2024年11月26日
ホーム 著者 Posted by 三上 智恵

三上 智恵

三上 智恵
57posts
三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移住。同局のローカルワイドニュース番組のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。14年にフリー転身。15年に『戦場ぬ止み』、17年に『標的の島 風(かじ)かたか』、18年『沖縄スパイ戦史』(大矢英代共同監督)公開。著書に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)、『女子力で読み解く基地神話』(島洋子氏との共著/かもがわ出版)、『風かたか 『標的の島』撮影記』(大月書店)など。2020年に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社)で第63回JCJ賞受賞。 (プロフィール写真/吉崎貴幸)

第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~(三上智恵)

とにかく尋常ではない雨だった。沖縄に住んで27回目の慰霊の日(6月23日)だが、こんな台風並みの雨に打たれながら摩文仁に立ったことは一度もない。例年、不思議と慰霊の日の直前には梅雨は終わるものだった。今年は梅雨入りも早かったという…

第103回:軍隊に監視される社会でいいのか?~重要土地規制法成立と宮城秋乃さんの家宅捜索~(三上智恵)

私たちは急速に監視社会に向かっている。①国が国民を監視する、だけでなく②軍隊が国民を監視する、③国民が国民を監視する、この②と③が当たり前になる社会、戦前のような恐ろしい国に私たちをいざなう法律が、ついに参議院本会議で可決、成…

第102回:デニー知事・中止命令を回避~沖縄戦の遺骨を含む土砂採掘問題(三上智恵)

ガマフヤー(「洞窟を掘る人」の意・遺骨収集ボランティアの団体名)の代表、具志堅隆松さんらが3月、沖縄県知事の決断を求めて那覇のど真ん中の県庁前でハンストを決行したことは前回ここでリポートしたが、「沖縄戦の犠牲者の遺骨が混じった土…

第101回:「助けてぃくみそーれー!」~戦没者を二度殺すのか? 具志堅隆松さんら県庁前でハンスト~(三上智恵)

まだまだ多くの沖縄戦の犠牲者の骨が残っている沖縄本島南部の土を採掘し、辺野古の埋め立てに使うのはやめて欲しい。去年から徐々にその声は大きくなっていたが、沖縄県民にとって最も大事な慰霊碑であり骨塚でもある「魂魄(こんぱく)の塔」の…

第100回:コロナ禍に屈せず~進化する辺野古の抵抗~(三上智恵)

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況になっている沖縄では、今年は座り込みも集会も休止や縮小が相次いだ。特に辺野古のゲート前では、これまでは機動隊に抵抗する際に隣の人と手を組んでいたが、今はそれをせず、間隔をあけて座り、マスク…

第99回: 98歳・元ゲリラ教官から学ぶこと~岐阜の野原正孝さんに聞く~(三上智恵)

陸軍中野学校・宇治分校出身のゲリラ教官、野原正孝さん。郷里の岐阜県で、上陸してきた米軍に応戦するため、地域に残る少年や中高年の住民を訓練してゲリラ戦の準備をしていた男性だ。1945年夏。…
第98回:初公開!少年ゲリラ兵部隊の本拠地に迫る~75年目にベールを脱ぐ第一護郷隊の遺構~(三上智恵)

第98回:初公開!少年ゲリラ兵部隊の本拠地に迫る~75年目にベールを脱ぐ第一護郷隊の遺構~(三上智恵)

2020年の慰霊の日。今年も私はカメラを手に4カ所の慰霊塔を回ったものの、コロナウイルスへの警戒が解けないなか、どこも人影は少なく、名護市の第一護郷隊の慰霊碑にも元隊員の姿が初めて一人も…
第97回:私たちはもっとマシな社会を作らなければならない~BLACK LIVES MATTER in OKINAWA(三上智恵)

第97回:私たちはもっとマシな社会を作らなければならない~BLACK LIVES MATTER in OKINAWA(三上智恵)

私たちはもっとマシな人間にならなければならない 私たちはもっとマシな社会を作らなければならない 公衆の面前で、警察が平然と市民を窒息死させた なんなんだこれは?人類は後退しているのか?誰がこんな暴力を許してきたんだ?これは...

第96回:「スパイリストに載った少女」~その後の追跡で分かったこと~(三上智恵)

「『ヨネちゃんとスミちゃんを殺すやつは俺が殺す』と、言ったそうです」 沖縄戦当時18歳だった中本米子さんは、証言の中で何度もこのフレーズを繰り返した。ある海軍将校が言ったというこのセリ...

第95回:クイチャー乱舞~宮古島・弾薬庫建設阻止現場の一カ月~(三上智恵)

あの山城博治さんが、マイカーを宮古島に運び込んだ。居候させてもらう家も決まった。長く辺野古の基地建設反対の現場の指揮を執ってきた博治さんだが、この1年は、辺野古の土砂を運び出す本部町..