃だ。それが昨年4月7日のこと。それからの日々を、あなたは時系列で記憶しているだろうか。私はと言えば、新型コロナ感染が広がってから、記憶が著...

第553回:やってる場合かオリンピック〜しかもやまゆり園でパラリンピックの聖火を採火? の巻(雨宮処凛)

「やってる場合かオリンピック!」「中止だ中止、オリンピック!」3月25日、東京五輪の聖火リレーが福島のJヴィレッジを出発した日、東京・新橋のデモ隊からはそんなコールが上がった。この日開催されたのは、「『聖火』を止めろ! 五輪は中止! デモ」…

第552回:「女性による女性のための相談会」、125人が来場! 〜寄せられた多様な声〜の巻(雨宮処凛)

「夢みたい……」生活保護申請を終えたあと、その女性は何度も小さく呟いた。3月13日、都内のある炊き出しで声をかけた女性。話をするともう3年ほど住まいのない生活で、大雨だというのに今夜の寝場所も決まっていないという。「今日と明日、大…

第551回:女性による女性のための相談会、開催します!の巻(雨宮処凛)

女性の実質的失業者、103万人。野村総研が推計した数字である。女性のパート・アルバイトで、仕事が半分以下に減り、休業手当も支払われていない層が2月時点でそれだけいるというのだ。昨年12月の推計では90万人だったのが、10万人も増加したこ…

第550回:人との関係を断ち切る貧困〜生活保護基準引き下げ違憲訴訟、大阪地裁で勝訴! の巻(雨宮処凛)

「大阪地裁、勝ちました!!」メーリングリストに流れてきたその言葉を見た瞬間、一人の部屋で「おおおおお!!」と叫んでいた。この日、大阪地裁で下されたのは「生活保護基準引き下げ違憲訴訟(いのちのとりで裁判)」の判決。結果は、原告の…

第549回:なぜ、57歳母と24歳の息子は死んだのか〜「八尾市母子餓死事件」の調査のため、八尾市に〜の巻(雨宮処凛)

新型コロナウイルスがこの国でも広がり始めた2020年2月22日、大阪府八尾市のアパートで、親子2人の遺体が発見された。亡くなっていたのは、57歳の母親と、24歳の長男。死後1ヶ月以上経過していた母親の死因は急性薬物中毒で、自殺とみられている…

第548回:「扶養照会」が壊す家族の絆〜最後のセーフティネットが「権利」になるために。の巻(雨宮処凛)

「私が鬱で退職療養中に、25年間音信不通だった父の扶養照会を、数年間にわたり毎年受けました。DVや貧困など不幸なかつての家族生活を思い出し、照会があるたびに精神状態が不安定になりました。同時に親の面倒を見れない自分の経済状況に…

第547回:コロナ禍における「学校」、そして「不登校」「ひきこもり」〜ステイホームで突然「フロントランナー」となった在宅人たち。の巻(雨宮処凛)

コロナ禍で変わったことはたくさんあるが、もっとも変わったのは、「在宅」をめぐるあれこれだろう。「ステイホーム」が呼びかけられる中、多くの企業が在宅勤務を実践し、そのうちのかなりの割…

第546回:「福祉」に頼りたくない、それぞれの理由。「扶養照会」についてのアンケートから見えたもの。の巻(雨宮処凛)

コロナ禍で、多くの人が生活困窮に直面している。仕事を失い、貯金も尽き、家賃やライフラインの滞納も始まっているという人も多いだろう。そんな時、頭にちらつくのは「生活保護」という言葉だと思う。自力で頑張りたいけれど、友人知人から借…

第545回:命の危機でも生活保護を拒む人たちと、増える自殺者。の巻(雨宮処凛)

怒涛の年末年始が終わったと思ったら、東京を中心とした一都三県は二度目の緊急事態宣言となった。多くの飲食店が悲鳴を上げ、飲食の仕事にあぶれた人々は日雇い派遣に殺到し、そうなるとそれまで日雇い派遣で働いてきた人たちがシフトに入れなく…