2024年11月26日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第639回:なぜ維新なのかについてのロスジェネ的考察。の巻(雨宮処凛)

日本維新の会が人気だ。毎日新聞が5月に実施した「立憲民主党と日本維新の会、どちらが野党第一党にふさわしいか」(支持政党にかかわらず)という世論調査では、維新と答えた人が47%、立憲と答えたのは25%。倍近い差がつく結果となった。維新…

第638回:国会、江戸時代に戻る〜萎縮を狙った「見せしめ」としての懲罰〜の巻(雨宮処凛)

6月9日、入管法の改悪が参議院本会議で可決、成立した。この連載でも触れてきたように、そもそも立法の根拠が崩壊していることが明らかになったにもかかわらず、外国人を見殺しにするような恥ずべき法案が、である。私の知る外国人の中には、「こ…

第637回:「日常」を取り戻しつつある中、「コロナ収束」から取り残される人々。の巻(雨宮処凛)

「コロナの影響で仕事を失い、2年前から車上生活。道の駅駐車場で生活」(60代男性)「単身、パート。家賃が払えず夜勤以外の日は5年間ネットカフェ暮らし。生活保護は働いていたら受けられないと間違った認識でいたため申請したことなし」(5…

第636回:「改正」が必要なのは、今の杜撰すぎる難民認定審査のあり方では? 〜渋谷に7000人! 入管法改悪反対デモ~の巻(雨宮処凛)

「姉は入管で飢餓状態になり、入管職員に点滴を求め、病院に連れていってほしいと求めても叶えられませんでした。姉は殺されたのです」。5月21日午後3時半過ぎ、東京・渋谷の国連大学前に怒りの声が響き渡った。マイクを握るのは、2021年3月、…

第635回:新しい戦前にさせない〜「軍拡より生活」の動き、各地に広がる。の巻(雨宮処凛)

「新しい戦前」。昨年末、「徹子の部屋」にゲスト出演したタモリ氏が、2023年について問われて言った言葉だ。「新しい戦前になるんじゃないですかね」。その少し前、政府はロシアのウクライナ侵攻などを理由に今後5年間の防衛費を計43兆円にす…

第634回:「5類」移行を機に考えたい、「分厚いセーフティネット」のために必要なこと。の巻(雨宮処凛)

この原稿がアップされる頃、新型コロナの感染症法上の位置付けは季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行している。初めての「緊急事態宣言」が出てから、実に3年と1ヶ月。第1波から第8波まで、本当にいろいろなことがあった。何度も何

第633回:岸田首相襲撃事件から考える、「無差別」ではなくターゲットが絞られた事件の続発について。の巻(雨宮処凛)

4月15日、岸田文雄首相を目がけて一本のパイプ爆弾が投げつけられた。逮捕されたのは24歳の男。男は昨年6月、年齢制限や供託金が用意できなかったことで参院選への出馬を阻まれたとして、国を提訴していた。昨年10月に提出された裁判の準備書面…

第632回:「冠婚葬祭に行けない」「墓参りに行けない」 生活保護引き下げ違憲訴訟、3月の3連勝を受け、厚労省に要請書を提出。の巻(雨宮処凛)

「テレビも洗濯機も何もない。こないだラジオが故障して、修理できずにそのままになっています。ないないづくしの中、裁判が始まって、弁護士から『何が買えなくなりましたか』と聞かれて、普段から何も買えないから答えられませんでした。風呂…

第631回:伝説のバンド「THE FOOLS」のボーカルは、なぜ月形刑務所で命を落としたのか〜動画に残された死に至るまでの過程。の巻(雨宮処凛)

「動画を見る限り、関わった人は20人くらいいます。准看護師、医者、看守。20人もいるのに、誰も『え?』と思わなかったのか。一人でも『やばいですよ、どうにかしましょうよ』と、ひと言言ってくれれば。でも、誰も言わないんです」。3月27日…

第630回:「必勝しゃもじ」と劣化ウラン弾、そしてイラク戦争から20年。の巻(雨宮処凛)

もしあなたが一国のトップで、現在のウクライナに入るとしたら、一体何を持参するだろう。なかなかの難題だが、我が国の首相は誰もが「まさか」と驚くものを持参した。言わずと知れた「必勝しゃもじ」。お土産とかでもらったら、「ちょっと困る…