2024年11月26日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第629回:アベノミクス、「新時代の日本的経営」、今さら失敗と言われても……。の巻(雨宮処凛)

「今になって“反省してる”とか言われても手遅れなんだけど……」。3月なかば、東京新聞の記事に思わずそう呟いた。その記事とは、「『賃金上がらず予想外』アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…『望ましくない方向』」…

第628回:困窮する外国人支援の現場から〜大澤優真さんに聞く。の巻(雨宮処凛)

「目の前で倒れてる人がいたら、助けますよね? でも、今の日本は倒れてる人にまず『あなたは在留資格がありますか?』と聞く。『ありません』と言うと助けない。これって、シンプルにおかしくないですか?」「つくろい東京ファンド」(困窮者支援…

第627回:「だめ連」ぺぺ長谷川さん、逝く。の巻(雨宮処凛)

2月だというのに春のような陽気の日、梅の花が咲く公園で大勢の人たちがお酒片手に語り合っていた。この日開催されていたのは一足早い花見一一ではなく「ぺぺ長谷川をみんなで送る交流会」。2月なかば、友人であるぺぺ長谷川さんが亡くなった…

第626回:愛猫・ぱぴちゃん、18歳7ヶ月で逝く。の巻(雨宮処凛)

2月なかば、私にとって一番大切な命が失われた。18年間ともに暮らしたぱぴちゃんだ。自宅の近くで拾った生後1ヶ月ほどの子猫に「ぱぴ」と名付けて一緒に暮らし始めたのが2004年。私は29歳だった。手のひらに乗るほど小さな子猫はよく食べ、…

第625回:入管法改定案が再提出? それよりも、この国に生きるすべての人の生存権を守る法律を。の巻(雨宮処凛)

1月26日、私はある記者会見の場にいた。それは「入管法改定案再提出に反対する共同声明」記者会見。この共同声明には貧困問題や平和、人権問題に関わる89もの団体が賛同。その会見に出席して発言させて頂いたのだ(声明と賛同団体一覧はこちら…

第624回:追悼・「愛される右翼」鈴木邦男。の巻(雨宮処凛)

鈴木邦男さんが亡くなった。新右翼・一水会の創設者。享年79歳。晩年はその言動から「左翼」と言われることも多かった。とにかく日本の右翼・左翼の垣根を取っ払い、分断と対立を乗り越える象徴みたいな人だった。そんな鈴木さんは、私にとっても…

第623回:またしても「困窮者のセーフティネット」で起きた火災。の巻(雨宮処凛)

「またしても起きてしまったか……」。第一報を耳にした時、思わず呟いた。それは神戸の集合住宅で火災が発生し、4人が死亡したニュース。1月22日深夜1時半過ぎに119番通報があり、3階建ての1、2階部分が焼け、焼け跡から男性4人の遺体が見つかっ…

第622回:コロナ禍で考える生活保護〜諸外国との比較から見えてくるもの~の巻(雨宮処凛)

コロナ禍も4年目に突入した。3年前の今頃、私は毎日のように横浜地裁に通っていた。相模原障害者施設殺傷事件の裁判傍聴のためだ。ちょうどその裁判のさなか、横浜地裁にほど近い横浜港にダイヤモンド・プリンセス号が入港。「対岸の火事」だった…

第621回:コロナ禍、3度目の年末年始で後退した公的支援。の巻(雨宮処凛)

3年ぶりとなる「行動制限のない」年末年始、あなたはどのように過ごしただろうか。コロナ禍で初めて帰省した人もいれば、久々に海外旅行に出かけた人もいるだろう。また、年末年始にコロナ感染してしまい、正月休みはずっと寝込んでいたという人…

第620回:不況、氷河期、イラク戦争。ロスジェネを描くドラマ「First Love 初恋」の巻(雨宮処凛)

2022年もあと数日だ。あとから振り返っても「激動」と言われるだろう年だった。2月にはロシアによるウクライナ侵攻が突如始まり、7月には安倍元首相の銃撃事件が起きる。コロナ禍でただでさえ現実感がない中、多くのウクライナ人が戦争から逃…