言葉の海へ
第133回:ある会社の物語(鈴木耕)
鈴木耕 -
これは、ぼくが夢想した現代の苦いお伽噺であることを、最初に断っておく。ある会社の物語である。仮に「J社」としておこう。J社は、いわゆる総合商社である。バブル期(1980年代後期~90年代初…
言葉の海へ
第132回:去った男の残したものは(鈴木耕)
鈴木耕 -
安倍晋三首相が、8月28日(金)、ついに辞任を表明した。体調悪化が原因であることを疑うつもりはない。しかし……。安倍氏は6月には綿密な健康チェック(人間ドック)を受けていた。記者会見でも…
言葉の海へ
第131回:柴田鉄治さんの思い出(鈴木耕)
鈴木耕 -
今回は、ほんとうは原稿を書きたくない。書けば、悲しい知らせに触れなきゃいけないからです。8月23日、ぼくの大切な大先輩、柴田鉄治さんがお亡くなりになりました。柴田さんに「マガジン9」の…
言葉の海へ
第130回:君たちの戦争(鈴木耕)
鈴木耕 -
これからの戦争は「ぼくたちの戦争」じゃない。もし、これから戦争が起きるとしたら、それは「君たちの戦争」である。ぼくは1945年に生まれた。そう、戦争に完膚なきまでに負けた年だ。昭和20年…
言葉の海へ
第129回:此の頃お国に流行る物(鈴木耕)
鈴木耕 -
此頃(このごろ)都ニハヤル物 夜討(ようち) 強盗 謀(にせ)綸旨 召人(めしうど) 早馬 虚騒動(からさわぎ) 生頸(なまくび) 還俗(げんぞく) 自由(まま)出家 俄(にわか)..
言葉の海へ
第128回:憂鬱と居酒屋……(鈴木耕)
鈴木耕 -
天候もコロナも政治も、なんだか世の中すべてが憂鬱である。ぼくのふるさとからは、洪水のニュースも流れてくる。憂鬱に拍車がかかる。だいたい、「憂鬱」って漢字がユーウツである。むろん、こ…
言葉の海へ
第127回:パスポートなしで出入国できる人々(鈴木耕)
鈴木耕 -
沖縄の米軍基地で、新型コロナウイルス感染症のクラスターが出現している。沖縄県は7月11日、普天間飛行場(宜野湾市)とキャンプ・ハンセン(金武町など)の海兵隊の基地内で、すでに61人の感染…
言葉の海へ
第126回:ジャイアンだらけの世界なんとかしてよ、ドラえもん!(鈴木耕)
鈴木耕 -
憂鬱な天候である。九州などでは大雨で甚大な被害が出ている。毎年繰り返される大災害に、なすすべもなく立ち尽くす住民たち。政治の不在が、つくづく悲しい。「政治の不在」といえば、それは「政治家の不在」ということでもある。この現象は、い…
言葉の海へ
第125回:ヘンな都知事選(鈴木耕)
鈴木耕 -
誰だ、この候補者は? 東京都にお住まいの方以外は、あまり目にする機会もないと思うけれど、今回の都知事選の「立候補者ポスター掲示板」が、ミョーなことになっている。 まずは、この写真をご覧ください。 何がミョーかって? 宇都宮健児候...
言葉の海へ
第124回:沖縄辺野古と、秋田・山口のイージス(鈴木耕)
鈴木耕 -
この原稿を書いているのは6月23日。沖縄「慰霊の日」である。1945年6月23日、この日、凄惨な地上戦が行われていた沖縄で、日本軍の牛島満司令官が自決。それによって組織的な戦闘が終わったとさ…