2024年11月27日
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雨宮処凛

雨宮処凛
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あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。06年より格差・貧困問題に取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)、『学校では教えてくれない生活保護』(河出書房新社)、『祝祭の陰で 2020-2021 コロナ禍と五輪の列島を歩く』(岩波書店)。反貧困ネットワーク世話人。「週刊金曜日」編集委員。

第599回:「あきらめて餓死するか、ホームレスになるしかない(60代男性)」。参院選で問われる命・生活へのまなざし。の巻(雨宮処凛)

「自分の人生に嫌気がさした」「事件を起こせば刑務所に戻れると思った」。この言葉は6月21日、埼玉県のネットカフェで女性店員を人質に5時間半立てこもって逮捕された男(42歳)が口にしたものである。男はこの2ヶ月ほど前に刑務所から出所。…

第598回:参院選、始まる〜これが終わったら3年間、国政選挙がないらしく、3年後、50歳になるロスジェネの一人として〜(雨宮処凛)

参院選が近づいている。この原稿が公開される6月22日公示、投開票日は7月10日だ。この参院選が終わると、3年間、国政選挙はないという。ということは、消費税増税をはじめとして、与党が好き勝手できてしまう「黄金の3年間」が訪れるわけであ…

第597回:ニュース女子、ウトロ放火事件、そして6年前の相模原事件に潜んでいた「予兆」。の巻(雨宮処凛)

その報道を知った瞬間、「よかった……」と全身から力が抜けるような思いがした。ご存知の通り、2017年1月、TOKYO MXの「ニュース女子」という番組で、辛淑玉さんに関する誤った情報が放送された件だ。これを制作したのがDHCテレビジョン。…

第596回:生活保護引き下げ違憲訴訟の勝訴、そして「科研費」裁判と『教育と愛国』。の巻(雨宮処凛)

報道を見た瞬間、大きな声で叫びそうになった。その報道とは、5月25日の熊本地裁判決。この日出たのは、生活保護基準引き下げ違憲訴訟、通称「いのちのとりで裁判」。それが勝訴となったのだ。第二次安倍政権で強行された生活保護引き下げが憲法…

第595回:侮辱罪厳罰化〜「餌食」にされた立場から。の巻(雨宮処凛)

侮辱罪厳罰化法案が参議院で審議入りした。その名の通り、侮辱罪を厳罰化するというもので、現在の「拘留(30日未満)または科料(一万円未満)」を「1年以下の懲役もしくは禁錮、30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料」に引き上げるとい…

第594回:高円寺「やっぱり再開発いらないパレード」。の巻(雨宮処凛)

あなたの好きな街はどこですか? そう問われたら、あなたはなんと答えるだろう。自分の住む街が大好きという人もいるだろうし、今は住んでいないけれど生まれた地元という人もいるだろう。いつか住みたいという憧れの街がある人もいるだろうし…

第593回:猫の介護から考えた「戦争」。の巻(雨宮処凛)

大型連休が終わった。3年ぶりの「行動制限のない」ゴールデンウィーク、あなたはどう過ごしただろうか。旅行に行ったという人もいれば、ずっと仕事だったという人もいるだろう。一方、連休で仕事が休みとなったことにより、いよいよ生活が厳し…

第592回:コロナ禍の「女性不況」、女性たちからの相談から見えてきたこと。の巻(雨宮処凛)

「食べることに困っています。助かりました。ありがとうございました」「いっぱいの食材ありがとうございました。年末年始で美味しく食べさせていただきます」「前回頂いたお野菜があまりに美味しく、家族皆大喜びでした。また頂けたらという思…

第591回:戦争が生み出す「未来の自殺者」〜「独裁から人々を解放し、民主主義をもたらす」戦いのため戦地に赴き、「良心の傷」に悩まされる彼。の巻(雨宮処凛)

「私たちがイラクからアメリカに帰国した時、まるでロックスターのような扱いを受けました。国中の人が私たちを英雄と称賛し、私たちのファルージャでの作戦がどれほど偉大かを語りました。正直、私たちは戸惑いました。何度も『英雄』という言葉…

第590回:コロナ禍、3年目 困窮者支援の現場の声。の巻(雨宮処凛)

4月9日、耳を疑うニュースが飛び込んできた。2020年11月、渋谷のバス停にいた女性に暴行して死亡させた48歳の男性が、遺体で発見されたというのだ。男性は自宅近くの路上で発見され、飛び降り自殺とみられているという。保釈中だったという…